YOASOBI、瑛人、川崎鷹也、yama、Adoらが出演!2021年1月の『ミュージックステーション』をがっつり定点観測

知らない人はいないであろう音楽番組『ミュージックステーション』を、音楽ブロガー・レジーが定点観測する連載コラム『月刊 レジーのMステ定点観測』。

1月のMステは15日の2時間スペシャルと22日、29日の通常放送の計3回でしたが、この3回に“この先のMステがどこに進んでいくのか?”が改めて凝縮されているように感じました。

 

懐かし映像?最新トレンド?関ジャム方式?揺れるMステ

1月の3回のMステは、現状番組として考えている方向性がそれぞれわかりやすく出た内容となっていました。

まず、2021年1発目のMステとなった15日の2時間スペシャル。「CDセールス部門」「Mステ初登場部門」「映画主題歌部門」「カラオケ部門」「カバーソング部門」「周年アーティスト部門」というランキングとともに、2020年のヒットチャートやさらに昔のアーティストの出演映像を絡めつつ放送。アーティストの生パフォーマンスはありませんでした。

22日の放送では、「今バズっている曲ランキング」としてSpotifyのバイラルチャートを特集。2020年のチャートの動向を月ごとに追うことで、この年に現れたニュースターをまとめて紹介しました。2020年のヒットの震源地となったYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』、「春を告げる」一発で大きな話題を呼んだyamaの『報道ステーション』出演時のインタビュー、「うっせぇわ」で話題のAdoのテレビ初取材など周辺情報も豊富で、生パフォーマンスでもYOASOBI、瑛人、川崎鷹也など昨年のヒットメーカーが顔をそろえていました。

いっぽうで29日のメインの特集は「歌いこなせたら気持ちいい冬うたBEST10」。広瀬香美と清塚信也がそれぞれの曲のポイントを音楽的見地から解説するというもので、同局の『関ジャム 完全燃SHOW』的な趣でした。広瀬香美は番組のラストに実際に登場し、前段の特集でも紹介した「ゲレンデがとけるほど恋したい」をパフォーマンスしました。

Mステのレガシーを使って(頼って)懐かし映像で引っ張るのか、新しい動きにフォーカスするのか、それとも他の番組の成功例をMステでも展開するのか……いろいろと番組内でのせめぎ合いが感じられる1月の放送でしたが、やはりMステが本来やるべきなのは22日のような“今のシーンの動向を伝えること”だと思います。特に昨今はTikTokやストリーミングサービスにヒット曲の主戦場が移ったことで、ともすれば“わかりにくい/広く伝わりにくい”状況も実は生まれています。そういった場所で起こっていることを広く伝えていくことは、Mステだからこそ音楽業界において果たせる役割のひとつではないかと思うのです。

2021年は22日のような“新しいもの”を伝える放送が増えることを期待したいと思います。と言いつつ、本日2月5日のMステの出演ラインナップを見るとカバー曲が大半を占めており、嫌な予感しかしないのですが……。

 

YOASOBI、広瀬香美:メディア環境の変化を乗りこなす人たち

22日の放送でストリーミングサービスのバイラルチャートが特集テーマとなったように、2020年は日本の音楽シーンを取り巻くメディア環境が大きく変化した年でした。そういった流れをばっちりつかんだのが、同じく22日に出演していたYOASOBIです。ウェブ上の小説投稿サイトを起点として、ボカロPがネット上でボーカルを探し、そういった動きをメジャーレーベルがバックアップする──非常に“いまどき”なやり方でスター街道を一気にひた走ったYOASOBIですが、もちろんそういった戦略が機能したのは「夜に駆ける」に楽曲としてのパワーがあったからこそ。Mステ初出演となったこの日も、すでに堂に入った安定したパフォーマンスを見せてくれました。

若いスターが多数登場した2020年のシーンにおいてひときわ異彩を放ったのが、1990年代にヒットを連発した広瀬香美。ステイホームを経てYouTubeの視聴時間が長くなるタイミングで個性的なカバー動画を多数公開することで“再ブレイク”的な状況が生み出されたわけですが、ツイッター黎明期のゼロ年代末に勝間和代とともに大きな話題を呼んだこともありましたし、“メディア環境が変わる瞬間”をキャッチするセンスが抜群なんだろうなと思います。この日ピアノ弾き語りで披露した「ゲレンデがとけるほど恋したい」は原曲をはるかに上回るアバンギャルドさで、まだまだ彼女が現役のミュージシャンであることを雄弁に物語っていました。ベテランが突如復活するのも、今の時代の面白さだと思います。

前述のとおり、次回のMステは2月5日(金)21時からの放送です。それでは次回もよろしくお願いします!

TEXT BY レジー(音楽ブロガー/ライター)

 

【2021年1月22日放送分「Mステ最強記録ソングSP」】
CDセールス部門、Mステ初登場部門、映画主題歌部門、カラオケ部門、カバーソング部門、周年アーティスト部門の6部門で最強記録ソングを発表。
瑛人、SixTONES、DISH//、Toshl、マカロニえんぴつ、森七菜、Little Glee MonsterからのSPコメント。

【2021年1月22日放送分 出演アーティスト】
Snow Man「Grandeur」
マカロニえんぴつ「ブルーベリー・ナイツ」
瑛人「ハッピーになれよ」
川崎鷹也「魔法の絨毯」
家入レオ「空と青」
YOASOBI「夜に駆ける」

【2021年1月29日放送分 出演アーティスト】
SixTONES「僕が僕じゃないみたいだ」
Little Glee Monster「VIVA」「粉雪」(レミオロメンのカバー)
乃木坂46「僕は僕を好きになる」
TOMORROW X TOGETHER「Force」
広瀬香美「ゲレンデがとけるほど恋したい」

 

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