篠田麻里子の濡れ場も話題。でもお薦めしたいのはボコボコの桐谷健太の眉間?

活動第40回[後編] 『ビジランテ
参加部員:小出祐介(Base Ball Bear)、世武裕子、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)

Base Ball Bearの小出祐介が部長となり、ミュージシャン仲間と映画を観てひたすら語り合うプライベート課外活動連載。今回は、大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太出演の『ビジランテ』。当連載、こんな映画を観るのが続いてますが……。

この映画を観ての総括で唸る小出部長はコチラから

 

入江監督と自分が合うか合わないのかに興味が出てきた

小出 行政に関する表と裏を横並びにしてしまったことで、弱くなっちゃったのは二郎の奥さん(篠田麻里子)の役割だと思うんだよね。篠田さんの芝居がすっごい良かったから、それだけに惜しい。

レイジ たしかにそうですね。

──あの奥さんは、夫の二郎を地方政界のなかで出世させようと動く表と裏のハブ(連接部)ですからね。

小出 あのエロいシーンはエロいだけじゃなくて、「この人はここまでやるんだ」っていうのを観客に察知させる大切な意味があるでしょ? それが薄れちゃうのが本当にもったいない。もしかしたら、映画に要素が渋滞してるのかなぁ。

レイジ 結構具体的に「提案」が出てくる映画ですよね。「あそこはこうしたほうが良い」とか。ただそれもあくまで、俺らの感覚に過ぎないんですけど。

小出 そうなんだよね。だから今話してることは、僕らの理想の『ビジランテ』なのかもしれない。

レイジ 俺の印象としては、すごく良い食材とレシピがあって、きちんとしたコックさんが作ったものを、なぜか紙皿で食べてるというか(笑)。

──面白いニュアンスですね(笑)。

レイジ おいしいんだけど、ここまで作るんだったらきちんとしたお皿で食べたいなっていう。ここまで前半良い組み立てができているなら、最後も良い組み立てで渋めに終わってほしいというのが、こちらのリクエストで。

小出 僕の感覚でいうと、たしかにおいしい酢豚だったけど、素材の切り方とか、味の濃さとか、とろみの感じとかが、ちょっと好みじゃない。

レイジ 好きな食べ物なんだけどレシピが違うってことですね。

世武 ああ、そうだ。特に私は、好みの問題っていうのは今回大きいですね。でもこうやって話してると、自分が入江監督と合うか合わないのかに興味が出てきたな。『22年目の告白』観てみよう。

 

般若さんすごかった

──前回観た『全員死刑』もそうですけど、地方のリアル暴力ものっていうのは、ここ数年、日本映画の若手を刺激しているジャンルかもしれません。一見平穏で退屈な日常の裏に、いつでも犯罪に直結するハードコアな温床や混沌があって、その両者は実は地続きなんですよっていう世界像。

レイジ なんか「反動」を感じますよね。表向きはSNSが主流の世の中だから、自分らの表現ではものすごくフィジカルなものを描きたい、というか。

世武 いろいろ抑圧の多い窮屈な世界なんで、ある種の解放を目指したらそっちに行くのかもしれない。正直、個人的には「またか」みたいな感じはあるんですよ。ただ時代の気分的に、作り手にも求められているテーマというか題材ではあるんだろうなあって。

レイジ 地方のリアリティーに関して言うと、俺は生まれも育ちも東京なんですけど、2~3歳のときは茨城県の下妻市で過ごしていて。『下妻物語』(2004年)のあの下妻。だから『ビジランテ』のガランとして人がいない感じも、すごくわかります。場所によっては本当にそうですし。

小出 もし銃声がパーンって鳴っても気づかない?

レイジ 「あ、なんだろうな」で流しちゃう感じ。あくまで想像ですけど。

世武 それはわかる。人がいないのって怖いですよね。

──地元のヤクザ役の般若さんとかは、その怖さに同期する生々しさがありましたね。

小出 般若さんすごかった。

レイジ 下っ端のちょっかいの出し方がすごくリアルでした。

──ちょっかいパンチにフェイント入れる、みたいな。あのフェイントすることで、この遊びよくやってますっていうのが一発でわかる。

レイジ 殴りの演技がものすごくうまかった。

小出 役者さんは総じて良かったと思います。篠田麻里子さんも、一郎の彼女役の間宮夕貴さんも、エロいことにすごく意味があった。あと、ボコボコにされた桐谷健太さんの眉間が大好きな人にはたまらないかと。

レイジ 桐谷健太好きにはおすすめの映画だなと思います。表裏というか、静かな桐谷さんも見られるし、ワーっとなってる激しいのも。

小出 甘えんぼさんの桐谷さんも見られるし。

レイジ 結局殴り合っても、優しくてコーヒー渡しちゃうみたいなところもいいし、あと前半の静かに黙ってるときも良い顔立ち。いろいろな角度から桐谷健太が見られて良かったですよ。

TEXT BY 森 直人(映画評論家/ライター)

告知!! J-WAVE(81.3FM)の年越し特番(2017年12月31日(土)23:00〜)は、ハマくんがメインナビゲーターに。その中でラジオ版「みんなの映画部」をやります。部員全員で2017年のマイベスト映画を話します。お聴き逃しなく!

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