サザンオールスターズと一緒に笑って、熱くなって、そしてこの時代の先を考えた一夜

PHOTO BY 関口佳代

【ライブオトネタ】
サザンオールスターズ

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サザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ 2020 「Keep Smilin’ 〜皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!〜」supported by SOMPOグループ
2020.12.31@横浜アリーナ ※配信ライブ

※各配信プラットフォームで1月7日いっぱいまで見逃し配信を視聴することが可能。チケットの購入は1月7日21時30分まで。


「ちょっと切なくて明るく楽しいサザン、最高!」だけでは終わらなかった、この日のサザン

PHOTO BY 西槇太一

2020年12月31日、横浜アリーナから年をまたいで全国のお茶の間に届けられた配信ライブ『サザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ 2020 「Keep Smilin’ 〜皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!〜」supported by SOMPOグループ』。2度目となったサザンの大規模配信ライブは、“いつもの楽しいサザンのライブ”であると同時に、“今の時代を生きる人たちを鼓舞するエネルギーに満ちたステージ”でもありました。

2020年の音楽業界を振り返った時に、“配信ライブ”というのは間違いなくひとつのキーワードです。通常のライブができない中でアーティストが知恵を出し、各所で“新しいエンターテインメント”の在り方が生まれたわけですが、6月25日に行われたサザンの配信ライブも“お客さんを入れなくても、大会場で派手なステージを展開できる”ということを示してくれた重要トピックでした。「そんなサザンが今年の締めくくりにどんな配信ライブをやってくれるのか?」というのを楽しみにしていた人も多いかと思います。

PHOTO BY 西槇太一

この日、サザンが投下したセットリストは、“大みそかの雰囲気”を的確に表現したものでした。一年の終わりという、ちょっと感傷的な雰囲気と新年の到来を間近に控えた高揚感、そのふたつが同居するのが大みそかという日。じわじわテンションを上げていき、随所に「君だけに夢をもう一度」「Ya Ya (あの時代[とき]を忘れない)」「栄光の男」といった切なさとほろ苦さのある曲をはさみつつ、最後はアッパーな代表曲を連打しまくるパートに突入する……という流れは大みそかの空気にぴったりで、これまで何度も年越しライブを成功させてきたこの人たちの貫禄を感じました。

PHOTO BY 西槇太一

そして、“無観客であること”を逆手にとった演出は6月の配信ライブに続いて今回も健在。「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」ではダンサーが空を飛び、「マンピーのG★SPOT」、「勝手にシンドバッド」で客席全体を使ったパフォーマンスを披露するさまはまさに“お祭り”で、“みんなが観たいサザンのライブ”のこの時代ならではの進化でもありました。コロナ禍で活動に制約がかかったことで逆にそのクリエイティビティが加速したアーティストというのは複数存在しますが、サザンは確実にその筆頭だと思います。

PHOTO BY 高田 梓

ただ、この日のサザンは「ちょっと切なくて明るく楽しいサザン、最高!」だけでは終わりませんでした。随所に垣間見えた今の時代と向き合うスタンス、そしてそれを辛気臭くならずに伝えてくれるセンスとエネルギー、そんなところにこそ今回のライブの凄みが凝縮されていたように感じます。

たとえばオープニングとアンコール前、エンディングに挿入されたドリフターズ風味のコント。3月に亡くなった志村けんさんへのオマージュともとれる要素をしのばせつつ、Uber Eatsや嵐といった2020年の社会を表すネタも放り込まれていました。また、「LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜」のバックで繰り広げられたカップルのバーでの優雅なデートの様子からは“コロナのない社会”への憧れを読み取ることもできると思います。

PHOTO BY 西槇太一

そんなふうにさりげない形で世相とリンクするポイントを作るいっぽうで、桑田佳祐の発する言葉は超ストレート。彼のライブでの定番シャウト「死ぬなよ!」はこの時代だからこそ切実に響き、「音楽関係、エンタメ業界は負けないからな!!」という力強い宣言からはサザンオールスターズが“社会を背負った存在”である所以が存分に伝わってきました。

世の中がのっぴきならない状況に追い込まれた中でエンターテインメントができることは何か。こんな時だからこそ頭を空っぽにして騒げるものを楽しみたいし、こんな時だからこそ社会のことをちゃんと考えたい。多くの人が、どちらの側面も持っていると思います。この日のサザンのライブは、その両面にサザンにしかできない形で応えてくれる、とても“今の時代らしい”ものでした。

2021年がどんな一年になるかはまだわかりませんが、何が起ころうともサザンはその時代の空気をきっちり読み、最高のアクションをぶちかましてくれると思います。次の動きがとっても楽しみです!

TEXT BY レジー
PHOTO BY 西槇太一、関口佳代、高田 梓

PHOTO BY 西槇太一

SETLIST

01.ふたりだけのパーティ
02.My Foreplay Music
03.東京VICTORY
04.いとしのフィート
05.恋するマンスリー・デイ
06.あっという間の夢のTONIGHT
07.君だけに夢をもう一度
08.夜風のオン・ザ・ビーチ
09.LONELY WOMAN
10.Ya Ya(あの時代[とき]を忘れない)
11.愛は花のように(Olé!)
12.走れ!! トーキョー・タウン
13.世界の屋根を撃つ雨のリズム
14.栄光の男
15.はっぴいえんど
16.LOVE AFFAIR~秘密のデート〜
17.ボディ・スペシャルII(BODY SPECIAL)
18.エロティカ・セブン EROTICA SEVEN
19.BOHBO No.5
20.マンピーのG★SPOT
[ ENCORE ]
21.希望の轍
22.夕方 HOLD ON ME
23.勝手にシンドバッド

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