「俺と寝てください」。大倉忠義×成田凌出演、映画『窮鼠はチーズの夢を見る』の重要シーンに隠された深い演出意図が明らかに

■「映画『オルフェ』は、死の世界と現世という境遇の違う者が惹かれ合うが、相手のことを想い、別離を選択する“犠牲愛”を描いた映画なんです」(行定勲監督)

映画『窮鼠はチーズの夢を見る』の新場面写真が解禁となった。

本作の原作は、人を好きになることの喜びや痛みをどこまでも純粋に描き、圧倒的な共感を呼ぶ心理描写から、多くの女性から支持を得た水城せとなの傑作コミック『窮鼠はチーズの夢を見る』『俎上の鯉は二度跳ねる』。

主人公・大伴恭一を演じるのは、映画では『100回泣くこと』(2013年)に続き、単独主演を務める大倉忠義。そして恭一への想いを募らせ葛藤する姿に誰もが共感せずにはいられない今ヶ瀬渉を、『愛がなんだ』(2019年)、『カツベン!』(2019年)など話題作への出演が絶えない実力派・成田凌が務める。

メガホンを取るのは、ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を2度も受賞するなど、日本を代表する映画監督・行定勲。その繊細な表現力と確かな演出力で、様々な愛のかたちを写し取った『ナラタージュ』(2017年)、『リバーズ・エッジ』(2018年)に続き、本作では、揺れ動くふたりの狂おしくも切ない恋を、時に繊細に、時に大胆に描き出す。

今回解禁となった場面写真は、成田凌演じる今ヶ瀬が、大倉忠義演じる恭一の帰りをひとり部屋で待っているシーン。このシーンでジャン・コクトー監督『オルフェ』(1950年)を起用した理由も明かされた。

元カノとヨリを戻すかもしれない恭一に対して「俺と寝てください。これを拒まれたら、もう二度と、触らない」と今ヶ瀬が懇願するそばで、テレビのモニターには『オルフェ』の一篇が流れ、「これからすることを理解しようとしないで」という意味深な字幕が映されている。予告編でも使用され、いち早く気付いた映画ファンからは

「切なすぎる」
「今ヶ瀬の心情に合っていて、絶妙」

などの声が上がっていた。

行定監督は、本編の中で『オルフェ』を起用した理由として、「脚本には“今ヶ瀬が映画を観ている”と書いてあるだけで作品の指定はありませんでした。私が『オルフェ』がいいと思いました。『オルフェ』は死の世界と現世という境遇の違う者が惹かれ合うが、相手のことを想い、別離を選択する“犠牲愛”を描いた映画です。今ヶ瀬は恭一への想いが溢れ、抑えられなくなったとき、ひとり『オルフェ』を観ながら、恭一への愛を貫き、自分に引き寄せることで本当に彼のためになるのか。自分が犠牲になって別れたほうがいいのかと苦悩している。その逡巡する気持ちに『オルフェ』の登場人物たちの逡巡する気持ちと重なりぴったりだと思いました」と明かす。

そして、もうひとつの理由として、「香港出身の俳優、レスリー・チャンとお会いしたときに、好きな映画が『オルフェ』だと聞いたことがありました。彼はそのとき、自分はつねに“自己犠牲”を意識して生きていると語っていました。社会に対して自分を偽って生きていることも含めて、何かのために自分を犠牲にしていると感じていた。その彼の寂しさや憂いがとても印象に残っていたんです。その姿が今ヶ瀬と重なりました」と香港が生んだ大スター、レスリー・チャンとの秘話を語った。

映画『窮鼠はチーズの夢を見る』は、TOHOシネマズ 日比谷ほか大ヒット上映中


映画情報

『窮鼠はチーズの夢を見る』
TOHOシネマズ 日比谷ほか大ヒット上映中
原作:水城せとな『窮鼠はチーズの夢を見る』『俎上の鯉は二度跳ねる』(小学館『フラワーコミックスα』刊)
監督:行定勲
脚本:堀泉杏
音楽:半野喜弘
出演:大倉忠義 成田凌 吉田志織 さとうほなみ 咲妃みゆ 小原徳子
配給:ファントム・フィルム
(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会


映画『窮鼠はチーズの夢を見る』作品サイト
http://www.phantom-film.com/kyuso/

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