Mステは3月も無観客放送。乃木坂46やAKB48ら、握手ができなくなったアイドル活動はこれからどうなるのか……

知らない人はいないであろう音楽番組『ミュージックステーション』を、音楽ブロガー・レジーが定点観測する連載コラム「月刊 レジーのMステ定点観測」。

3月のMステは通常放送が3回(6日、13日)。新型コロナウイルスの影響が終息する兆しも見えず、閉塞感が日に日に増していくなか、Mステも2月ラスト回以降引き続き無観客での放送を続けています。昨年10月にMステがリニューアルした際には“お客さんがいる前でのライブ感”がひとつの大事なコンセプトとして掲げられていただけに、番組サイドとしてもなかなか厳しいものがあるのではないでしょうか……。

Mステのみならず、ライブエンタメ全体が厳しい状況にさらされている現状。3月のMステには、そんな環境変化をよりダイレクトに受ける可能性のある面々が出演していました。前後編なし一本勝負でお届けする今回はそんな彼女たちの話題をどうぞ。

 

乃木坂46、AKB48:“接触”が禁じられた時代に向けて

3月6日に出演したのが乃木坂46。結成当時からグループを牽引してきた白石麻衣の卒業シングルとなる「しあわせの保護色」を披露しました。一期生の重要メンバーのラスト曲ということで(白石だけでなく同じく一期生の井上小百合もこの曲がラストシングルです)、和田まあや、樋口日奈、中田花奈といった選抜常連ではないメンバーが参加、さらには最前列にグループ初期のフロントメンバーだった星野みなみが据えられるなど、ここまでグループとして積み重ねてきた歴史を感じさせるようなものになっています。

トークでの生田絵梨花の「この曲を歌っているとまいやんへの大好きみで溢れてしまう」というコメントの通り、この日のパフォーマンスでも功労者を温かく送り出そうというポジティブなムードが画面越しに感じられました。

3月13日に出演したAKB48は、新曲「失恋、ありがとう」を披露。昨年のシングル「サステナブル」でセンターに抜擢された次期エース候補の矢作萌夏が卒業してしまうという異例の状況において、今回の曲でセンターを務めたのが16期生の山内瑞葵。乃木坂46が大エースを送り出しつつ齋藤飛鳥がその後を問題なく埋めていきそうな状況(先日はピンで「おしゃれイズム」に出演するなど露出も増えつつあります)を作れているのと比べてまだまだ試行錯誤が続いています。

この日は“最後の1期生”こと峯岸みなみも卒業前最後のMステということで、フレッシュな面々に混じってパフォーマンスしていました。

さて、普段はサウンドのテイストも微妙に異なるこの2グループですが、「しあわせの保護色」と「失恋、ありがとう」は期せずしてレトロな質感が共通する楽曲となりました(クリアなダンスビートを導入することの多い乃木坂がAKB48「翼はいらない」にも通ずるような懐かしめの音の曲をシングルでリリースしたのは意外でした)。

そんな曲の雰囲気と同様、グループとしてこの先どうやってファンとの関係を作っていくか? という点においても彼女たちは近しい課題に直面しています。新型コロナウイルスの影響によって、この2曲のCDに関する握手会は軒並み中止に。それでも今のところ両曲のCDは爆発的に売れているのですが、事態がなかなか好転しない現状においてはこの先“そもそも握手会が開かれないことが確定しているCD”をリリースせざるを得ないかもしれません。そうなったときに、この2グループ(および他の48グループ、坂道シリーズ)のCDの売上はどうなってしまうのでしょうか。

新型コロナウイルスの影響は社会全体のあり方を大きく変えるものになっていきそうですが、おそらく日本のアイドルカルチャーもその例外ではないと思います。2010年代のエンターテインメントの中心に鎮座していた日本独自の文化はこの先どんな形になっていくのか、現時点ではまったく想像がつきません。

次回のMステは4月3日(金)19時~の3時間スペシャルです。白石麻衣のMステラスト出演に加えて、東京スカパラダイスオーケストラとaikoのコラボや久々となる東京事変の登場など見どころが多そうです。それでは次回もよろしくお願いします!

TEXT BY レジー(音楽ブロガー/ライター)

 

【2020年3月6日放送分 出演アーティスト】
A.B.C-Z「チートタイム」
UVERworld「AS ONE」
乃木坂46「しあわせの保護色」
ゆず「虹」「花咲ク街」
あいみょん「さよならの今日に」
JUJU「STAYIN’ ALIVE」

【2020年3月13日放送分 出演アーティスト】
コブクロ「YELL~エール~」「卒業」
川嶋あい「旅立ちの日に…」
HiHi Jets「SPメドレー」
AKB48「失恋、ありがとう」
GACKT「野に咲く花のように」
岡村靖幸さらにライムスター「マクガフィン」

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