こんなんだっけ?26年前の『ゴーストバスターズ』を観たアーティスト4人の感想会

邦ロック界で一二を争う映画論客とも言われるBase Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。

自宅にいながらにしてみんなで映画を楽しむ方法を実践中! 開始時間を合わせて観始めて、終わった直後にオンラインで感想会をスタートする。今月は1980年代を代表する大ヒット映画『ゴーストバスターズ』です!

みんなの映画部 活動第66回[前編]
『ゴーストバスターズ』
参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、福岡晃子、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)


映画を観終わって、すぐオンラインで感想会

──『みんなの映画部』第66回目です。オンライン感想会は4回目でして、今月もメンバーによるあみだくじで年代(1950年~2019年)を絞り、その年のトップ10からさらにあみだくじをやって観賞対象作品を決めていきました。

ハマ これ、なかなか良い方法ですよね。

小出 ちょっとした発明よね。

ハマ ストリーミング配信ならみんなできるじゃないですか。友達と集まったときに。

レイジ だから逆にサブスクリプションの運営側が、このあみだくじルールのアプリを作ったら結構流行るんじゃないですか?

福岡 いいね(笑)。

──そんななかで選ばれたのは、1984年の年間興収No.1ヒット作『ゴーストバスターズ』(監督:アイヴァン・ライトマン)です! まずは恒例の小出部長のひと言からお願いします。

小出 「おお、こんな映画だったっけ?」って。

福岡 私も一緒。なんか記憶の中にぼんやり残ってるイメージとは違ったな。

ハマ あはは。それってプラスとマイナス、どっちのニュアンスですか?

小出 ポジティブでもネガティブでもない、ただ単に「こんな映画だったっけ?」っていう気持ち(笑)。なにせ僕、ちょうどこの映画が公開された1984年の生まれだからなのか、逆にしっかり観たことなくて。テレビでさーっと観たくらいの印象しか持っていなかった。『ゴーストバスターズ』を懐かしく思うのって、少し上の世代なんだよね。

レイジ そうでしょうね。

小出 リアルタイムでこの映画にぶち当たった世代の人たちにとってはさ、『ゴーストバスターズ』ってポップアイコンっぽい領域なんでしょうね。それこそ『ジュラシックパーク』じゃないけどさ(活動第64回参照)、あのロゴとかコスチュームとかテーマ曲だけでめっちゃテンション上がる、みたいな。

ひとつ印象に残ってることがあって、10年ほど前に事務所のスタッフたちとカラオケに行ったのね。そのとき、「じゃあ景気づけに!」みたいな感じで、当時40代半ばだったスタッフが一曲目に『ゴーストバスターズ』のテーマ曲を歌ったんですよ。

ハマ あはは。それ相当変わってると思うけど。

福岡 歌うとこ少ない(笑)。

小出 そうそう、ボーカルパート少ないじゃん。でもそれは、たぶんスタッフの世代では鉄板なんだろうね。「ゴーストバスターズ!」って叫んだら、ひとまず盛り上がる。

──僕とかはそのスタッフさんと同じ、完全に『ゴーストバスターズ』シンガロング世代ですね(笑)。例えば宮藤官九郎さん(1970年生まれ)脚本の『あまちゃん』でも『ゴーストバスターズ』ネタが使われていたし。

小出 なるほど(笑)。でもそれくらい定番の人気作なら王道な映画なんだろうなと思いきや、実は“ずっとふざけてる系”の映画なんだなって。

ハマ そうっすね。

レイジ 今これが普通に公開されたらカルト映画ですよ(笑)。でも当時、全世界メガヒットっすもんね。すげえ時代だな、やっぱ80年代は。

小出 当時もこんなにヒットするって思って作ってたのかな。

ハマ でも、豪華キャストではあるじゃないですか。

小出 まあ、そうだね。主演のビル・マーレイはまさにこの作品で本格的にブレイクしたと思うけど、あと『ブルース・ブラザース』(1980年/監督:ジョン・ランディス)のダン・エイクロイドとか、ヒロインが『エイリアン』(1979年/監督:リドリー・スコット)のシガニー・ウィーバーだしなあ。

観賞作品の対象公開年をあみだくじで決定。その場で紙に書いて画面越しにどの記号を選ぶかを聞く、というシンプルな方法です。

あらゆるものは『ゴーストバスターズ』が元ネタだった

ハマ ちなみにさっき観る前に1984年のヒットムービーのリストを見て、「楽しい系の映画しかないね」みたいな言ってたじゃないですか。『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』(監督:スティーヴン・スピルバーグ)とか『グレムリン』(監督:ジョー・ダンテ)とか。やっぱり時代を象徴してる感じがしましたけどね。全体に底抜けな感じ(笑)。

小出 『ゴーストバスターズ』も出てくるガジェットとか、子供がワクワクする気持ちはすごいわかったよね。80年代を舞台にしたテレビシリーズの『ストレンジャー・シングス』のシーズン2(2017年)でさ、ハロウィンのくだりあるじゃん。あれで主人公の少年4人組が『ゴーストバスターズ』のコスプレするのよ。

ハマ そうそう! 白人3人に黒人1人だからメンバー構成もぴったりで。

小出 後年への影響力はさすがにいっぱい感じるよね。さっきハマも言ってたけど、おばけの描写は『学校の怪談』(1995年/監督:平山秀幸)も影響を受けてるのかなって思った。

ハマ そうっすね。本当に質感がそっくりで結構テンション上がった。

レイジ まったく同じでしたね。『学校の怪談』の赤い妖怪テケテケは……。

小出 完全に『ゴーストバスターズ』の緑のモンスターだもんね。色違うだけじゃん! って。

ハマ おばけの飛び方とか似てましたよね。

小出 冒頭の図書館のシーンのおばけも、『学校の怪談2』(1996年)の“紫ババア”とまったく同じだったね。驚かせ方が。もちろん『ゴーストバスターズ』のほうが先なんだけど(笑)。

ハマ 下敷きにされてる感じ、すごいありましたね。

小出 おばけが飛ぶときにさ、光のエフェクトがくっついてくるじゃん。あれもこの作品以降、10年以上いろんな作品で見かけたもんね。そう考えるとやっぱりすごいよ。“発明”だったんだなぁ。

レイジ マシュマロマンが歩いてるところとかすごかったですね。

小出 すごかったね。

ハマ まだCG時代到来の前だから、ビルに登ってるのも実物大でやってるもんね。火がついてる感じとかリアルだった。あとやっぱり、テーマ曲がこんだけ世に知れ渡ってる理由がよくわかるっていうか。サントラ推しまくりって感じでしたね。

小出 テーマ曲みたいな曲がいっぱい出てくるもんね!

ハマ 劇中に歌詞も出るし、そりゃ売れるわって。ちなみにレイ・パーカー・ジュニアって何年かに1回日本に来るんですけど、毎回言われがちなのが、『ゴーストバスターズ』以外の曲って何があるの? っていう(笑)。

小出 あははは。

ハマ ファンの人からしたら失礼な話ですけど、それだけ『ゴーストバスターズ』のテーマ曲の威力ってすげえなって。あと映画自体にはディズニーっぽい取っつきやすさもありましたね。

小出 たしかに。たぶんさ、ゲームの『ルイージマンション』の元ネタもコレだよね? 掃除機でおばけと戦うってイメージは、『ゴーストバスターズ』が念頭にある感じするよね。

ハマ うん、もろオマージュだと思います。

TEXT BY 森 直人(映画評論家)

【2020.08.11.18:00公開予定】
『ストレンジャーシングス』と『ゴーストバスターズ』の関係性について話す[後編]に続く

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