ファンキー加藤自身が情に深いからこそ。日本でいちばん観客に励まされるアーティスト【ライブオトネタ】

「ただいま!」という言葉がふさわしい、特別な場所での特別なライブ

今年も変わらぬ「おかえりなさい!」の声に迎えられ、開演前からテンション高めのにぎやかなファンたちと一緒に会場へ向かうゲートをくぐる。

2月25日、日曜日、エスフォルタアリーナ八王子。6回目となるファンキー加藤ワンマンライブ『I LIVE YOU』の舞台は、彼のふるさと、八王子に新設されたスポーツアリーナ。まさに「ただいま!」という言葉がふさわしい、特別な場所での特別なライブだ。

派手な爆発音と煙の中、ステージ下からポップアップで登場したファンキー加藤は、1曲目「リスタート」からフルスロットルでぶっ飛ばす。2曲目で早くもアンコール定番の盆踊りEDM「太陽おどり~新八王子音頭~」が飛び出し、ネルシャツの背中に描いた“八王子”の文字を背負ってステージを爆走。CDでは繊細な切なさが伝わる「輝け」も、「輝けコノヤロー」と改題したいくらい、絶叫を交えた激しいボーカルでガンガン攻める。

「太陽の街、八王子へようこそ!」

ファンキー加藤にしか歌えない、リアリティを持った等身大の言葉

昨日に続く2デイズの2日目ということで、「若干の腰痛、肩の痛み……」とつぶやいて笑いを誘い、開き直って「行けるか八王子!」と煽る加藤に「頑張れ!」の声が飛ぶ。日本でいちばん観客に励まされるアーティスト、ファンキー加藤は健在だ。「中途半端なスター」では田中隼人の華麗でグルーヴィーな鍵盤さばきが曲に躍動感を与え、「終わらない未来」ではバカムスコ翔が気迫満点の激しいコーラスで盛り上げる。サポートメンバーふたりも、このライブにかける思いはまったく同じだ。

中盤のハイライトは新曲「おーい友よ」で、フォークソング調のメロディに乗せ、懐かしい友とのやりとりをそのまま歌にした、切なさと温かさでホロリとさせる歌詞が良い。柔らかいレゲエのリズムの「走れ 走れ」も、“あの頃”と“今”を対比させ、それでも生きていくよと力強く歌う、ファンキー加藤ならではの同世代への応援歌。言葉の一つひとつから、積み重ねた経験がたしかなリアリティを持って響いてくる。

中盤のお楽しみタイムでは、子供の頃や学生時代の、レア写真をネタにした無理難題の三択クイズ。さらに謎の自作マンガを紹介して満場の苦笑を誘い、ひと息ついてライブは中盤へ。過去三作を繋げた「急性ラブコール中毒メドレー」でにぎやかに盛り上がったあとは、この日この場所で誰もが聴きたかった、初期のFUNKY MONKEY BABYS楽曲の三連発だ。「ALWAYS」では、あの頃と同じように全力疾走し、「恋の片道切符」ではミラーボールが回る下で、ひたむきな恋心を熱く歌い上げる。さらにファンモンのデビュー曲「そのまんま東へ」と、八王子の思い出がたっぷりと詰まった楽曲がずらり。長年ファンキー加藤を応援し続けてきた、ファンたちへの何よりのプレゼントだ。

「俺の居場所、そこに今立っている気がします。この空間がみんなにとって幸せなものなら、ずっと大切に守っていこうと思います」

この会場の近くにあったディスカウントストアで、かつて一年間の社会人生活を送った経験を語り、若き日の自分と今とを重ね合わせるMCが胸に沁みる。そして、ロックバラードとエモーショナルな歌唱とで、ファンキー加藤の新しい扉を開いた「本当のこと」から、永遠の名曲「あとひとつ」へ。時代も言葉も歌もまるで異なるのに、胸に湧き上がる感動がとても近い。急転直下、生々しいバンドサウンドで突っ走る「冷めた牛丼をほおばって」で一気にテンポを上げ、「ちっぽけな勇気」では、声が涸れてガス欠寸前に追い込まれながらも、ステージ左右へと走りまくる姿を4000人の観客が、振り上げた手と大歓声で後押しする。そして本編ラストを飾ったのは、観客の大合唱がメインボーカルと言ってもいい、「My VOICE」だった。

「ずっと一緒に歌い続けて、夢見続けていきましょう!」

「俺の大好きな街、八王子に来てくれてありがとう!」

アンコール。まさかのアリーナ横入口から乱入したファンキー加藤、ショルダーキーボードを持った隼人、スモークマシンで武装した翔が、アリーナ後方のサブステージではなく、ただの脚立の上で歌うという、まさかの屋内ストリートライブ状態にファンは大喜び。続けて最新曲「失恋の詩」も、フルバージョンのMV付きで聴くことができた。

「励まし合う関係を、これからも続けていきたい。それが僕のいちばんの夢です。これからもよろしくお願いします」

曲は「Lovin’ Life」。久々に聴いたが、遥かな慕情と、胸に迫る感傷のみずみずしさはあの頃と変わらない。そして本当のラストチューンは、観客のみならず、スタッフも全力でタオルを振り回す「まわせ!」だった。人生は一度きり、おまえが主役だろ。文字に書くと照れ臭いほどありふれた言葉に、めいっぱいの言霊を込めて歌い叫ぶ。燃料タンクの最後の一滴まで振り絞った、2時間40分の完全燃焼だった。

「俺の大好きな街、八王子に来てくれてありがとう!」

3月からは“全日本フリーライブツアー~超原点回帰~”が、そして10月からは3度目となるホールツアーの開催も、この日初めて発表された。ライブ三昧の日々に原点回帰し、もう一度あらたな高みを目指すファンキー加藤の冒険はまだまだ続く。ファンキー号の乗組員のひとりとして、これからもどこまでも、まだ見ぬ景色を共に見に行くつもりだ。

PHOTOGRAPHY BY 堂園博之
TEXT BY 宮本英夫


ファンキー加藤
I LIVE YOU 2018 in HACHIOJI
2018年2月25日@エスフォルタアリーナ八王子

SETLIST

01.リスタート
02.太陽おどり~新八王子音頭~
03.輝け
04.中途半端なスター
05.終わらない未来
06.おーい友よ
07.走れ 走れ
08.急性ラブコール中毒メドレー
09.ALWAYS
10.恋の片道切符
11.そのまんま東へ
12.本当のこと
13.あとひとつ
14.冷めた牛丼をほおばって
15.ちっぽけな勇気
16.CHANGE
17.My VOICE
[ENCORE]
01.MUSIC MAGIC
02.失恋の詩
03.Lovin’ Life
04.まわせ!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事を書いた人