さくらしめじ 田中雅功“400万ドル”で髙田彪我の行動をチェック(!?)

上映と共に注目を集める、クイーンを描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』。リアルタイムでクイーンを知らない世代にクイーンはどう見えるのか? カラーの違うアーティスト3組に映画を観賞してもらい、それぞれの目線で思いのままに意見してもらった特別インタビュー。

【映画『ボヘミアン・ラプソディ』インタビュー】
さくらしめじ

リアルタイムでクイーンを知らない世代が映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観て何を感じるのか? この特別インタビューに現役高校2年生のフォークデュオ、さくらしめじが参加。父親が好きなバンドだったこともあり、家族で移動する際の車の中でクイーンを聴いていたという髙田彪我、まわりの評判やテレビなどで代表曲を耳にしたことがあるぐらいだったいう田中雅功。人生経験もまだまだこれからなふたりだが、触発される部分は大いにあったようで……。


共に乗り越えたぶんだけ深まったメンバーの絆

髙田彪我 クイーンというバンドは素晴らしい関係性ですよね。ちゃんとフレディ・マーキュリーさんがフロントマンとして先頭に立ってて。あの人の頭にはいろんなイメージがあって、それをブライアン・メイさんやロジャー・テイラーさん、ジョン・ディーコンさんの3人が支えたり、時には対立しながら形にしていって……。

田中雅功 ブライアン・メイさんが、たぶんいちばんフレディさんの思考や性格を理解してて、言われたとおりにするのか、言われたものを超えていくのか、冷静に見極める人。テイラーさんは別の方向からアイデアを放ったり、結構意見することでクイーンを大きくしていく人で素直にガツンと物が言えちゃうタイプだから感情的で。で、ジョン・ディーコンさんがその場の空気をカラッとさせるというか。ちょっと混沌としてきたなってなったら、リセットさせよう、っていう感じでそれぞれ違うキャラクターだけどちゃんと役割があって機能するバンドだなって思いました。

髙田 対立することもあったけど、この4人はちゃんとお互いに相手の言いたいこと、やりたいことを理解していたしリスペクトもあったんじゃないかな? そのうえで、いろいろコミュニケーションを重ねてきたんだろうなっていうのが見えたので良い関係性ですよね。

田中 さくらしめじはふたりしかいないから、コミュニケーションをとるしかないよね(笑)。

髙田 (笑)。でも、なんですかね、クイーンさんて好きなことをやってるだけではないんだっていうのをこの映画を観て知れた気がします。新曲でオペラを取り入れたり、レコーディングでむちゃくちゃ試してみたり、“楽しい”“好き”って思ったことを続けるんじゃなくて、つねに新しいものを生み出そうとしてる。「同じものを繰り返してちゃ意味がない」ってセリフも言ってらっしゃいますし。

それを聞いて、ただ好きなことをやってるだけじゃなくて聴いてくれている人に届けたいっていう気持ちに行き着く行動なんだなっていうのが、はっとさせられた部分でした。

髙田彪我

ソロデビューの話を持ちかけられたら、さくらしめじはどうなる?

田中 クイーンの皆さんは衝突の仕方が激しいですよね。僕たちはまだ経験していませんが……もしかしたらこれからものすごいのがあるかもしれない(笑)。

髙田 たぶん、揉めそうになったら僕が引きます。「ごめんごめんごめん!」って。

田中 あ~! たしかにそうかもね。じゃあさ、「400万ドルで……」って言われたら、彪我どうする? 「今後は“さくら”として活動してください」って。

髙田 「えっ?」ってまず驚く。で、そりゃあ断るでしょう。

田中 えっ! 400万ドルだよ? へぇー、そう。

髙田 いやいや、そりゃそうでしょう……って、えっ? 逆にどう?

田中 ソロ行くね~。

髙田 ええー! まじ!? やばいね、まじかー……。

田中 ケンカする? 引かない? その時は?

髙田 ケンカするでしょ、そりゃ! もう「なんで!!」ってなるよ。

田中 そっかー……実は、彪我を試しただけだよ。僕も“しめじ”にはなりません(笑)。

髙田 うわー! 騙すなんてひどい!(笑)

田中 ごめんごめん! でもさ、これってフレディさんがーとか、誰が悪いって一概に言えないのがちょっとモヤっとしました。バンドを離れて自分の実力がどれだけのものか勝負してみたいって気持ちなら尊重したい気もしますし、だからといって“残された”と感じてしまうメンバーの気持ちを考えると……うーん、難しい話ですね。

髙田 でも、逆境を乗り越えたからこそ、人を惹きつけるバンドになって、あのライブを成功させたんじゃないかなって。意見のぶつかり合いがあるからこそ、それがまたバンドを作り上げていくということに繋がっていったんじゃない?

田中 そうだね。フレディさんもバンドに戻る時、ちゃんと謝ってますからね。反省していても、直接その相手に伝えるってなかなか難しいじゃないですか。ちゃんと素直な気持ちを言える人柄は素晴らしいですね。だからこそ、事務所で久しぶりにメンバー4人が集まった話し合いの時もすっと受け入れてもらえたのかなって思いますし。

どれだけのことを4人で経験して、どれだけのものを乗り越えたかっていうクイーンの軌跡がちゃんとメンバーの結束力になっていったんだと思います。

田中雅功

高2のさくらしめじが選ぶ、映画『ボヘミアン・ラプソディ』名場面

田中 レコーディングのシーンは特に面白かったですね。技術的なところは今と比べると大変な部分もあったと思うんですけど、時代が違っても今に通ずるものはあるなと思いました。

例えば、自分のレコーディング中、音符どおり歌うとスタッフさんから「ちょっと面白くない」って言われることがあったんですけど、この映画を観て“こういうことか!”って実感できたといいますか。譜面どおり丁寧に聴かせる部分も大事だけど、人の心を動かすにはそれだけじゃいけないんだなと。

やっぱり人の心を動かすには心を込めなきゃいけなんだなっていう、当たり前なんですけどすごい大事なことを改めて学ばせてもらいました。

髙田 僕は最後のほうで「俺が何者なのかは俺が決める」ってセリフがあったんですけど、たしかにそうだなって感動しました。人が抱くイメージって、誰でもあるじゃないですか。あの子はこう見えるから〇〇だ、みたいな。

アーティストはそれが特に強く印象づけられてしまうと思うんですけど、まわりが抱くイメージと実際の自分は合ってる部分はあってもそれがすべてではないじゃないですか。

自分が信じてるものを貫く姿はカッコ良かったですね。だからこそ、これだけ多くの方の心にも刺さるんだろうし。

それで「周りのイメージに合わせようとか言われたからやろう」ってなっちゃうと、ふらふらしちゃって、あそこまでの人数を熱狂させることはできなかったんじゃないかなと思いますね。

終始、愛に飢えていたフレディの孤独

田中 フレディさんは寂しそうな方でしたね。僕も中学生の頃はちょっと寂しさを感じたことがあって……元々、小学生の時からずっとバスケをやっていたので、中学に入ってからも夏くらいまでは活動してたんですね。

けど、さくらしめじとして活動もしていくんだからって中学生の僕なりに考えて、バスケを辞めたんですけど、ずっと一緒にやってたメンツと顔合わせるのが寂しいというか。距離を感じてしまって……いったいどんな顔して会えばいいんだ! っていう気持ちもありましたし。

当時、中学1年生なんでね、そんな大層な思いは抱えてないですけど、それでもあの時の自分にとってはめちゃくちゃ大きな出来事で。

あれ以上の孤独をフレディさんはつねに抱えていたのかな? って考えると、なんとも言えない気持ちになりますね。でも、そんなフレディさんが情熱的に打ち込める音楽と出会えたことはとても幸せなことだなって、こうやって僕たちもクイーンさんから刺激を受けているので。

髙田 ライブがいちばん刺激を受けました。「うおー!」って一緒に叫びたくなる感じが良かった! 一緒にこう、大勢のお客さんとライブを楽しんでるような。

田中 あれだけのお客さんを前に、主に声とメロディと音で沸き立たせることができるっていうのがすごいですよね。

ジャンルとか関係なく、自分たちの歌とギターでお客さんを熱狂させられるよう、僕らも目指すべきところじゃないかなと気合いが入りました。

クイーンのような伝説を築く、アーティストになるには?

田中 経験するだけじゃなくて乗り越えなきゃいけないんですよね。

髙田 経験して乗り越えて、また経験して……できるかな?

田中 やっていこう! 今はファンの皆さんに支えてもらうことが多いんですけど、これからは僕たちが支える側になっていきたいですね。

髙田 そうだね。人を支える存在ってすごい偉大だなっていうか。この映画ではクイーンさんの活躍がたくさん描かれてきましたけど、そのクイーンさんを支える人たちもいたからこれだけの伝説になったんじゃないかなって。

そうやって支えてくれる人の存在って、見えづらいかもしれないけど、結構世の中において大切だなって改めて思いました。だから、自分も支えてもらうだけじゃなくて、誰かにとっての大切な“支える人”でありたいですね。

INTERVIEW & TEXT BY ジャガー

【オフショット】
クイーンになりたい、さくらしめじの図

出遅れる田中雅功、ノリノリの髙田彪我

ふたりが再現しているシーンはどこだかわかりますか?

「腕をもっと突き上げて!」と熱血指導中


映画情報

『ボヘミアン・ラプソディ』
大ヒット上映中
監督:ブライアン・シンガー
製作:グレアム・キング/ジム・ビーチ
音楽総指揮:ブライアン・メイ(クイーン/ギター)/ロジャー・テイラー(クイーン/ドラマー)
出演:ラミ・マレック/ジョセフ・マッゼロ/ベン・ハーディ/グウィリム・リー/ルーシー・ボイントン/マイク・マイヤーズ/アレン・リーチ
配給:20世紀フォックス映画
(C)2018 Twentieth Century Fox

映画『ボヘミアン・ラプソディ』OFFICIAL WEBSITE


ライブ情報

さくらしめじのHappy X’mash LIVE 2018 in 中野サンプラザ
12/15(土)東京・中野サンプラザ

リリース記念ツアー「うたはつづくよどこまでも」
12/23(日)福岡・DRUM LOGOS
[2019年]
01/06(日)大阪・バナナホール
01/20(日)広島・CLUB QUATTRO

さくらしめじ きのこりあんの集いvol.3
12/29(土)東京・光が丘IMAホール ※二部制


プロフィール

田中雅功(たなかがく/2002年1月24日生まれ)、髙田彪我(たかだひょうが/2001年10月23日生まれ)からなるフォークデュオ。2014年6月14日結成。47都道府県をフリーライブしてまわる企画『菌活』を遂行し、全国各地でライブやイベントへの出演など精力的に活動中。2018年春には、1stフルアルバム『ハルシメジ』をリリース。夏にはツアーファイナルを日比谷野外大音楽堂で開催し、チケットはソールドアウト。11月28日には初のEP盤のリリース、そして12月15日には中野サンプラザでのワンマンライブが決定している。

さくらしめじ OFFICIAL WEBSITE


リリース情報

2018.11.14 ON SALE
EP「うたはつづくよどこまでも」
SDR

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事を書いた人

  • ジャガー

    ジャガー

    「M-ON! MUSIC」の編集/ライター/小言を言う係。音楽フリーペーパー「music UP's(現okmusic UP's)」の編集を経て、音楽雑誌「ワッツイン」へ。前身サイト「DAILY MUSIC」 への参加をきっかけにWEBの人になりました。