芦沢ムネトが振り返る、心に残ったライブ5選【イラストLIVEレポート】

フテネコの生みの親・芦沢ムネトによる、イラストLIVEレポート……ですが、今回で最終回を迎えます。最後は、これまで数多くのステージから様々な刺激を受けてきた芦沢ムネトが、心に残る5つを厳選。画面越しでも繋がりを大切にしてきた、2020年。試行錯誤を繰り返し、あらたなライブの楽しみ方を演者・観客がともに築いていくであろう2021年。拳を突き上げ、大合唱できるその日に、またお会いできますように──。

【イラストLIVEレポート】
芦沢ムネトが振り返る、心に残ったライブ5選


芦沢ムネトでございます。イラストLIVEレポートは今回が最終回ということで、自分の思い出のライブ5選を、お話ししたいと思います。

くるり
20th ANNIVERSARY「NOW AND THEN vol.2」
2015.11.18@新木場STUDIO COAST(現:USEN STUDIO COAST)

まずひとつ目が、くるりですね。昔から大好きなんですけれども、僕が観に行ったのは『NOW AND THEN vol.2』 という、アルバム『TEAM ROCK』『THE WORLD IS MINE』の再現ツアーの新木場 STUDIO COAST公演でしたね。昔からのファンである僕からすれば、「最近ライブでやってなかったあの曲もやってくれるのか……!」ってかなり興奮した記憶があります。

今まで何回もくるりのライブを観てますけど、くるりってドラムが要なバンドなんだなって思いましたね。この時のライブでは、クリフ・アーモンドさんという方がサポートドラムで入られておりまして、クリフさんのドラムに乗っかるくるりのサウンドが、個人的にすごく新鮮だったんですよ。

ドラムの音がバシバシ、耳と体にくるわけですよ。くるりの楽曲の良さはもちろんのこと、クリフさんのドラムがくるりの歌やアンサンブルにバッチリはまっていた感じがしましたね!

それが心地良くて……本当に心地良くてね。今のくるりが昔の曲を演奏するっていう興奮と、アップデートし続ける彼らに生で触れることができた感動。早く、くるりの最新ライブを観たいです!

 

ハンバート ハンバート
レコ発ツアー「歩いていくんだ、どこまでも」
2014.10.3@日比谷野外大音楽堂

ふたつ目のライブは、ハンバート ハンバートの2014年の日比谷野音でのライブです。優しい声で、時にドキッとするような詞が魅力的なデュオでして、この日はバンドセットのライブでした。

野外だからこその楽しみ方ではあると思うんですけど、季節的に秋頃だったかなぁ、気温も本当にちょうど良くてね。お客さんもお酒を飲みながらゆるゆると楽しめて。夕方から夜になっていく、野音ならではの情景、会場を包み込む素晴らしい音楽、ハンバート ハンバートの温かくて深みのある世界にどっぷり浸っていました。

電球が複数のスタンドに設置されていたり、吊るされたシンプルだと思っていた照明が、だんだん星に見えてきて。自分の感覚が、どんどんハンバート ハンバートの小宇宙にのめり込んでいく体験をしましたね。本当にキラキラしてたんですよ。おふたりが作る世界がダイレクトに僕らに届いてるような……外の空気が吸えるとか、風が吹いてるとか、気温がちょうど良いとか、野外ならではの偶発的な要素が混ざって本当に素晴らしいライブ体験でした。

ハンバート ハンバートの野音公演、DVDが出ているので、皆さんにも買って観てほしい!

 

チャットモンチー
「CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE ~I Love CHATMONCHY~」
2018.7.4@日本武道館

ライブを観て泣いたことって、今まで2回しかないんですけど、そのうちの1回がチャットモンチーの武道館ラストワンマンライブ。個人的に交流もあったので、「チャットモンチーが終わっちゃうのかぁー」という複雑な気持ちで観に行った記憶が残っています。

オープニングは本当に楽しそうに、えっちゃん(橋本絵莉子)とあっこちゃん(福岡晃子)のふたりが出てきて始まるんですけども、ラストに差しかかってきた時に、最後はふたりだけで演奏するんですよ。「本当に歌えへんかもしれん」ってえっちゃんが言って、それに対してあっこちゃんが「大丈夫だ」と声をかける。ふたりの素敵な関係性を最後の最後まで見られて、「ずっと続いててほしい……!」って何回も思いましたよ。

最後が「サラバ青春」という曲で。卒業の歌と言いますか、青春が終わり離れ離れになることを歌ってるんですよ。まさしく、「サラバ青春」がチャットモンチーのための詞としてラストワンマンに存在していたんですよ。「チャットモンチーという青春にサラバする」、そんな締めくくりだったんです。

えっちゃんも歌いながら泣いちゃう、あっこちゃんも泣いて。“なんでもない毎日が本当は記念日だったって今頃気づいたんだ”っていう歌詞をあの日会場にいたみんなが噛み締めたんじゃないかなって。まわりのみんなも号泣してるし、僕も号泣しながら観てました。おふたりには本当に仲良くしてもらっていたので、自分の思い入れが素直に感情とリンクして、涙なしには観れませんでした!

 

山下達郎
「PERFORMANCE 2018」@中野サンプラザホール

そして、もうひとつ泣いたのが山下達郎さんのライブです。「山下達郎さんは生のライブがとにかく良いよ!」という話を聞いていて、この時は念願かなって観に行けました。2018年だったかな? 中野サンプラザでの公演を観に行ったんですけど。

まずね、「“音が良い”とはこういうことなのか!」って初めて理解したライブでした。達郎さんは音響にとにかくこだわっていて、デカすぎるキャパの会場ではライブをしないで有名みたいでして。自分の音をいちばん最高の状態で届ける、という信念で音作りをされているみたいです。

途中、ひとりでたしか弾き語りだったと思うんですけど、竹内まりやさんの「シャンプー」を歌ったんですよ。さっきのチャットモンチーは僕自身の思いもあったうえでの涙でしたが、「シャンプー」は初めて聴いたし、失礼ながら竹内まりやさんの曲だったんだってのも知らなかったぐらいで。だけど、この曲を聴いている最中に「やばい、泣いちゃう」って猛烈に感動して、気づいたときにはボロボロ泣いてたんです。心の芯が音楽で震えたと言いますか、技術と歌と環境がぴったり揃うとこんなにも感動が止まらないんだ……! って思いました。多くのアーティストがいる中で、山下達郎さんが多くの世代から支持されている理由がひとつ、僕の中で明確になりましたね。

 

エレファントカシマシ
METROCK 2018
2018.5.26@東京・若洲公園 WINDMILL FIELD

最後は『METROCK 2018』で観た、エレファントカシマシですね。たしか東京初日のトリが、エレファントカシマシで。ライブに行ったことはあったんですが、フェスで観るのは初めてで楽しみでソワソワしてたんですけど、ちょうどこの時期って、エレカシが勢い的にめちゃくちゃギアを上げまくってたんですよね。キャリアを重ねていくなかで、さらなる大躍進を遂げようとするタイミングだったんですよ。

とにかく宮本浩次(vo、gt)さんのエネルギーが本当に凄まじかった。動きや言葉、なんといっても歌声が体と心に突き刺さりまくる。まるで、会場にいる全員をそのまま引っこ抜いて「元気だせよー!」って目の前で魂を注入してる感じでした(笑)。

メンバーは淡々と演奏して、その前で宮本さんがメラメラと燃え盛る炎のように動き回って、燃え尽きるまで動くっていう、あのパワーには感動しました。しかもフェスのトリだと時間帯としては完全に夜で、ステージ以外は真っ暗になっている状態でね。暗闇の中、煌々と光るステージには「頑張ろうぜ~!」と全力で歌い伝え続ける“元気の塊”が動き回ってるわけですよ。熱い気持ちと明日も頑張る活力になった、そんな素晴らしいライブでしたね。

 

心置きなくライブを楽しめる日よ、早く来い!

ということで、心に残っているライブ5つ選んでみました。僕はねぇ、音楽が大好きでいろんなライブによく行ってるわけですよ。なので、選ぶのがすごーーーーーく難しかった!! (笑) とはいえ、思い返した時に自分の音楽体験を更新してくれたライブを今回選んでみました。もちろん、過去にイラストLIVEレポートを行ったライブも全部素晴らしい公演でしたね。

心置きなくライブを観に行ける日が早く来てほしいな、と考えながら今回はイラストを描かせていただきました。またの機会がありましたら、イラストLIVEレポートをやれたらなと思っております! 改めてありがとうございました!!

イラスト & TEXT BY 芦沢ムネト
※テキストまとめ:M-ON! MUSIC 編集部

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この記事を書いた人

  • 芦沢ムネト

    芦沢ムネト

    アシザワムネト/1979年東京生まれ。多摩美術大学映像演劇科卒。お笑いユニット「パップコーン」のリーダーとして活躍する傍ら2011年末よりTwitterで掲載した癒し系キャラクター「フテネコ」が話題を呼び、現在Twitterのフォロワー数は13万を超える。音楽雑誌「ワッツイン」では、対談連載「芦沢ムネトのネコの手も借りたい!」を掲載中。