タモリ不在!?コロナ渦中に放送された4月のミュージックステーション

知らない人はいないであろう音楽番組『ミュージックステーション』を、音楽ブロガー・レジーが定点観測する連載コラム『月刊 レジーのMステ定点観測』。

4月のMステは3日の3時間スペシャル、および1時間の通常放送が17日、24日の2回。とは言っても、そこで放送された番組内容は決して“通常”ではありませんでした。今月の当連載は、まずはMステに訪れた緊急事態についてお届けします。

 

Mステ緊急事態、タモさんがいない!

4月3日の時点で出演者が一堂に会する場面はなし、司会のタモリと並木万里菜がかなりの距離をとって並ぶという“ソーシャルディスタンス”に配慮したスタイルで放送が進行していたMステ。ずいぶんと離れて立っているふたりの映像はかなり異様なもので、この状態で番組を続けられるのか? と不安が募った矢先、4月7日に緊急事態宣言が発令され、さらに4月12日にはテレビ朝日「報道ステーション」のキャスターが新型コロナウィルスに感染していたことが発表されました。

従来のスタジオ生放送での番組作りを断念せざるを得なくなったMステは、17日と24日については過去の放送を中心に構成した内容を放送。Mステの看板でもあるタモリがいない、さらにはB’zの松本孝弘によるあのオープニング曲も一瞬しか流れないという異例の事態となりました。

 

有事だからこそ、“音楽番組の代名詞”のチャレンジが観たい

現時点でMステに限らず多くのテレビ番組が制作上の問題を抱えており、ある程度のパワーダウンはやむを得ないと思います。一方で、17日と24日の放送を観た限りでは、「本当にそれしかできないんだろうか?」という疑問も浮かびました。平時の放送ではアーティストの生パフォーマンスと過去映像を使ったなんらかの編集コンテンツ(ランキングなど)が二本柱となっており、後者のコーナーが番組の流れを削いているのではという話を本連載でも再三指摘してきましたが、現状の“その後者の部分のみで1時間埋める”というような状況は観ていてなかなかしんどいものがありました。

取って付けたようなランキング企画よりも当時のパフォーマンスをまるっと見せてくれたほうがいろいろ発見もありそうですし(何か障害があるんでしょうか)、何よりもMステはこの手の“昔の放送を使った企画”をやり尽くしてしまっているのでどうにも新鮮味に欠けます。過去映像を使うのであれば、もっと異なる切り口が必要となるように思います。

社会全体が大きく変わらざるを得ないタイミングにおいて、Mステは“これまでのやり方”を必死に踏襲しようとしているように見えます。スタジオに来られなくてもアーティストがパフォーマンスを披露する取り組みも他の番組ですでに始まっていますし、こんな時期だからこそ“音楽番組の代名詞”でもあるMステには新しい方法にチャレンジしてほしいところですが……。

 

スカパラ、宮本浩次、aiko、乃木坂46の素晴らしいパフォーマンスも

とはいえ4月のMステにも見どころはありました。というわけで、最後に4月3日の3時間スペシャルにおける素晴らしいパフォーマンスの様子を。

最近Mステのあらたな常連になりつつある東京スカパラダイスオーケストラと宮本浩次。スカパラは番組のラストにaikoとともに登場し、コラボ曲「Good Morning~ブルー・デイジー feat. aiko」を披露。明るさと切なさが入り混じるまさにこの2組がコラボしたからこそ! という感じの楽曲を、笑顔で届けてくれました。

宮本浩次は高橋一生に提供した「きみに会いたい -Dance with you-」のセルフカバーと、番組企画の一環として松田聖子「赤いスイートピー」のカバーを熱唱。バンドの時とは異なる甘い歌声で、ボーカリストとしての懐の深さを見せてくれました。

バンドとしては実に8年ぶりの出演となった東京事変は、2009年の楽曲「能動的三分間」と映画主題歌となっている「永遠の不在証明」を披露。前者ではこの楽曲ではお馴染みなった3分間のタイマーを背景に映し出す演出で、曲のスリリングさを加速させていました。

3月に引き続いて出演となった乃木坂46は、この日放送時点での白石麻衣の“ラストMステ”。卒業シングル「しあわせの保護色」に加えて、初めて彼女がセンターを務めた「ガールズルール」、レコード大賞も受賞した「シンクロニシティ」の3曲を披露しました。放送後、卒業ライブの中止に伴い乃木坂46からの卒業延期が発表されたため、もしかしたらこの先再びMステに登場する機会もあるかもしれませんが、過去の出演の紹介も含めてメモリアルな放送になったのではないでしょうか。

次回のMステは5月1日。4月の放送のスタイルを踏襲するのだと思いますが、どんな感じになるんでしょうか……それでは次回もよろしくお願いします!

TEXT BY レジー(音楽ブロガー/ライター)

 

【2020年4月3日放送分 出演アーティスト】
乃木坂46「シンクロニシティ」「ガールズルール」「しあわせの保護色」
ジャニーズWEST「W trouble」
YOSHI「VOICE」
JUJU「この夜を止めてよ」「やさしさで溢れるように」、松田聖子トリビュート企画「SWEET MEMORIES」
Uru「あなたがいることで」
Kis-My-Ft2「To Yours」
東京事変「能動的三分間」「永遠の不在証明」
いきものがかり「生きる」
宮本浩次「きみに会いたい -Dance with you-」、松田聖子トリビュート企画「赤いスイートピー」
三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE「Movin’ on」
スキマスイッチ/志尊淳/城田優「全力少年」
GLAY「Into the Wild」&視聴者投票企画で1位になった曲
Toshl 視聴者が選ぶ“カバーしてほしい女性アーティストの春うた”
東京スカパラダイスオーケストラ「Good Morning~ブルー・デイジー feat. Aiko

【2020年4月17日放送分】
春うた30年の名曲ヒストリーを大特集

【2020年4月24日放送分】
胸がキュンとする恋うたランキングを大発表

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