草ケ谷遥海、デビュー前でZeppの舞台へ。夢を追いかけ、叶える喜びを体感した一夜【ライブオトネタ】

“私の歌を届けたい”純粋な想いが形となった、フリーライブ

大器がいよいよベールを脱ぐ──そんなワクワク感とドキドキ感を抱えて、4月19日ZeppDiverCity(TOKYO)に足を運んだ人が多かったのではないだろうか。筆者もそのひとりだ。

草ケ谷遥海は高校生の時から、『X FACTOR OKINAWA JAPAN』『関ジャニの仕分け∞』『Theモーツァルト 音楽王No.1決定戦』など、数々の音楽番組に出演し、その歌の上手さ、表現力が絶賛された。今年の1月に放送された『全日本歌唱力選手権 歌唱王』でも優勝こそ逃したものの、彼女の歌に感動したという声がネット上を飛び交い、その注目度はますます高くなっていた。

そんななかで「今まで私を応援してくれた人に感謝のステージを届けたい。今まで私を知らなかった人に、私の歌を知ってほしい」と思いを募らせた彼女は、デビュー前ということもあり、“Road to Zeppプログラム”というクラウドファンディングに挑戦し、4月19日にZepp DiverCity(TOKYO)でのフリーライブ開催の実現を目指した。

すると100万円の支援が集まれば開催という条件のもと、250万円を超える支援が集まり、彼女の歌を生で聴きたいという人が、全国から集まってきた。

歌唱力だけじゃない。歌って踊れる、草ケ谷遥海

19:30、いよいよスタート。彼女が一曲目に選んだのは「Halo」(ビヨンセ)。緊張しているのが伝わってくるが、いきなりそのエネルギッシュでパワフルなボーカルが炸裂。会場の壁を突き破るような勢いの声に、一気に引き込まれる。この日、彼女の世界観をよりまっすぐ、感動的に伝えるべく演奏するバックミュージシャンは、ドラム、ベース、ギター×2、キーボード、サックス、コーラス×3という豪華な編成。そしてダンサーも登場。

「Problem」(アリアナ・グランデ)では、そのダンサーと共に見事なダンスも披露し、歌って踊れることを証明した。彼女にインタビューした時に、このライブについて「いつもの私ではなく、普段見られない草ケ谷遥海にしたいと思っています」と語っていたが、テレビでは観たことがなかった彼女のキレキレのダンスに、客席は驚いている様子だった。

クリスティーナ・アギレラ主演のミュージカルで彼女が歌っていた「Burlesque」のカバーでは、さらに激しく情熱的なダンスと歌を披露し、そのポテンシャルの高さを見せつけてくれた。

クリス・ハートの「I love you」のカバーでは、二胡奏者のKiRiKoを迎え、カホンと二胡というアーシーなサウンドに乗せしっとり歌い、TWICEの「TT」はギター一本で歌い、また時にはジャジーでソウフルな、艶のある歌声を聴かせてくれ、その表現力の豊かさはお見事のひと言。「I love you」は涙を堪えながら歌っているのが伝わってきた。彼女はこの日、ステージに登場した瞬間、いや始まる前から、この日ライブができる喜びと、感謝の気持ち、抱えきれない想いで胸がいっぱいで、何かを言葉にすれば泣いてしまうのがわかっているので、MCでもおちゃらけたり、強がったりしていた。

そんななかでもきちんと歌を伝えたいという強い気持ちで、リスペクトするシンガーのカバー曲や、オリジナル曲の「誓い」、新曲「Dance Dance Dance!」「Diamond」などを歌った。ライブ会場なので大音量なのは当たり前だが、そんな中で彼女の歌は、不思議と耳元でささやいてくれているような感覚で、心と体を優しく包みこんでくれる。

チャレンジばかりの人生でも、草ケ谷遥海は“幸せ”

本編最後の「Listen」(ビヨンセ)は、「何回も喉を壊して歌えるようになった曲で、それで勝負できたので嬉しかった」と語っていた『歌唱王』の決勝で披露した歌だ。夢に向かっている人に向けた応援ソングで、草ケ谷は自分自身の姿も重ねて情感豊かに歌う。客席に大きな感動が広がる。歌い終えた草ケ谷はそれまで押さえていた感情、気持ちが溢れ、号泣。13歳より日本で暮らし始め、言葉が通じないという歯がゆさ、悔しい思いを経験し、音楽が心の拠りどころだった事など、これまでの熱い思いが堰を切ったように彼女の口から語られる。涙が止まらない。

アンコールは「Crazy In Love」(ビヨンセ)で再び激しいダンスと、コーラス隊との熱い歌を披露。ラストの「Dreamin’」(JASMIN)は、彼女がずっと歌い続けてきている、思い入れがある一曲だ。この曲も、夢に向かって歩んでいる人へのメッセージが溢れている。彼女は最後に「自分の人生チャレンジばかりだったと思う。でも素敵な人たちに囲まれて幸せです。感謝の気持ちしかない」と語った。大きな目標だったライブは終わったが、ここからがスタートだ。「Dreamin’」の歌詞の最後の一節、<ねぇ、まだ願えば叶うから>という言葉を胸に、強さとしなやさかを併せ持つ次世代の歌姫は、これからも歌い続けていく。

TEXT BY 田中久勝
PHOTO BY @ kamiiisak


【ライブオトネタ】
草ケ谷遥海

Zepp 20th Anniversary Special LIVE FUNDING“Road to Zepp” 草ケ谷遥海フリーワンマンライブ
2018年4月19日@Zepp DiverCity(TOKYO)

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