キアヌ・リーヴス主演の大ヒットバカ映画が29年ぶり復活!アーティスト4人で観たけどコレって……

邦ロック界で一二を争う映画論客とも言われるBase Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。

今回は新作! キアヌ・リーヴスの出世作と言われる1989年公開のおバカ映画『ビルとテッドの大冒険』が、2020年に最新作を公開。当時のノリの直球世代ではないみんなの映画部メンバーはどう反応したのか……。

みんなの映画部 活動第71回[前編]
ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!
参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、福岡晃子、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)、オカモトレイジ(OKAMOTO‘S)


当時のヒットを知らないメンバーもいるなか、『ビルとテッド』最新作を観た

──『みんなの映画部』第71回目です。今回は久々の新作、12月18日(金)公開『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』を観ました。あのハリウッドのトップスター、キアヌ・リーヴスが若き日に主演し(テッド役)、ブレイクのきっかけになった『ビルとテッドの大冒険』(1989年)と『ビルとテッドの地獄旅行』(1991年)に続く、約30年ぶりのシリーズ最新作です。まずは恒例の小出部長からひと言からお願いします。

小出 人生でいろんな映画観てきましたけど、こんなになんにも考えずに観始めて、なんにも得ずに観終わった映画は初めてです(笑)。

ハマ あはは。うん、たしかに。上手な言い回しですね。

福岡 あはは。

ハマ その通りだと思うけど。

小出 観始めた前と観終えた後の自分の“時間が経った”という感じ。

レイジ まさに時空旅行ですね、たしかに。これって本国だと熱狂的なファンがいるんですか?

小出 1が大ヒットしてるんですよね。

レイジ へえ。まったく知らなかった。

小出 ふたりがやる「デレレレレ(エアギター)」があるじゃん。あれがすごく流行ったと。

レイジ まったく知らなかったですよ、この映画の存在を。

小出 キアヌ・リーヴスの出世作だからね、一応。

ハマ 俺やレイジの世代には馴染みがないです。1989年ですもんね。

──キアヌ・リーヴスがこのシリーズの超バカな役で出てきた後、親友リヴァー・フェニックスと共演した『マイ・プライベート・アイダホ』(1991年/監督:ガス・ヴァン・サント)など渋い方向に行ったなと思ったら、急にアクション映画『スピード』(1994年/監督:ヤン・デ・ボン)の主演をやったから「なんかスゲエな、この人」って(笑)。

レイジ そういう感じなんだ。俺は『スピード』から『マトリックス』(1999年/監督:ラリー&アンディ・ウォシャウスキー)のネオのイメージが強い。シリアスな救世主役のイメージ。ってことは、最初の『ビルとテッド』から救世主なんだ(笑)。

小出 言われりゃそうだね(笑)。

レイジ 本人ってどんな性格なんですかね。めっちゃ気になる。

小出 キアヌって紳士で有名だよね。ファンにも気さくで、プライベートも素朴な生活してる。

福岡 寄付しまくってて、お金全然持ってないんだよね。

レイジ 最高の男じゃん!

ハマ あと、すごい一匹オオカミなんですってね。幼い頃からすっごい複雑な家庭環境で育った人で、妹さんも難病と長年闘われていて。いろいろ哀しみを背負った人生らしいです、キアヌ・リーヴスって。

小出 すごい苦労人なんだよね。親友のリヴァー・フェニックスも若くして亡くなってしまった。

ハマ そんなキアヌへの色眼鏡とかを一回置いといたとしても、この映画の無意味さは壮絶な感じでしたね。忙しい大人の毎日に限りなく真っ白の時間をくれるような……。

一同 (苦笑)

 

1と2は許容範囲だったけど、今作はちょっと……

ハマ ユルいノリなのはいいんですけど、音楽面がユルすぎるんですよね。そこはもうちょっと何とかならなかったのかなあ。

小出 本当にそう。

レイジ ロジャー・コーマン(製作)の『ロックンロール・ハイスクール』(1979年/監督:アラン・アーカッシュ)とかさ、学園映画の中に本物のラモーンズが出てきて、「ああやっぱかっけーな!」とかなるじゃないですか。

福岡 この映画もエンディングでいきなりウィーザーが出てくるけどね(笑)。あれはこの映画のための書き下ろし?

──新曲の主題歌「Beginning Of The End」。コロナ禍の影響で発売延期になっているニューアルバムにも収録されているそうです(『Van Weezer』、現状2021年5月7日発売予定)

レイジ たしかに『ビルとテッド』好きそう、あのボーカルの人(リヴァース・クオモ)。

──彼は世代的にもズバリですね。いま40代以上のオトナにとっては、シリーズ最初の2作って懐かしいバカ映画なんですよ(笑)。

ハマ デイヴ・グロールが出てるのもそういうことかな。

レイジ でもデイヴの出方は良かったじゃん。あれぐらいが良いよね。

ハマ きっと昔観てたんだよね、1作目を。でもカメオ出演で十分ですって。「フーファイターズが忙しいんでごめんなさい」とかって(笑)。

小出 僕は1と2は全然許容範囲なんですよ。観ていて楽しかった。あの時代のウエーイって感じ、やっぱり好きなんですよ。“タイムトラベルもの”っていう文脈からだったから僕の初見は「?」とはなったんだけど(笑)、とりあえずビルとテッドのふたりのかけ合いが面白いとか、デレレレレが良いとか。1990年頃にあった独特のムード。ノリだけじゃねえかって言われたらそれまでだけど、でもこのムードってすごい大事で。

ハマ 90’s独特の、良い意味で「くだらない」感じですよね。

──あの当時しか絶対作れないよね。

小出 そうそう。あの当時の時代の空気、時代のノリがそこにパッケージされてるっていう意味ではすごく良いし、もう再現できないものだからこそ尊い。ただ今回の映画は50歳になったビルとテッドが同窓会でそれをやっているという(笑)。

レイジ キアヌって若々しいイメージでしたけど、この映画では逆に老けて見えましたね。

ハマ アラン・リックマンみたいだったよね(笑)。『ハリー・ポッター』シリーズのスネイプ先生みたいだった。

小出 キアヌって『ジョン・ウィック』シリーズ(2014年~)でも当たり役を出して、今また『マトリックス』の新作が待機してたりとかさ(第4弾が2022年公開予定)、ずーっと売れっ子なわけでしょ?  その多忙な合間でわざわざ『ビルとテッド』の新作に出たのは、やはり彼にとっては思い入れ深いシリーズだと思うんですよ。

レイジ そりゃそうですよね。

ハマ ビル役の人(アレックス・ウィンター)とも仲良いっぽいですしね。

小出 そうそう。我々もあるじゃないですか。友達だからちょっとセッションするとか。

レイジ やっとく? みたいな(笑)。下北沢GARAGEのイベント出ちゃうみたいな。

小出 GARAGEの地下イベント観てる感じ。

レイジ あはは。それを幕張メッセに持ってっちゃったって感じですよね(笑)。

TEXT BY 森 直人(映画評論家)

タイムスリップ先にいたジミヘンの描写にイラッときたと話す[後編]につづく

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