Dragon Ash、初の“2段階スタイル”で開催された全国ツアーを完走!「自信を持って言わせてよ。これが今のDragon Ashだ!」

■「間違いとか、いろいろあるけど、それは変えられないし、大事なのはその先どうするか。KenKenもJESSE もThe BONEZもDragon Ashも、来年はいい年になればと思います」(サポートベース・T$UYO$HI)

Dragon Ashの全国ツアー『DRAGONASH TOUR 2019 “THE FIVES” / “THE SEVENS” supported by Canva』のツアーファイナルが、12月27日、東京Zepp DiverCityで行われた。

“THE FIVES” / “THE SEVENS”と題された今回のツアーは、Kj、桜井誠、BOTS、HIROKIに、サポートベース・T$UYO$HI(The BONEZ / Pay money To my Pain)を加えた5人のユニットで行う“THE FIVES”と、ATSUSHI、DRI-Vのダンサー2名を加えた7人のフルメンバーで行う“THE SEVENS”との2段階ツアーとなった。

前半戦はステージのサイズに制約のあるライブハウスで行う“THE FIVES”。
“THE FIVES”は、全国22会場、22公演行われたが、Dragon Ashとしては、2ndフルアルバム『Buzz Songs』のリリースに際し、1998年に行われたツアー『FACE TO FACE』以来、約21年ぶりとなる東阪名CLUB QUATTROなど、“THE FIVES”でしか実現しないライブが行われた。

そして、後半戦はフルサイズでのパフォーマンスが可能なステージで行う“THE SEVENS”。

“THE SEVENS”は全国8会場8公演が行われ、ダンサーを擁するバンドDragon Ashならではのエンタテインメント性の高いロックショーが展開。従来のリリースツアーとは異なり、自由な選曲で行われたツアーは、新旧のファンが楽しむことができる内容となった。

ツアーファイナルの舞台は、東京Zepp DiverCity。もちろん超満員のオーディエンスで埋め尽くされた。

【ライブレポート】
「楽器隊」だけの5人体制“THE FIVES”と、ダンサーを含む7人のフルメンバーで挑む“THE SEVENS”という、初の2段階スタイルで開催された全国ツアー『DRAGONASH TOUR 2019 “THE FIVES” / “THE SEVENS” supported by Canva』。計30本となるツアー最終日を飾る公演が12月27日、ZEPP DiverCityにて開催された。

「DA」のロゴドロップが掲げられたステージの上。最初にDJのBOTSだけが現れると、どんなときも走り続けてきたバンドの精神を象徴する「威風堂々」(イギリスの作曲家エドワード・エルガ作曲)のギターロック風の旋律がターンテーブルから響き出す。やがてステージ両脇の高台にそれぞれ赤と青のフラッグを抱えたダンサー2人が登場。「Viva la revolution」のイントロへと音が変化すると同時にメンバー全員が現れ、すべての音が重なり合った瞬間、ギターロックな「Viva〜」に進化。

「Viva la revolution」でスタートする今回のツアーでは、The BONEZやPay money To my PainのメンバーであるT$UYO$HIがサポートベースとして参加している。彼がこの日着ていたのは、初代ベーシスト、IKUZONEを思わせる赤と青のチェックのシャツ。さらに彼のベースアンプには、赤と青のIKUZONEシャツが飾られている。7人は今、これまでのすべてを抱えながらフロアを埋め尽くす満杯の観客の前に立っている。楽器隊だけでつかんだ“THE FIVES”という揺るぎない自信と、ダンサー2名を含むフルメンバーのDragon Ashだからこそ表現できるミクスチャーなロックショー。計30公演を経て両方を手に入れた潔く誇り高い7人の姿を見て、筆者の側にいた男性客が思わず感嘆の声をあげる。「カッコいい!」
※「IKUZONE」の「U」と「O」はウムラウト付きが正式表記。

「T$UYO$HIくんと共に走り抜けた2019年。自信を持って言わせてよ。これが今のDragon Ashだ!」

「Run to the Sun」の演奏直前、Kjがフロアに向かって叫ぶ。地鳴りのような歓声がこだまする中、T$UYO$HIを迎えて作り上げた「Fly Over feat. T$UYO$HI」、IKUZONEが敬愛するhideの名曲「ROCKET DIVE」のカバーと、盛り上がり必須のキラーチューンが続けてフロアに放たれた途端、クラウドサーファーが次々と笑顔でフロアを転げ回り出す。

「Walk with Dreams」からはミドルチューンが続くゾーンへ突入。「今の俺たちが音楽をやる理由を曲にしてきました」と言うKjの言葉のあとに披露されたミドルテンポな最新曲「ダイアログ」では、マイクだけを持ったKjが、<2人といない君><僕らは何かにしがみついていたいんだ>と歌う。そして、<ひとつとして無駄な痛みなどないさ>という一節が胸に深く刺さるラテン期のミドルな美曲「Beautiful」、不朽の名曲「Let yourself go, let myself go」と続く、アルバムツアーやフェスなどでは滅多に聴くことのできないレアなセットリストに、フロアから歓喜の声が上がる。

Dragon Ashは、なぜどんなときもステージに立ち続ける苦難の道を選ぶのか? その真意を楽曲を通してファンに届けたのが、5人体制で音楽を奏でた“THE FIVES”だとすれば、フルメンバーで挑んだ“THE SEVENS” には、間違った人生も希望があればやり直せるというメッセージが貫かれていたように思う。<キミ達の声が響く限り/箱舟は揺れ続けていく> <この場所からまた歩き出そう>と歌う「Let yourself go, let myself go」に沸くオーディエンスたち。その楽しげな姿を見ながら、Dragon Ashにとっての”希望”とは、目の前で笑顔や涙を浮かべながら全身で音楽を楽しむオーディエンスという存在なのだと再確認する。

歪んだギターサウンドがアグレッシブに炸裂する「Aim High」を久々に挟みつつ、「Mix it Up」から「Fantasista」まで一気にアッパーチューンで疾走。その後、本編の最後に披露されたのは、次の人生を選んだ友人に手向けた曲「TIME OF YOUR LIFE」と「Lily」だった。歌い出しと最後のサビを観客がシンガロングした「Lily」の<後悔や失態も/膨大な糧にしてゆけ> <君がくれた今日を/次は僕が君の為の明日へ> というフレーズ。自身に言い聞かせるように歌っていたはずのそれは、いつの間にか、誰かに向けた大切な曲へと進化を遂げていることに気づく。

鳴り止まないフロアからの「Viva」コールに応えてアンコールが始まると、ドラムの櫻井が話し始めた。

「平日にも関わらずZEPP DiverCityが人で埋め尽くされたこの光景……7月の男鹿(『OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL 2019』)の前につよぽん(T$UYO$HI)が、”俺で良ければ”って言ってくれなければこの光景は見れなかった。あのとき、もし止まってたらバンドはどうなってたかわかりません。この半年は本当にヘヴィーだったけど、皆さんの力に本当に救われました」。

続けてBOTSが、「KenKenみたいなベースは弾けないけど、俺にしか弾けないベースがあるとT$UYO$HIくんが言ってくれた。ステージにいる人数だけでなく、ここに来ることができなかった馬場さん、KenKen、スタッフ、お客さんも含めた“THE FIVES”、“THE SEVENS” と銘打った最高のツアーでした」と語る。

HIROKIも観客に向かって、「ライブは君らと俺らにしかできない言葉じゃない会話。これからもライブという会話をやろうよ」と言うと、DRI-Vも涙を浮かべた顔で、「時間のない中、T$UYO$HIくんが仕上げてきてくれて。(男鹿での)ライブ後に自分が号泣したのを思い出した。ファンからの手紙にも励まされました」と、T$UYO$HIとファンへの感謝を伝える。

みんなの言葉を受けて、「もしあのときDragonをやってなかったら俺の方が(精神的に)ヤバかったと思う。だから誘ってくれてありがとう。間違いとか、いろいろあるけど、それは変えられないし、大事なのはその先どうするか。KenKenもJESSE もThe BONEZもDragon Ashも、来年はいい年になればと思います」とT$UYO$HIが言う。ATSUSHIが最後に、「ありきたりな言葉だけど、ありがとう」と、フロアに向かって深々と頭を下げる。

場内にこだまする割れんばかりの拍手と歓喜の声に応えるように、この日バンドがアンコールに選んだのは、「A Hundred Emotions」と「陽はまたのぼりくりかえす」だった。入り乱れる様々な感情も、いつか誰かとわかちあえる音楽という喜びになる。絶望の中にいても、明日は必ず訪れる。ならばすべてを受け止め、一歩でも前に進む。Dragon Ashは今までもずっとその精神で音楽を歌い奏でてきた。その生きざまはどれほど多くの人生に寄り添い、奮い立たせ続けてきたことだろうか。

「Curtain Call」の始まりを告げるエモーショナルなドラムが最後に鳴り響く。ドラムを照らす光の前で、T$UYO$HIとKjが拳を交わして肩を合わせるシルエットが浮かぶ。

<また会おうよ>

そう歌うKjの声とHIROKIのギターが美しく響き渡ったあと、メンバー全員が繋いだ手を高らかに上げ、フロアに向かって御辞儀をする。ステージを去り際、Kjが肉声で叫ぶ。「ありがとうございました!」

今回のツアーでは全30公演、メンバー全員がそれぞれ真っ白な靴で挑んだ。白は純潔や始まりを象徴する神聖な色。真相はメンバーにしかわからないが、並々ならぬ覚悟と決意で彼らがステージに立ち続けていたことは間違いない。そして、この先もどんな形であれ彼らは歩みを止めないだろう。

ハイブリッドな感性を武器にして、日々の機微を綴るDragon Ashの音楽。全身全霊でそれを受け止めてくれる、”君たち”という掛け替えのない存在がある限り。

TEXT BY 早川加奈子
PHOTO BY TAKAHIRO TAKINAMI

<セットリスト>
Intro 威風堂々
1. Viva la revolution(paint the lily mix)
2. Run to the Sun
3. Fly Over feat. T$UYO$HI
4. ROCKET DIVE
5. Walk with Dreams
6. Ode to Joy
7. 光りの街
8. ダイアログ
9. Beautiful
10. Let yourself go,Let myself go
11. Mix it Up
12. For divers area
13. 百合の咲く場所で
14. Aim High
15. Jump
16. Fantasista
17. TIME OF YOUR LIFE
18. Lily

EN1. A Hundred Emotions
EN2. 陽はまたのぼりくりかえす
EN3. Curtain Call


リリース情報

2019.09.11 ON SALE
DIGITAL SINGLE「Fly Over feat. T$UYO$HI」


Dragon Ash OFFICIAL WEBSITE
http://www.dragonash.co.jp/


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