『GOLDEN EPOCH』 インタビュー Part.2
超特急
Part.1 メンバー自身も実感した“等身大で大人”になれた自分
ダサい、かわいい、面白いっていう曲をやった時に逆に際立つ
──ニューアルバム『GOLDEN EPOCH』のリード曲「need you」について掘り下げたいと思います。
カイ 最初に「need you」を聴いた時は、単純にカッコ良いなって。今までの爆発した勢いのある曲とはまた違う魅力……濃密さで攻めてる曲だなって思いましたね。あと、タカシがすげー英語歌ってる!(笑)
リョウガ 最近のシングルは「My Buddy」「a kind of love」「Jesus」と明るめな楽曲が続いていたところで、突然アルバムのリードが大人っぽいから……こうくるんだ! って僕も良い意味で裏切られました(笑)。
カッコ良い曲を表に立たせるのは、やっと僕たちが背伸びをせずにカッコ良い大人な曲を披露できるくらいになれた証なのかなと思うと、うれしくもありますね。
(アルバムを出すと決まった)当初はもっとフザけた感じをやっていくのかなって勝手に予想してたんですよ、シングルの流れに乗って。それに、僕たちは昔からダサさを前に出しつつ、それだけで終わらせないカッコ良さを表現してきたグループなので、「need you」みたいに素直にカッコ良い感じに少し動揺して……(笑)。
でも、こういった印象を皆さんに与えれば、ダサい、かわいい、面白いっていう曲をやった時に逆に際立つなって。僕たち超特急はもっともっと振り幅を大きく持たせていきたいので、カッコ良い部分をこの曲で極めていけたらと思います。
タクヤ 単純に音がカッコ良いです。振りはユーキとTAKAHIROさんが共作で作ってくれたんですけど、結構ダンスナンバーって感じに仕上がってますね。あと、曲の構成がちょっと変則的でサビがどこかはっきりさせない曲です。サビが来たかと思ったら歌詞がなかったり。
自分の好きなダンス……カッコ良いと思うダンスをオマージュさせてもらったりしてます
──ダンスミュージックのサビに当たる、ドロップですね。
タクヤ そうです。そういう感じを取り入れているのも超特急にとって新鮮だなって。それに……これはうまく説明しづらいことなんですけど、例えば「Jesus」だったら“Jesusっぽい色”というか、クセがあったんです。「need you」は良い意味でそういうのがないんです。ただ単にカッコ良いっていうか。そこがすごく新しいと思いますね。
ユーキ 僕は「need you」の振り付けをさせてもらったんですけど、こうやってクリエイティブ面で関われたのは思い出深いですし、振付師の人たちの感覚を経験できたのは良かったです。
──振りはどんなイメージで作っていったのですか?
ユーキ やっぱり、曲がカッコ良かったので、とことんカッコ良いを求めていこうと。で、もうちょっと激しくブラッシュアップしていこうかなって。
カッコ良いところは押さえつつ、超特急らしさに置き換えようと思って振りを作っていきました。ちょっとだけダサい要素も盛り込むんだけど、それよりも自分の好きなダンス……カッコ良いと思うダンスをオマージュさせてもらったりしてます。
僕的には良い具合に超特急に落とし込めたなと思ってます。そういう振りする!? って意外性も考えたし、ダンスからこの曲の感情が強く伝わってほしいですね。
──リード曲の振りを考えるのは初めてですよね。
ユーキ はい。どの曲も自分たちにとって大切な曲であることに変わりはないんですけど……リード曲やシングル曲って目に留まりやすいから、ワンランク上って感じが自分の中であったんですよ。
高校生の頃に振りを作って文化祭でやったりとかも含めると、いろんな場所で振りを作ってきたけど、そういうのとは全然違うじゃないですか。
言ったら、アルバムの看板背負うくらいの感覚もあるので、最初振りを作るか聞かれた時は驚きましたけど、なかなかこういうチャンスはないなと。やらないで逃げるよりはやっていこうってすごく前向きな気持ちでやらせていただきました。
聴き手にイメージを膨らませてもらえる歌い方を心がけたい
ユースケ この曲は、それぞれにダンスのスポットが当たってるんですけど、僕はユーキを感じます。固定のセンターが決まってい曲じゃないんですけど、ユーキを感じる。
──“ユーキを感じる”というのは?
ユースケ 全体的に6人が踊るんだけど、特にユーキに視線が行くような感じがするんですよね。振りで薔薇を使ってるんですよ。久しぶりに物を使ったダンスで、薔薇の行先も目が行くんじゃないかと思います。
そこでもポイントポイントでユーキが関わってくるから、僕は自然とユーキに目が行くんですよね。こういうタイプは珍しいし、曲の構成も面白いから、見てて新しいと思います。
超特急ってこんなことするんだっていうのは感じてもらえると思います。俺らメンバーにしかできない振りになってるし、好きですね。
タカシ 僕らの曲で、ここまでカッコ良いに振り切ってるのも珍しいなって思いましたし、自分としてはレコーディングはやりやすかったです。英語が多いんですけどね(笑)。
内容を見ていくと、あんまりはっきり言い切ってない感じがするので、いろいろ想像力も掻き立てられると思うんです。なので、聴き手にイメージを膨らませてもらえる歌い方を心がけたいなと思いました。
この曲中で描かれていない、主人公の背景を考えちゃいますね
──歌詞は、恋愛で起こる表と裏の感情を雰囲気で連想させるような……。
カイ そうですね。僕が歌詞を見て思ったのは、誰かに向けて言っているのではなく、自分の胸の内だなって。“こうしたい” “満たされたい”とか、自分の願望だったりを語っている感じが近いのかなって。そして、この主人公は少し愛情の欠落者なのかな、と。
──たしかに、相手に強く求めている傾向はありますね。
カイ はい。例えば、小さい頃に家族から愛されてなかったのかな? だから愛情に飢えてるのかな? とか。この曲中で描かれていない、主人公の背景を考えちゃいますね。
──歌う際に気をつけたポイントは?
タカシ さっきタクヤが言ったみたいに、はっきりしたサビがないんです。だからこそ、全体的に繊細なんだけど力強さはあるっていう、絶妙な空気感を目指して歌いました。
でも、だからって全編同じような歌い方にしたくはなかったので、“恋に落ちるまで〜同じ夢を一緒にみたいよ”って一連の歌詞を、僕の中でサビ的に解釈して歌いました。レコーディングでは、君が必要なんだよって気持ちや、欲している感じを伝えたいなと。
実はダンサーがメインの超特急の曲だなと思った
──振りを考えた際も歌詞からインスパイアされたと思うのですが。
ユーキ そうですね。振りを考えている最中は歌詞を自分に置き換えてましたね。振り付け自体は、超特急に対してとか、自分のやりたいことを遠慮せずにやらせてもらったんですけど、僕の中の裏テーマとしては“センター”を作りました。
この曲が超特急の新時代を築いていく、一歩目になればいいなって思ったり、今まで発信してきたものをここでまた再確認できる曲になればいいなって思って振り付けしました。
──歌詞の主人公は、ちょっと冷めた感じだけど、奥には熱いものを持ってる人のように思いますね。
ユーキ 熱いですね。僕的には歌詞もですけど、音で伝えてる曲っていうが新しいなと思ったんです。言葉じゃなくて目で訴えている印象が強いです。
いちばん強いものをサビのサウンドで訴えかける感じがして、新しい表現方法ですけど、実はダンサーがメインの超特急の曲だなと思ったんです。
──あ〜! “メインダンサー&バックボーカルグループ”という、超特急そのもののコンセプトに繋がりますね。
ユーキ そうなんです! そういうことまで全部考えて作られたのかな? とか思ったらすごく面白く感じましたね。歌詞もわざと英語で意味をパッとわからなくして、音とダンサーのダンスで、体で表現してるなとか、なんか全部超特急に置き換えるとハマるんですよ。
──たしかにそうですね。
ユーキ すごい深いなって思っちゃいました。うちのスタッフはやり方がニクい! さすがだなって(笑)。この曲が持ってる、素直じゃなくちょっと裏切る感じが伝わってほしいですね。
Part.3 20代に突入した超特急がリアルに考えること
INTERVIEW & TEXT BY 土屋恵介
PHOTO BY 山本哲也
ライブ情報
BULLET TRAIN Arena Tour 2018 GOLDEN EPOCH
12/07(金)埼玉・さいたまスーパーアリーナ
12/26(水)大阪・大阪城ホール
12/27(木)大阪・大阪城ホール
プロフィール
チョウトッキュウ/カイ(2号車、MAIN DANCER、神秘担当)、リョウガ(3号車、MAIN DANCER、ガリガリ担当)、タクヤ(4号車、MAIN DANCER、筋肉担当)、ユーキ(5号車、MAIN DANCER、ドジっ子担当)、ユースケ(6号車、MAIN DANCER、元気担当)、タカシ(7号車、BACK VOCAL、末っ子担当)。2011年12月25日に結成された、メインダンサー&バックボーカルグループ。
リリース情報
2018.11.14 ON SALE
ALBUM『GOLDEN EPOCH』
SDR