なぜアーティストたちは映画『カメラを止めるな!』をガチ推しするのか?

邦ロック界で一二を争う映画論客とも言われるBase Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。インディーズ映画ながら「今年No.1」と言う人が日増しに増えている『カメラを止めるな!』を3人で観てきました。ネタバレ具合が難しいので多くを語れませんが、部員たちのテンション越しにうかがえる作品の魅力をご確認ください。

みんなの映画部 活動第45回[後編]
『カメラを止めるな!』

参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、福岡晃子、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)

[前編]ではオカモトレイジが劇場で爆笑を押さえられなかった話も

『カメラを止めるな!』にアーティストは「ライブ」を感じた

小出 これは映画館で観るほうが絶対面白いよね。監督の観てる側のコントロールもすごいうまいなあと思って。

レイジ 見せる人をちゃんと選べている感じ。

福岡 たしかに。うちのお母さんだったら帰ってると思うわ、最初の37分の途中で。でも『カメラを止めるな!』の評判を聞いて観に来てるお客さんなら大丈夫っていう。その意味でもライブ感があった、ホンマに。

レイジ バンド感もありますよね。映画のクルーがみんな組織になっているっていうか。

福岡 わかる。チームの結束がにじみ出てた。この映画のTシャツ売ってたじゃん。こういうグッズ販売もバンドっぽくない? 買いたくなる気持ちとかわかるもん。

小出 このみんなを応援したいって気持ちになる。

レイジ インスタしたいって気持ちにさせられる。

福岡 映画をリピートしたいっていうよりも、もう1回、現場に行きたいみたいな感じ。

レイジ たくさん拍手浴びてほしいというか。

福岡 映画が終わったら、みんな普通に拍手してたやん。すごい! って思っちゃって。面白い映画やと思っても、別に拍手せんやつあるもんな。

 

ゾンビ映画のパロディの方向が過去のどの作品とも違う

小出 この映画のすごさってことでもうひとつ言うと、ゾンビ映画ってそもそもパロディの多いジャンルじゃないですか。

──何周も回り倒しているジャンルですからね。もはや「ゾンビ大喜利」の段階ですよ。

小出 そうそう。『ショーン・オブ・ザ・デッド』もそうだし、『ゾンビランド』もそうだし、ゾンビ映画独特のルールとかをメタ視点から笑うとかさ。もうこすりにこすり倒されてる。あと、ワンカット系のホラーも世界的におなじみだし。

でもその中で、これはパロディの方向が過去のどの作品とも違う。また新しいものが出てきたっていうのは素直に驚いちゃいますね。

レイジ こういう作品こそハリウッドなんかでリメイクしてほしいです。すごい予算かけて『ホーム・アローン』みたいなテンションで(笑)。全然やれると思いますけどね。

福岡 ただ、こいちゃんも言ってたけど、やっぱり舞台劇っぽいっていうか。すごい日本の演劇の独特な感じがした。

レイジ 使っている役者さんたちも結構そっち系なんですかね? ともあれ俺、本当に前情報ナシで観て良かった。

小出 俺も余計なこと確認せずに今日来たから。面白いって前評判と、『映画秘宝』とかで映画祭ですごい絶賛されてたっていう記事は読んでいて、ファウンドフッテージもののやべえホラー来たのかなとかって思ってたら、まんまとミスリードされちゃって(笑)。フタ開けてみたら、ヒューマンハートフルコメディでしたね。あははは。

福岡 多少ネタバレしても、あの間合いとかは絶対大丈夫な気がする。

小出 そうだね。『リメンバー・ミー』に感動したっていう人は、これ観に行ったほうがいいですよ。

──それは極端な比較だなあ(笑)。

レイジ おすすめ度で言ったら「みんなの映画部」史上最高じゃないですか?

小出 そうだね、プッシュしたいっていう意味でも!

レイジ こういうまだ知られてないような人たちが作った映画は本当に観てほしいです!

TEXT BY 森 直人(映画評論家・ライター)

池袋・シネマロサの前で記念撮影。上映館は拡大していますが、話題が話題を呼んでまだ混雑しているそうなのでご注意を。この連載でインディーズ映画を観るのは活動第3回『あの娘、早くババアになればいいのに』以来です。

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