V6、Sexy Zoneらジャニーズ勢と三代目JSBらLDH勢。Mステで見えた男性ユニットの方向性の違いとは

知らない人はいないであろう音楽番組『ミュージックステーション』を、音楽ブロガー・レジーが定点観測する連載コラム「月刊 レジーのMステ定点観測」。

6月のMステは通常の1時間プログラムが3回放送されました(1日、8日、15日)。前後編でお届けする今回、まずは相変わらずシーンの中心にいるアイドルグループの話題からどうぞ。

 

AKB48、山崎育三郎&生田絵梨花:アイドルもいろいろ

1日のMステに出演したAKB48。この日は今年で10回目を迎える「選抜総選挙」の投票権付きCDに収録されている楽曲「Teacher Teacher」を披露しました。

この曲には山本 彩、指原莉乃、柏木由紀といった総選挙に立候補していない面々も参加しているのでそういう意味では若干ちぐはぐさもありますが、センターにはまだ16歳の小栗有以が抜擢され、あらたなAKB48のあり方を見せようという意図も見られます。

「Teacher Teacher」はEDMを基調としたダンスサウンドとBメロでのボーカルの乗せ方などからK-POPの影響が感じられる一曲。

現在韓国のオーディションバラエティ番組「PRODUCE 48」が日韓同時放送されており、そちらでは宮脇咲良や松井珠理奈が韓国のポップスのトレンド(今では“グローバルのトレンド”とも近しい意味があります)に則った楽曲「NEKKOYA(Pick me)」を歌っています。

「Teacher Teacher」がK-POPのトレンドを取り入れた楽曲としてどこまでうまくいったかというのは正直微妙な部分もありますが、グループとしての音楽的なアップデートにはこの先も引き続きチャレンジしてもらいたいですね。

ところで、AKB48を昨年卒業した渡辺麻友がミュージカル『アメリ』に出演するなど、アイドルとミュージカルというものの距離感は昨今のアイドルシーンを考えるうえで重要な視点になっている印象があります。

そんなミュージカルの世界で、アイドルに出自を持つ存在として先頭をひた走るのが乃木坂46の生田絵梨花。すでに各所で活躍している彼女が15日のMステに山崎育三郎とともにミュージカル女優として出演しました。

この日はミュージカル『モーツァルト!』のステージを再現するということで、ミュージカル中の楽曲「愛していれば分かり合える」を披露。完全にふたりの世界に入り込んで台詞と歌をこなす迫力は、この日の出演者の中でも随一でした。

歌唱前のトークでは「子供の頃から育三郎さんのことを知っていた」と、あくまでミュージカル女優としてのルーツを語っていた生田。アイドルグループのメンバーがグループ外でどうやって自身のポジションを築いていくかという課題はここ数年でますます大きくなってきている感じもしますが、しっかりした実力があればそんなことを気にする必要はないと示してくれた頼もしいステージでした。

 

V6、Sexy Zone、HiHi Jets、東京B少年:男性ダンスボーカルユニット数珠繋ぎ(1)

6月のMステにはLDH、ジャニーズなど男性のダンスボーカルユニットが多数出演したのでここでまとめてご紹介します。

1日に出演したV6は新曲「Crazy Rays」を披露。久保田利伸、もしくは大先輩でもある少年隊「湾岸スキーヤー」(山下達郎作)のような心地良い80s~90sのR&Bテイストの楽曲からは、いつの間にかジャニーズの屋台骨を支える存在となった彼らの余裕が感じられます。

8日に出演したジャニーズJr.の注目株、HiHi Jetsと東京B少年は「サマー・ステーション」「みなみなサマー」を披露。ローラースケートでのパフォーマンスを売りにしたHIHI Jets、若さを強調した東京B少年、そして馬飼野康二作のデジタル調のディスコサウンドをまとった楽曲と、ジャニーズの原点に返ったかのようなステージでした。

こういった雰囲気のグループが今の時代にどこまで大衆的な人気を集めることができるか注目です。

15日に出演したSexy Zoneはしっとりしたバラード「イノセントデイズ」を披露。途中に短いながらもアカペラで歌い上げるパートがあるなど、意欲的な構成になっていました。その後デビュー曲「Sexy Zone」のサビ部分も披露されたのですが、この流れは若干唐突だった気が……。

 

三代目 J Soul Brothers、GENERATIONS:男性ダンスボーカルユニット数珠繋ぎ(2)

1日と8日に出演した三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEがそれぞれ披露したのは、ELLYと登坂広臣の作詞によるバラード「RAINBOW」とELLYの弟のLIKIYAが振り付けを担当した「恋と愛」。特に「RAINBOW」は、途中のラップパートも含めて昨今のUSのトレンドを取り入れた作りになっています。

いろいろ毀誉褒貶あるLDHですが、メインストリームで海外の動きを意識しながら活動しているところはなんだかんだで立派だなと感じる次第です。

同じように海外のシーンとのリンクを感じさせるのが、15日に登場したGENERATIONS from EXILE TRIBE。彼らが披露したのは、楽曲冒頭にメンバーそれぞれのソロダンスがフィーチャーされたダンスナンバー「F.L.Y. BOYS F.L.Y. GIRLS」。現行のダンスミュージックをうまく日本のシーンに落としこんだ聴きやすい出来栄えです。

6月のMステではジャニーズとLDHのアウトプットにおいて、明確な方向性の違い(海外のシーンをどこまで意識するか)がはっきりと見られました。こういった傾向がこの先どうなっていくかは引き続き追いかけていきたいと思います。

[前編]はここまで。7月6日(金)の[後編]配信をお待ちください!

TEXT BY レジー(音楽ブロガー/ライター)


【2018年6月1日放送分 出演アーティスト】
WANIMA「Drive」
AKB48「Teacher Teacher」
V6「Crazy Rays」
aiko「ストロー」
三代目 J Soul Brothers from EXILE「RAINBOW」
チャットモンチー「たったさっきから3000年までの話」「シャングリラ」

【2018年6月8日放送分 出演アーティスト】
HiHi Jets・東京B少年「サマー・ステーション」「みなみなサマー」
三代目 J Soul Brothers from EXILE「恋と愛」
Superfly「Fall」
MAN WITH A MISSION「Take Me Under」
山崎育三郎&生田絵梨花「愛していれば分かり合える 」(ミュージカル「モーツァルト!」より)

【2018年6月15日放送分 出演アーティスト】
Sexy Zone「イノセントデイズ」「Sexy Zone」
GENERATIONS from EXILE「F.L.Y. BOYS F.L.Y. GIRLS」
THE ORAL CIGARETTES「BLACK MEMORY」
CHEMISTRY「Heaven Only Knows」
ジェジュン「Sign」
辻井伸行「The Dream of the Lambs」

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