さくらしめじの優しさを随所に感じた配信ライブ。アフターインタビューで語った“配信で見せる”ということ

田中雅功、髙田彪我からなるフォークデュオのさくらしめじが『さくらしめじ結成記念配信ライブ『しめたん』6周年スペシャル!~6(む)言のままじゃいられない!!~』を開催。卒業ライブに続き、なかなか直接きのこりあん(さくらしめじのファンの通称)と会えないフラストレーションを優しさに変え、ハートウォーミングな空間を生み出していた。

【ライブオトネタ & 終演後アフターインタビュー】
さくらしめじ

さくらしめじ結成記念配信ライブ『しめたん』6周年スペシャル!~6(む)言のままじゃいられない!!~
2020.06.14@渋谷duo MUSIC EXCHANGE

ライブができなくなった今、アーティストが様々な方法で音楽を届けているが、さくらしめじは“配信ライブ”であることをフル活用した『さくらしめじ結成記念配信ライブ『しめたん』6周年スペシャル!~6(む)言のままじゃいられない!!~』を行った。

田中雅功

高田彪我(※正しくはハシゴダカ)

場所は渋谷duo MUSIC EXCHANGE。ライブハウスで配信ライブを行うことは、彼らにとってこれまでの音楽活動を支えてもらった“ライブハウス”への恩返しの意味も含まれているのではないだろうか。

そして、シンプルなふたりの弾き語りライブではなく、紙芝居でライブ全体にストーリー性をもたせ、より各楽曲のメッセージを際立たせたり、カメラワークを意識したパフォーマンスで視聴者を煽る。物理的な距離を超え、これまでのライブ同様の臨場感を伝えるべく、演出面やそれにあわせた動きを考え抜いたライブには、彼らの“自分たちの音楽をしっかり伝えたい”“誰ひとり距離を感じさせることなく、楽しませたい”という優しさが感じられた。

卒業ライブも、新生活を祝したライブも、残念ながら生ライブで開催することができなかったさくらしめじは、その悔しさを力に変え、この日を迎えたに違いない。あの一体感、あの盛り上がりを肌で感じてきた彼らからの優しさを存分に浴びたことで、窮屈さを感じていたこれまでの日々が和らいだように思う。

TEXT BY ジャガー
PHOTO BY 鈴木友莉

SETLIST

01.スタートダッシュ
02.先に言うね
03.でぃすとーしょん
04.たけのこミサイル
05.夕空小道
06.しめじ体操
07.Bun! Bun! BuuuN!
08.届けそこねたラブソング
09.会いに行こう
10.風とあるがままに今を歩こう
[ENCORE]
01.えそらごと
02.みちくさこうしんきょく


さくらしめじ アフターインタビュー

まだまだやれることはたくさんある

──直接音楽を届けることを何よりも大切にしてきたさくらしめじにとって、やはりライブができなかった期間は相当つらかったのではないですか。

田中雅功 そうですね。正直不安もあったんですけど……本当に楽しかったとしか言いようがないです(笑)。「ライブってこういうものだよな」って。前回のライブも配信(3月30日に開催された『さくらしめじ祝5周年企画 これじゃ終われない弾!さくらしめじがこのままだと留年!?そりゃ困る!世界イチHAPPYな卒業式!やりまーーーす!!!』)だったんですけど、今回はより“ライブを意識した配信ライブ”を行ったので、それは本当に僕らの成長にも繋がったと思いますし、まだまだやれることはたくさんあるんだなって。本当にライブができて良かったと思います。

髙田彪我 きのこりあん(※さくらしめじのファンの愛称)の皆さんと6周年を迎えられたこともすごくうれしいですね。やっぱり、僕たちさくらしめじは、きのこりあんさんの応援があってこそなので。配信ライブ中もコメントを通じて、いつものライブのようにひとつになって、本当にうれしかったです!

配信のはずなんだけど生のライブを感じさせる

──“今、できるかたちでどう自分たちの音楽が届けられるのか?”、今日のライブは見せ方、届け方、本当に考え抜かれた配信ライブでしたね。

雅功 今回ライブするにあたって、ただならぬ思いじゃないですけど、久しぶりっていうのもあるし、今自分たちが持ってるすべてを出しきって、良いライブを作りたいんだっていうのをスタッフさんに話をしたら、みっっっっごとにかたちにしてくれて。

彪我 本当にすごいよねー!

雅功 “配信すればOK”ではなく、ちゃんと内容もこだわっていきたい……それはいつものライブを行うのと同じようにしたかったんですね。僕たちにもプライドがあるといいますか。バンドでやるときはよりふたりの結束力を高めて、ふたりだけの弾き語りはよりバンド感を届けられるようにっていうのがあるんですけど、それを今回は“配信のはずなんだけど生のライブを感じさせる”っていうことをこだわりました。

彪我 配信ライブに向けて、ステージを作り上げていくのは初めてだったので、新鮮な部分も多くてすごく勉強になりました。

雅功 生ライブを感じてもらいたいけど、配信だからこそできることもあるはずだっていろいろ考えて。今回は紙芝居とかね。

彪我 あれはいちばん大きいよねー。どんどんその世界に入り込んでいっちゃう。

雅功 紙芝居があることで、演奏していく曲たちが大きなひとつのメッセージとして繋がっていくのも良かったよね。後は、カメラもね。あんなにカメラを意識したライブないでしょ?

彪我 なかった!(笑) でも、あのカメラの先にきのこりあんさんがいるんだって思いながらカメラにも集中して頑張りました!

 

目を合わせた瞬間が「あぁこの場所に、帰って来れたんだな」

──いつものライブなら、ふたりが向き合ってアイコンタクトを取り合うのがお決まりでしたが、今回はアイコンタクト少なめに、そのぶんそれぞれのカメラに目線を送っていたのも新鮮でした。

彪我 たしかに! 今回は“カメラ=きのこりあん”ということと、配信ならではの臨場感を感じてもらうためにお互い背中を向ける感じで各々のカメラを見て演奏していたので、僕たちも新鮮でした。

雅功 僕も彪我も個人個人のカメラに向かってたからこそ、お互いに目を合わせた瞬間が「あぁこの場所に、帰って来れたんだな」ってライブを強く実感できる瞬間でもありました。

彪我 一回、すごい良いタイミングあったよね。どこだっけなー。

雅功 わかる、わかるよ! すごいね、何の合図もしてないのに「うわ、彪我もこっち見た!」っていうのがね。

彪我 改めてですね、ふたりの絆の強さもね、こうたしかめられたんじゃないかなって思います。

──(笑)。ふたりだけでなく、今回は特にチーム・さくらしめじの結束力も感じましたよ。

雅功 こういった状況なので、いろんな場面で制約を感じて、少し物足りない部分も出てきてしまうんじゃないかなってことも覚悟してたんですよ。でも、僕たちが気持ちのうえで“いつもどおりのライブ“をできるようにとスタッフの皆さんが動いてくださっているのを感じて、無駄にしちゃいけないなって。僕らが気負わないようにさ、環境作ってくれてるわけじゃん? 本当に恵まれてるなって思いました。

──紙芝居の“ふわふわ”を集めていく物語も良かったですよね

雅功 これを言うか迷ってるんですけど……。

彪我 言っちゃいましょう!

雅功 紙芝居が6つの“ふわふわ”を探す旅だったじゃないですか、あれは6つの感情を表していて。曲や語りで表現したいなっていうのがあって。なので、コメントで「儚い」って言ってたのに「www」をもらえると、振り幅を感じて楽しんでもらえたならこっちのものだなって。わざわざこれを言うのは野暮なんじゃないかなって思いつつ、うれしいし、本望です。

わからないってことはそれだけワクワクがたくさんある

──ライブを直接観たい気持ちはありますが、新しいコミュニケーションのひとつとして、配信ライブならではの見せ方にも期待しています!

彪我 今回の配信ライブは今までにやったことのないことをいろいろやってみたので、今後のライブに活かせる部分はあるんじゃないかなって思います。

雅功 この自粛期間中に僕たちのことを知って、ライブ観たい! って思ってくれた方へは直接音楽を届けられない歯がゆさもあるんですけど、まずは僕たちのことを知ってもらえたんじゃないかなって。

彪我 皆さんの期待を裏切らないように、一歩一歩ここから6周年を歩んでいきたいと思います。

雅功 どうなるかは、僕らもわからないですし、わからないってことはそれだけワクワクがたくさんあるってことなので、自分たち自身にワクワクしてやっていきたいですね。

彪我 そうね。自分自身に可能性を感じたい!

INTERVIEW & TEXT BY ジャガー


プロフィール

田中雅功(たなかがく/2002年1月24日生まれ)、髙田彪我(たかだひょうが/2001年10月23日生まれ)からなるフォークデュオ。2014年6月14日結成。2015年3月11日に1stシングル「いくじなし/きのうのゆめ」をリリース。

さくらしめじ OFFICIAL WEBSITE
https://sakurashimeji.com/

さくらしめじ OFFICIAL Twitter
https://twitter.com/sakurashimeji?s=20


リリース情報

2020.03.04 ON SALE
ALBUM『改めまして、さくらしめじと申します。』

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この記事を書いた人

  • ジャガー

    ジャガー

    「M-ON! MUSIC」の編集/ライター/小言を言う係。音楽フリーペーパー「music UP's(現okmusic UP's)」の編集を経て、音楽雑誌「ワッツイン」へ。前身サイト「DAILY MUSIC」 への参加をきっかけにWEBの人になりました。