あみだくじで選ばれた映画を観る!1980年代の大ヒット作をアーティスト4人がおうちで観賞! 

邦ロック界で一二を争う映画論客とも言われるBase Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。

自宅にいながらにしてみんなで映画を楽しむ方法を実践中! 開始時間を合わせて観始めて、終わった直後にオンラインで感想会をスタートする。今月は1980年代を代表する大ヒット映画『ゴーストバスターズ』です!

みんなの映画部 活動第66回[後編]
『ゴーストバスターズ』
参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、福岡晃子、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)


[前編]はこちら!今回も観賞作品をあみだくじで決めています

マシュマロマンの印象は強かったけど……

福岡 ちなみに世武(裕子)ちゃんと映画音楽を演奏するバンド(「忘れちゃいなよバド部」)でライブしたときに、『ゴーストバスターズ』もやったんだよ。私はサンプリングパッドで、世武ちゃんは鍵盤で歌いながらふたりだけでやった。

ハマ あはは。想像できなくていいっすね。

福岡 お客さんにクスクス笑われた(笑)。たださ、この映画って私のなかでは、もっとおばけ退治ばっかりやってるイメージだったんだよね。それは『ゴーストバスターズ2』(1989年)の記憶なのかな? マシュマロマンの印象はすごい残ったけど、出てくるのって後半っていうか、ほとんどクライマックスだけやん! って思って。

ハマ たしかに。

福岡 で、ストーリーは意外に大人じみてるっていうか。

──そうかもしれない。大学を追い出された研究者のおじさんたちが会社を作って、保健所が来て、みたいな。

福岡 大人たちが子供みたいに軽いノリでふざけてる。今、こういうテンションの映画あんま観たことないなと思って。そういう意味では80年代ならではで良かったなと思いました。

小出 マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)もさ、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年/監督:ジェームズ・ガン)とかはずっとふざけてるじゃん。

レイジ たしかに『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』はテンション近いかもしれないですね。

小出 あと数年前に『ゴーストバスターズ』のリブート版(2016年/監督:ポール・フェイグ)があったんですよ。それはゴーストバスターズが女性チームなのね。その会社の受付のバイト役でさ、MCUのマイティ・ソー役をやっているクリス・ヘムズワースが出演している。それが「イケメンで筋肉バカ」っていう最高の役なのよ(笑)。

結局、クリス・ヘムズワースのキャラが立ちすぎちゃって、ゴーストバスターズの女性たちよりもそっちばっか見ちゃう。ずーっとバカなんだもん。キャラクター造形としては『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年/監督:タイカ・ワイティティ)の彼に近い。

──『ゴーストバスターズ』のリブート版って実は賛否あったんですけど、クリス・ヘムズワースに関しては、これで彼のコメディの才能が開花したって言われてますね。

小出 それまでクリヘムさんは、ずっとシリアスな役ばっかりやってたの。

ハマ クジラと戦ったりとかね。

レイジ 『白鯨との闘い』(2015年/監督:ロン・ハワード)?

ハマ そう(笑)。

小出 『マイティ・ソー』シリーズ自体もさ、最初の1本目と2本目はめちゃ真面目だったじゃん。リブート版『ゴーストバスターズ』でタガが外れて、そのノリを『マイティ・ソー バトルロイヤル』も受け継いでるんだろうね。リブート版『メン・イン・ブラック』(活動第54回参照)もずっとふざけてたし。

 

『ストレンジャー・シングス』と『ゴーストバスターズ』の近しい関係

ハマ あと“地味にクサい”っていうのも良かったですね。おばけを捕まえたあとに、すげえクサがるじゃないですか。あの感じがいいなと思って。

小出 おばけの汁がね(笑)。

ハマ あのネバネバの感触がめっちゃ良い。

小出 良いよね。ああいう未知のものに接触したときに、やたらネバネバした汁が残ってるって表現。それこそ『メイ・イン・ブラック』でもあるじゃん。

ハマ そうっすね。エイリアンのネバネバ。

小出 でも宇宙人のネバネバはまだわかるじゃん。おばけっていう形のないものと接触したらネバネバっていう発想、めっちゃ面白いね。タクシー運転手が幽霊乗せたら、後ろのシートがビショ濡れになってたみたいな感じかな(笑)。

ハマ でももう、未確認生命体は全部ネバネバっていう大きい括りっていう雑さでしたけどね(笑)。

小出 あとすごい好きだったのがさ、冷蔵庫開けたら……。

ハマ ああ、ちっちゃい国みたいなのが広がってるやつ。

小出 あれって80年代っぽいスピ感がめちゃめちゃ出てたよね、なんか大味な(笑)。その設定がヒッタイト人の祀ってたメソポタミアの神様っていうのも、面白かった。

ハマ ……なんのこと?(笑)

小出 ヒッタイト人って世界で初めて鉄器を本格的に使った民族と言われてるのね。彼らは作り方を秘密にしていて。まわりが青銅器を使っているなか、ヒッタイト人は鉄器の技術を独占していたことですごく強かった。でも、“海の民”っていう民族に滅ぼされちゃうの。

それをきっかけに鉄器の技術が広まって鉄器の文化に移行していくんだけど、“海の民”って民族に関しての詳細は未だ解明されていないのよ。古代ギリシアの“暗黒時代”っていう、これまた未解明の400年間も“海の民”が原因かと言われてるんだけど、これだけ歴史を動かした民族が正体不明ってすごくない? ……っていうところまで話して気づいたけど、これ『ゴーストバスターズ』とまったく関係ないわ。

一同 (苦笑)。

小出 海の民の話したくなっただけだった(笑)。

──小出部長の現在の趣味は“世界史”だもんね。

ハマ 知ってる話が漏れ出てきちゃった(笑)。あのー、さっきこいちゃんが言った冷蔵庫のなかの世界も、たしか『メン・イン・ブラック2』(2002年/監督:バリー・ソネンフェルド)に近いシーンがあるのよ。自販機開けたらちっちゃい国が広がってる、みたいな。

小出 そう思うと『メン・イン・ブラック』って『ゴーストバスターズ』っぽいのか。『ゴーストバスターズ』の宇宙人版みたいな感じ? ざっくりだけど。

福岡 そう言われると、なんかわかるね。

レイジ ちなみに俺、『地獄堂霊界通信』を思い出したっす。

小出 あれ。なんだっけ、それ。

レイジ すげえ記憶の片隅にある系のやつなんですけど。『ズッコケ3人組』のおばけ版みたいな。もとは児童小説だけどアニメや実写映画にもなってる。ちょっと不良の3人がおばけと戦う、みたいな。

小出 実写映画は覚えてる。小学生の時以来観てないけど……結構おどろおどろしいんだよね。

ちなみにコロナウイルスの影響で公開が延期されている新作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(監督:ジェイソン・ライトマン/来年公開の予定)は、オリジナルのメインキャストがそろって出てくるんだってね。ビル・マーレイも出てくるし、ダン・エイクロイドもシガニー・ウィーバーも。ただメガネの人(ハロルド・ライミス)だけ亡くなってる。

──今度はオリジナルメンバーの孫たちがゴーストバスターズになるんですよね。

小出 それが『ストレンジャー・シングス』のマイク(フィン・ウルフハード)なんだよ。

ハマ えー、そうなんだ!

小出 コスプレで『ゴーストバスターズ』をやってた子が、ほんとに『ゴーストバスターズ』になるっていうメタな良い話。

ハマ これは素敵な話じゃないですか。スタッフ陣の最高の遊び心ですね。

TEXT BY 森 直人(映画評論家)

みんな自宅から参加しているので、話の内容に合わせて自分のコレクションを披露しがち。[前編]で話題に挙がった『学校の怪談』公式ブックを見せ合う小出部長とレイジくん。

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