残酷描写もサラッとやっちゃう!アーティストのトラウマ映画となったプレデターが帰ってきた

邦ロック界で一二を争う映画論客とも言われるBase Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載『みんなの映画部』。

今回は超強力凶暴な戦闘型宇宙人・プレデターが登場するSFアクション最新作『ザ・プレデター』。難しい理屈不要で無邪気に観賞してきました。チャットモンチー解散後の福岡晃子は久しぶりの参加です。

みんなの映画部 活動第47回[前編]
ザ・プレデター
参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、福岡晃子

『プレデター』はトラウマ映画なんですよ

──『みんなの映画部』第47回です。今回はなんだかんだで始まって約30年、ご長寿の人気シリーズとなってるSFアクションの最新作『ザ・プレデター』でございます。まずは恒例の小出部長のひと言からお願いします。

小出 ファストフードでお腹いっぱいって感じですかね。

福岡 味濃かった。

小出 満腹感としてはちょうど良い。明日になったら「昨日の夜何食べたっけ?」って忘れるような感じはするけど。

僕はこのシリーズの第1作(1987年の『プレデター』)がトラウマ映画なんですよ。『エイリアン』(1979年)と並んで。

テレビで子供の頃にチラッと観てめちゃめちゃ怯えたんです。人間が逆さ吊りで殺されてるとか、内臓がブシャーとか、テレビでなんでこんなの流れてんの! って。

──B級ホラー的というか、ゴア描写(残虐シーン)が結構エゲつないんですよね。

小出 そうなんですよ。そのくせに『プレデター』ってやたらテレビで放送されてたでしょ。

福岡 たしかに。あれは主演がシュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガー)やもんな。

小出 『プレデター』しかないのかよ! とか思ってたよ(笑)。だからフルでちゃんと観たことがなくて。部分部分だけで十分怖いから、『プレデター』をやってると小出少年はチャンネル替えちゃうわけよ。

だけど、2010年の『プレデターズ』は観てるの。「あ、こんな感じね」って、それは普通に観られたの。もう大人になってるからね(笑)。で、第1作に関しては、今朝初めてちゃんと観てきたんですよ。

福岡 トラウマから何十年経ってようやく!

小出 こうして観るとやっぱり面白かった。80年代の映画で、プレデターが透明になるのとかすごくね? と思って。

──「擬態」(動物や虫が攻撃や自衛のため、体を周りの風景に同化させること)みたいなやつね。プレデターが光学迷彩装置を使って自分の姿を見えなくする。

小出 あれ、よく考えたなと思った。お話としては、シュワちゃん率いるコマンドーの人たちが乗り込んだ先での戦闘のくだり、あれかなり派手じゃん。そこでまず一個満足感を作っておいて、そっから戦闘のプロの仲間たちがひとりずつ一瞬で殺されていくサスペンスと緊張感。

しかも撃たれて死ぬとかじゃなくて、体ごと消されるみたいな。どんだけ敵は強い兵器を持ってるのか!? って思ったら、透明のやつが木と木の間をシュンシュンシュンってやってくる……。すげえ怖え、面白いなと思って。

こうやって長年のトラウマを今朝克服したばかりなんで(笑)、今日は本当楽しみにしてたんです。

 

監督は『アイアンマン3』のシェーン・ブラック

──『プレデター』シリーズは外伝っぽいものが多かったですが、今回はわりと正統な続編として作ってますね。

小出 物語の時系列的には『プレデター2』(1990年)の後ってことになるのかな。しかも、監督は第1作でプレデターの最初の犠牲者になった人ですから。

福岡 そうなんや。

小出 第1作でずっとわけもなく下ネタ言ってた奴。そのホーキンスっていう特殊部隊の隊員を演じたシェーン・ブラックって俳優さんが今回の監督。今や『アイアンマン3』(2013年)も手がけた立派な監督ですからね。

福岡 へえ~、すごい。

小出 今回の兵士「ルーニーズ」は過去の戦闘でPTSDを負った退役軍人たちなんだけど、そのなかにずっと下品なことを言っちゃうの止められないやつが出てる。ネットルズ(アウグスト・アギレラ)っていう脳挫傷を負ったキャラクター。それがホーキンスの系譜なのかなって。

──シュワちゃん的な筋肉エリートではなく、くせの強い兵士の集まりを主役にしているのが監督のセルフオマージュっぽくて面白いですね。あっこちゃんのプレデター歴は?

福岡 私はテレビで親が観てたのに付き合って、なんとなく眺めてたくらいの感じかなあ。いちばんちゃんと覚えてるのは『エイリアンVS.プレデター』(2004年)ですね。プレデターに関しては、ジャングルで透明になるすごい厄介な顔の怖いやつっていう印象でした。

その薄っすらとしたプレデターの記憶からすると、もうちょっと湿度高い体のイメージがあったんですけど、今回は結構甲殻が硬そうでしたね。

小出 意外とカニっぽかったよね。

福岡 うん、甲殻類ぽかった。内容に関しては、男女6人ぐらいでワイワイ観に行ったらいいんちゃうかなって感じ。結構ツッコミどころが多かった。

小出 そうね。結構というかたっぷり。

福岡 まずプレデターのデカさがわからん(笑)。「あのデカいほうの」って言われてもさ、最初「えっ、どっち?」みたいになって。遠近感わからんし。とりあえず頭デカすぎだよね。こんなんだったっけ、最初?

小出 あそこまでデカくはなかったよね。

──今回のプレデターは他の種のDNAを取りこんで、どんどん進化するという新設定がありますからね。

福岡 過去最強の進化形プレデターがやってきたってことかな。ただ全体にさ、その場のノリで考えたような設定が多いよね。脚が宇宙船のシールドで切れちゃうじゃないですか。ウッソ! みたいな(笑)。「それ、ほんとに最初から考えてました?」みたいな。

小出 ご都合主義的な設定はめっちゃ多いよね。

福岡 笑うくらい多い。あと近年、私が観た映画のなかであまりにも早く残酷に人が死ぬ映画でした(笑)。すごい残酷なシーンを2秒ぐらいで終わらせるっていう。そこはある意味、新しいなと。本当にバンバン人が死んでいくんだもん。

TEXT BY 森 直人(映画評論家/ライター)

映画を観終えて、感想会会場(喫茶店)へ向かう、小出部長とあっこびん。たまたまですが、小出部長が始めた新プロジェクト「マテリアルクラブ」のメンバーが揃い踏み

感想会を始めようとしたら、「ちょっと待って!」とパンフレットを読んでおさらいする小出部長。真面目。

ツッコミだらけの『ザ・プレデター』をあの問題作と比較した
[後編](2018.10.02.18:00配信予定)に続く


この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事を書いた人