「ビートルズファンを敵には回せない」と世界的三味線奏者・吉田兄弟が腹を括った映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』

吉田兄弟 × 映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』

三味線を操る少年・クボが主人公の映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』の日本語吹き替え版で主題歌を担当した、吉田兄弟の公開直前インタビューを公開。


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三味線を持った主人公が出てきてくれたことに「ありがとう!」

──今回、映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』の日本語吹き替え版で主題歌を担当されていますが。

吉田健一 スタジオライカさんから「吉田兄弟」と言ってもらえたことが非常にうれしかったですね。映画を観てみると、制作側が美しいと思った日本の情景をそのまま映像として描いていただいているんだなと思いましたし、そこにもすごく感動しました。

主題歌は誰もが知っているビートルズの「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」ですから、もし、「音楽だけを聴いた」という方がいた時に、彼らにも納得してもらえるものにしないと、というのは非常に強く感じていました。

実際、かなり細かく考えてアレンジさせていただいています。ビートルズファンを敵には回せないから(笑)。

吉田良一郎 元々の曲を聴いた時、津軽三味線ならではの表現ができるんじゃないかという思いがありました。力強さだったり、最後駆け上がっていく曲調だったり。

そういった“津軽三味線の良さ“を落とし込んで、最後までしっかり弾きあげたい、と思っていたかな。

あと、映画自体の話になってしまいますが、三味線奏者として……三味線を持った主人公が出てきてくれたことに「ありがとう!」という気持ちになったのが正直なところです(笑)。

ストップモーションという方法でかなり細かい質感を表現されてり、研究され尽くした“日本“が描かれていて感動しました。

津軽三味線って、「一の弦が父の音色・真ん中の弦が母の音色」と言われることもあって、物語と三味線がきちんとリンクしている部分にも驚きましたし。

日本の文化って、自分たちが思っている以上に海外から注目を浴びていたんだな

──本作は海外作品ですが、日本文化を大きなテーマとして扱っています。おふたりは三味線で日本文化を海外へ発信していますが、思うことはありましたか?

健一 半分残念(笑)。日本人である僕たちが、カッコ良いと思う日本を外に出すのが正しいやり方だと思うんです。先にやられたという気がしちゃいましたね。

ただ、楽曲提供という形で、こうやって自分たちが携わることができて本当に良かったと思いますし、制作スタッフの方々にも納得していただける形で曲をアレンジすることができてうれしく感じました。

良一郎 本作が海外から見た日本の魅力をぐっと入れ込んでくれていたので、日本の文化って、自分たちが思っている以上に海外から注目を浴びていたんだなと思いました。

日本人が知らない日本の良さ……外から見る日本の魅力ってこういうところなんだなと。映画を通して、観客の皆さんにも改めて日本の魅力を感じてほしいです。

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──実際のレコーディングはいかがでしたか?

健一 元々の曲はメロディアスな印象が強かったので、力強さを表現しつつ他の楽器とのバランスをみて“リズム”を出していきたいと思っていました。そこに関しては、全員で共有して相談しながら進めていましたね。

ビートルズの曲って、マイナーからメジャー、メジャーからマイナーという作りが多いんですが、実は三味線ってメジャー音階が不得手だったりするんです。なので、それをどう表現しようかな、と。

バチの弾き方にまで細かくこだわって、ふたりで話し合いながらレコーディングしました。かなり意識しましたね。

健一 古き良き日本の描写が素晴らしい映画。独特だけど、ぬくもりを終始感じられる作品ですし、そこに負けないように三味線も頑張りました(笑)。

家族や勇気、人の生き様みたいな力強さが描かれていますが、三味線でもそれが表現できたかなと思います。

良一郎 あとは、タイトルの“二本の弦の秘密”という部分にも注目してほしいですね。三味線って弦は二本じゃなくて、三本。どれくらいの人がそこに気づくのかな(笑)。


映画情報

2017.11.18 公開
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』
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