宇野実彩子と山田裕貴が“最高”で“最低”な恋人に。大ゲンカから出会いを通じて伝えたかったこと

宇野実彩子の最新曲「最低な君にさっきフラれました」のMVで共演をはたした、宇野実彩子と俳優・山田裕貴。2日間の“恋人”として、出会いから別れを駆け抜けたふたりが目指した恋人像とはなんだったのか。

【インタビュー】
宇野実彩子 × 山田裕貴

最高に愛した相手だからこそ、今の私にとって“最低な君”

「思い出になるにつれて、その恋愛を表現しようとすると、きれいな言葉になっていくと思うんですけど、別れた直後……彼がこの部屋からいなくなったあとの女性の心ってそんなきれいなものじゃなくて。ものすごく痛くて、毒が混じってて、人間らしい温度がある。それを歌詞にするのはだいぶ難しかったんですけど、フラれた直後の傷ついた乙女心を言葉を選ばずに、“どうしても出てきてしまう本音”として、痛みのある言葉を並べました」(宇野実彩子)

宇野実彩子

本気で愛したがゆえに生まれる気持ち、ぶつけあったからこそ傷ついた心、向き合ったからこそ崩れてしまう瞬間……全力で愛した相手と別れた直後にうずまく、女性の胸中をありのまま切り取った、新曲「最低な君にさっきフラれました」。かなり踏み込んだ女性側の心を歌った失恋ソングとあって、宇野実彩子にとっても大きな挑戦であり、苦労もあったと語る。

「歌詞を書くにあたり、相手の最低なところと最高なところ、なんで彼を愛したのか、なんで終わりに向かってしまったのか、主人公である“私”目線でうわーって書き出して。で、それらをもとに例えば、連絡の来ない彼をどんな気持ちで“私”は待っていたのか、この時どういう感情だったのか、細かい部分まで突き詰めていきました。“最低”とは言ってますが、最高に愛した相手だから、そう言わないと“私”自身終わりにできなかった。終わらせたかったわけじゃないのに、自分から手放した部分もあって……書きながらむちゃくちゃ苦しくて、何回もやめそうになりましたけど、それぐらい女性のリアルさを出した曲です」(宇野)

人間の温度を感じられる曲にしたい、そのためには綺麗事だけではない現実ととことん向き合わなければいけないと考えた宇野実彩子は、“「覚悟できてない」”などの具体的なワードを盛り込むことで、より生々しく別れたふたりを際立たせた。

「他に考えていたのは、『この先のふたりがわかんなくなっちゃったんだよね』かな。当事者なのに“わかんない”って、すごく曖昧で雑な言われようですよね。『“わかんない”ってなにそれ?』っていう」(宇野)

 

あの声のトーンはリアル、セッションそのものでしたね

MVも同曲の世界観を活かしたドラマ仕立てとなっており、日本アカデミー賞受賞経験のある藤井道人監督のもと、私=彼女役を宇野実彩子、君=彼氏役を俳優・山田裕貴が演じ、別れから出会いまでをさかのぼっていく。

「人間の表と裏をきれいすぎない絶妙のバランスで表現したかったので、藤井さんのどこか儚くて、でも体温を感じられて、冷たくて……っていう、ドラマをご一緒した際に感じた“映像の振れ幅”に期待してオファーさせていただきました。山田さんは作品の中で変幻自在にいろいろな役をやられているなと。本当に柔軟な方なので、“私”にとって最高で最低な“君”を演じていただくには山田さんだなって」(宇野)

「男女のリアルなドラマだっていうのを聞いて、自分の恋愛などを思い返しながら(笑)、参加できたらいいかなって。あと、撮影2日間ぐらいで一気に撮る予定だったんですけど『宇野さんすごい明るそうな人だからたぶん大丈夫だろう!』っていうのが最初の率直な意見で。オファーがあってうれしかったです」(山田裕貴)

山田裕貴

限られた時間の中で、宇野と山田は積極的に意見を交わしながら、「最低な君にさっきフラれました」で理想とする恋人像を構築。その結果、DAY 823の別れの引き金となるケンカへと繋がった。このケンカも、何をきっかけでケンカに発展させるのか、宇野と山田が話し合い、形作っていったという。

「お芝居だってあんまり思わなかったですね。設定だけ背負って、あとは自然に出てくる言葉と、相手の声や言葉をちゃんと聞いて受け取ってっていうキャッチボールをして、4回ぐらい大きなケンカをしました。『苦しい!』とか、あの声のトーンはリアル、セッションそのものでしたね」(山田)

「あれは本当に人生史上いちばん激しいケンカだったかもしれない。だって、あんなにつらいケンカってある?」(宇野)

 

ふたりで乗り越えようとする姿勢が大事

各々に抱えたもやもやのせいでヒートアップしていくケンカ。こんなつもりで自分の想いを相手にぶつけたかったわけじゃない。しかし、なぜ理解してくれないのか? 愛ゆえの葛藤をぶちまけ、心をすり減らしたことで別れてしまったふたり。

時系列のままでは、あまりにつらく苦しいバッドエンドになるからと本MVではあえて別れから出会いへとさかのぼり、最後は恋が始まる瞬間の宇野と山田で終わることで救いをもたせている。

そして、仲睦まじい自然体なふたりの姿によって、フラれた時の“私”の心境がより突き刺さりもする。“一緒にいることが当たり前”と感じさせるほどの恋人同士の幸せな距離感はどのように生まれたのか。

「イチャイチャ……じゃないですね(笑)。距離が近いところはドキドキしましたし、楽しかったですね。台本には書いてないけど、こうだったら素敵なカップルに見えるかなっていうのをいろいろやってみて。歯磨きのシーンでは鏡に向かって横並びは平凡だから、『前後になって頭を置くっていうのをやりたいんですけど、いいですか?』って提案しました。ちょっと照れくささもあるんだけど、やってる最中の鏡をふたりで見てるのがいいんですよ」(山田)

「リクエストをいただきまして(笑)。ぜひカップルにやってほしいです、楽しいから。なんか名前あったらいいですよね……アゴ乗せ歯ブラシ?」(宇野)

宇野の考えたそのまま過ぎるネーミングに、思わず山田がツッコミを入れる場面も(笑)。最後に、撮影を通じ、出会いから別れを経験したふたりに“最低な君にさっきフラれない”ためにはどうすればいいだろうか。

「“逃げない”って言ったらあれですけど、大前提好き同士なふたりなわけじゃないですか。で、ズレが生じ始めた時の向き合いって正直つらいとは思うんですけど、本音で話さなきゃいけないから。でも、そう感じるのは一瞬のことだと思うので、『だったらもういい』にせず、ふたりで乗り越えようとする姿勢が大事なんじゃないですかね。どんなに忙しくても『よっしゃ、話そうぜ』っていう、向き合い方」(山田)

「本当にそうですね。ケンカのシーン中に(山田裕貴と)言ってたのは、なんで好き同士なのに気づいてくれないのか? ってこと。ヒートアップしたきっかけが『なんでわかってくれないの?』になっていたので、忙しくても話を聞いてくれる姿勢が彼氏にはあってほしいし、彼女も溜め込んで山になる前にちょっとずつ話をすること。ちゃんとふたりが向き合うことを怠らないことですね」(宇野)

INTERVIEW & TEXT BY ジャガー

【山田裕貴 衣装クレジット】
ニットブルゾン – TOMORROWLAND(トゥモローランド 0120-983-522)
シャツ – TOMORROWLAND PILGRIM(トゥモローランド)
パンツ – TOMORROWLAND tricot(トゥモローランド)
シューズ – ADIEU(エドストローム オフィス 03-6427-5901)
ネックレス – ALL BLUES(エドストローム オフィス)
※その他スタイリスト私物


リリース情報

2020.11.04 ON SALE
DIGITAL SINGLE「最低な君にさっきフラれました」

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  • ジャガー

    ジャガー

    「M-ON! MUSIC」の編集/ライター/小言を言う係。音楽フリーペーパー「music UP's(現okmusic UP's)」の編集を経て、音楽雑誌「ワッツイン」へ。前身サイト「DAILY MUSIC」 への参加をきっかけにWEBの人になりました。