King Gnuが中学時代のジャージ姿で登場。『ミュージックステーション』令和2年1月放映分の注目点!

知らない人はいないであろう音楽番組『ミュージックステーション』を、音楽ブロガー・レジーが定点観測する連載コラム「月刊 レジーのMステ定点観測」。

2020年1月、令和2年最初の月のMステは17日、24日、31日に通常放送の3回。通常放送なので基本的にはアーティストの最新曲のパフォーマンスが主体……と思いきや、なんやかんや企画が組み合わさって「Mステとはなんぞや?」がよくわからなくなるというのが昨今のMステのお約束です。

ちなみに、31日の放送では、「中島みゆきトリビュートスペシャル」という“いかにも音楽バラエティ”な企画にて、そこに出演したAIのバックバンドおよびその日歌った楽曲(「空と君の間に」)の編曲にインストバンドのOvallが関わっていました。なんとなく“わかりやすくバラエティ番組にしたい派”と“ちゃんとしたミュージシャンを使って音楽番組をやりたい派”のせめぎ合いをこの構図に見ました。

とは言うものの、1月のMステにはそういった“企画もの”の外側に面白いステージもいくつかありました。前後編でお届けする今回、まずはそんな魅力的な時間を作り上げたロックバンドの様子からどうぞ。

 

King Gnu、カーリングシトーンズ:日本にはまだまだロックバンドが必要だ

17日の放送に出演したのがKing Gnu。年末はMステウルトラフェスへの出演に続いて大晦日の『第70回NHK紅白歌合戦』にも初出場。バンドの演奏のみをシンプルに伝えるステージで、視聴者に大きなインパクトを与えました。その余勢を駆ってリリースされた最新アルバム『CEREMONY』も好調な滑り出しを見せており、“日本を代表するロックバンド”としてのポジションを一気に獲得した感があります。

この日パフォーマンスされたのは、『CEREMONY』にも収録されており、ソニーのイヤホンのCMソングとして少し前からお茶の間を騒がせてきた「Teenager Forever」。ミュージックビデオの企画(それぞれが100万円で好きなことをする)の紹介に合わせてミュージックビデオと同じ衣装で登場した彼らは、ウルトラフェスの時と同じく4人が向き合ったフォーメーションでいつも以上にざらっとしたフリーキーな演奏を披露しました。

特にタンクトップに母校のジャージ、さらにはサンダルという異様な出で立ちでMステの場に現れた井口 理(vo、key)が放つ強烈な違和感は凄まじく、そんな格好でステージを暴れまわりながら熱唱するさまは最近のMステではあまり見かけないような衝撃的な光景でした。卓越したセンスをベースに様々な音楽的チャレンジを進められる存在でありつつ、こういったむき出しのサウンドでも勝負できるのがこのバンドの凄さですね。

今のMステにそぐわないのでは? とすら思ってしまう豪速球を投げ込んできたKing Gnuに対して、緩急のあるステージで楽しませてくれたのが31日に出演したカーリングシトーンズ。寺岡シトーン(寺岡呼人)、奥田シトーン(奥田民生)、斉藤シトーン(斉藤和義)、浜崎シトーン(浜崎貴司)、キングシトーン(YO-KING)、トータスシトーン(トータス松本)というそれぞれが日本のシーンで地位を築いてきた面々が、バンドを結成してMステに登場しました。

過去のMステ出演の映像が流れるなか中で(奥田民生は自身の20年近く前の姿に苦笑していました)“全員大物 ドリームバンド”と紹介されていた彼らでしたが、そんな気負いは一切なし。ストレートな古き良きロックサウンドに“すべり知らずは笑えない”という酸いも甘いも噛み分けた彼らが歌うからこそ深みが出るフレーズを乗せた「スベり知らずシラズ」は、経験を積んだ大人が肩肘張らずに生きていく楽しさを我々に教えてくれているようでもありました。

とかく“ロックバンド”というフォーマットの限界が叫ばれる昨今ではありますが、King Gnuは先鋭的な音楽性に初期衝動を混ぜ込むことで、またカーリングシトーンズはスタンダードな音をギミックなしに楽しく演奏することで、それぞれ“今の時代にロックバンドが果たすべき役割(尖った価値観を提示したり、ロックの歴史を歌い継いだり)”を完遂していたように思いました。こういう対比が期せずして生まれるのがMステの面白さだと思います。

TEXT BY レジー(音楽ブロガー/ライター)

[後編]
SixTONES、Snow Man出演!
Mステを観ながら、あえてK-POPボーイズグループと並列して見てみる

 

【2020年1月17日放送分 出演アーティスト】
Superfly「フレア」
SixTONES「Imitation Rain」
Snow Man「D.D.」
King Gnu「Teenager Forever」
三浦大知「I’m Here」
Matt「予想もつかないStory」
森 七菜「カエルノウタ」

【2020年1月24日放送分 出演アーティスト】
大黒摩季「SPメドレー」
原 慎一郎「恋の迷い子」
THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「FULLMETAL TRIGGER」
山本 彩「イチリンソウ」
TOMORROW X TOGETHER「9と4分の3番線で君を待つ(Run Away)[Japanese Ver.]」
SixTONES「Imitation Rain」

【2020年1月31日放送分 出演アーティスト】
AI「空と君のあいだに」「僕らを待つ場所」
カーリングシトーンズ「スベり知らずシラズ」
Sexy Zone「極東DANCE」
Toshl「糸」
HIROOMI TOSAKA「BLUE SAPPHIRE」
竹原ピストル「ファイト!」

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