ウッチャンナンチャン主演映画『七人のおたく』にこれだけ影響を受けたアーティストは存在しただろうか……?

邦ロック界で一二を争う映画論客とも言われるBase Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。

家にいながらみんなで楽しく映画を語り合う! 公開年の下1ケタと2ケタをあみだくじで決め、その興行収入ベスト10の中から作品を決定。「せーの!」で一緒に観始めた後に、みんなで感想をあーだこーだおしゃべりしています。

みんなの映画部 活動第72回[前編]
『七人のおたく』
参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、福岡晃子、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)

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南原清隆、内村光良、江口洋介、山口智子、武田真治らが出演した90年代のヒット映画

──遅ればせながら明けましておめでとうございます! 2021年一発目の連載『みんなの映画部』、通算で第72回目になります。今回もあみだくじで作品を決めよう! の回でして。まず決まったのが「1993年」のヒット作ということ。そして、その年の興行収入ランキングの中に、小出部長にとって思い入れの深い作品がありまして。ならばもう、満場一致でこれしかないだろう! ということで決定しました。

その作品とは、1992年12月19日に公開された初期のフジテレビ製作映画『七人のおたく』(配給:東映/監督:山田大樹)。あのウッチャンナンチャン主演で、7人のおたくたちが力を結集してある事件を解決しようとする“単純明快ノンストップ・ストーリー”(当時の劇場パンフより)でございます。これが1993年の興収ランキングで日本映画の第10位に入っておりました(『病は気から/病院へ行こう2』と同時上映)。では恒例の小出部長からひと言お願いします。

小出 僕は大好きです。皆さんはいかがでしたか?

ハマ おっ。あいさつの形が変わりましたね、2021年一発目から。

レイジ 面白かったですよ。笑った。

福岡 私ね、これ観たことあったのよ。すっかり忘れてたんだけど、観ながらちょっとずつ記憶がよみがえってきて。

レイジ リアルタイムで観てました?

福岡 たぶんそうだったと思う。映画館だったか家でだったかは覚えてないけど、10歳か11歳の頃だったはず。

レイジ 邦画で年間10位の興行成績ってことは結構ヒットしてるってことですもんね?

小出 したした。当時『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』(1990年~93年/フジテレビ系)ってバラエティー番組があったんですよ。僕なんかは『ダウンタウンのごっつええ感じ』(1991年~97年/フジテレビ系)と並んで大好きだったんだけど、コントやったり、ゲストを呼んでのゲームコーナーがあったり。

たしか、その番組内で『七人のおたく』の公開に向けての特集をやってて。当時の記憶だから若干曖昧だけど、何週かに渡って小出しに撮影の様子とか放送されたりして。ウッチャン(内村光良)のアクションシーンも大変だったんだって。特に壁蹴りのシーンとか、何回もNG繰り返してさ。そういうのを観て、こっちは子供ながらに「壁蹴りめちゃめちゃカッコ良いな!」って。

福岡 たしかにあのアクションはびっくりしたよね。っていうかウッチャン、カッコ良すぎない?

ハマ あはは。内村さん、めっちゃ男前でしたね。山口智子さんがかわいくて、ウッチャンがカッコ良くて、ナンチャンが台詞の量が膨大すぎて何言ってるかよくわかんないっていう映画だった(笑)。

福岡 山口智子さんかわいすぎ。ヤバい。ハレンチすぎる、格好が。キャメロン・ディアスだよ! って。

ハマ ああ、わかるわかる! そういう感じ。健康的なお色気ね。

小出 俺の性の目覚めはあれだったかも(笑)。

一同 (爆笑)

ハマ それはリアルだな~。

小出 小3ですからね。あんな艶めかしいアングルで女性を見たことなかったもん(笑)。

福岡 わかるわかる。これは無理もないね。

 

必見! ウッチャンのガチアクション

レイジ 俺全然知らないんですけど、ウッチャン自身がそもそもアクションとかできるんですか? それともこの映画のために特訓したんですか?

ハマ 元々アクション映画が大好きなんですよね。

小出 ウッチャンナンチャンって映画の専門学校(横浜放送映画専門学院/現・日本映画大学)で出会ったふたりが結成したコンビで、ウッチャンは映画監督志望だったんですってね。

ちなみにバカリズムこと升野英知さんは福岡から東京に出てきた時、お笑いの学校に入らずに、ウンナンさんが通っていたからってことで同じ専門学校(当時・日本映画学校)に入ったんですってね。

レイジ へえ~。

小出 で、ウッチャンナンチャンの同級生に出川哲朗さんがいて、当時から今でもウッチャンのことを「チェン」って呼んでる。ジャッキー・チェンにちなんで。ただ顔は昔から似てたけど、本格的なアクションはこの映画が初めて。スタントなしでやってるんだよね。めちゃめちゃ体作って映画の撮影に臨んでいる。

福岡 それであのレベルまで持っていくのはすごいよね。

小出 きっと、元々運動神経も良いんでしょうね。ちなみに、『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』は映画のパロディコントが多かったんだけど、そのなかでジャッキー・チェンが実際に映画でやってたアクションに挑戦してるのよ。バスに傘でつかまって引きずられるとかね。

──あったあった! 懐かしいな(笑)。監督もジャッキー・チェンが務めた名作『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(1985年)の有名なワンシーンですね。

小出 あとバイクで海に向かって飛んで、空中に吊るしてある荷物につかまるとか。その後も『ウッチャンウリウリ!ナンチャンナリナリ!!』(1995~1996年/日本テレビ系)では、ジャッキーとの共演を目指したアクション特化の挑戦コーナーがあったね。

ハマ あははは。当時のテレビはすごいなあ。

福岡 『七人のおたく』でもさ、階段上ってる途中で足を取られちゃったりするシーンあったじゃん。あれもジャッキー・チェンがやってなかったっけ?

小出 ジャッキー・チェンの映画ではよく起きるイメージ(笑)。あれも相当危ないよね。

福岡 ナンチャン(南原清隆)もガタイ良かったね。

ハマ 脱いだ時すごかったっすね。シュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガー)みたいだった。軍事おたく役で、七人を集めるリーダーは南原さんですからね。

小出 ナンチャンがさ、ビタミン剤みたいなサプリメントを……。

ハマ 『強力わかもと』ね(笑)。

小出 ボリボリ食うじゃないですか。小学校3年生の僕には、あれすらもカッコ良く思えまして。で、家にあったアレにいちばん近い形状のものが、ビオフェルミンしかなかったんですよ。

ハマ マジで? 真似してたんですか?

小出 どうしてもアレがやりたくて、「シャリーン、ボリボリボリ、バシャン!」が。家で一回だけ許可を親にとって。

福岡 ちゃんと許可とってるのが子供だね(笑)。かわいい。

小出 許可とって、シャリーンってやって、ビオフェルミンをボリボリボリって食って……まあそのあと、思いっきりおなかくだしましたけどね。

ハマ そりゃそうですよ(笑)。

レイジ 武田真治さん(アイドル&車改造おたく)も面白かったな。あの腕の折られ方、すげえリアルでイヤだったっす。

福岡 あのシーンは私、めっちゃ覚えてた!

ハマ やられるところ、すごいリアルで気持ち悪かったね、あそこだけ。

小出 ね、妙にね。武田真治さんはこれが映画の初出演。当時、まだ新人時代の武田さんってひょろっとしてて、中性的な美少年っていう感じだったからさ。

──“フェミ男”の代名詞でしたからね。いしだ壱成さんと並んで。

小出 そうそう。だから今『筋肉体操』でめちゃくちゃマッチョになってるのは、デビュー当時の真逆にいってる感じ。出演者のなかでいちばんマッチョになってるからね。今だったら“筋肉おたく”としてアクション俳優にキャスティングされるかもしれない(笑)。

TEXT BY 森 直人(映画評論家)

小出部長がこの映画に影響されまくった話に続く[後編]へ

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