TETSUYAの音楽家、ボーカリストとしてのソロ15年の軌跡【ライボレポート】

TETSUYA
15th ANNIVERSARY LIVE
2017年8月26日@昭和女子大学 人見記念講堂

8月25日・26日、昭和女子大学 人見記念講堂にて、ソロ デビューから丸15年を迎えたTETSUYAの『15th ANNIVERSARY LIVE』が行われた。

26日は、2001年のソロ デビューから現在までが詰め込まれたオープニング映像から幕を開けたのだが、TETSUYAが積み重ねてきたソロ活動史を懐かしそうに眺めるオーディエンス。彼の音楽と共に歩んだであろう、各々の記憶も一緒に呼び覚まされているのだろう。めまぐるしく変化する目の前の映像の一つひとつに大きな歓声を上げていた。

TEXT BY 武市尚子
PHOTOGRAPHY BY 緒車寿一


TETSUYAがこの日の1曲目に選んでいたのは、最新シングル「愛されんだぁ I Surrender」。グラムロックを思わす、いなたいサウンド感と広がりのあるキャッチーなサビの融合が、あらたなTETSUYA節を生み出したこの楽曲のリズムに、オーディエンスはクラップを重ねる。

一方、TETSUYAは同曲で描く“愛しい相手に、愛しさが伝わらないじれったさ”を体現するかの様に、地団駄を踏みながら歌い、歌詞が物語る情景をより立体的に魅せた。

気だるいメロディを引き立たせるルーズな歌唱や、“魅せる”ことを意識したボーカリストとしての吸引力の高いパフォーマンス力は一瞬にしてオーディエンスをTETSUYAワールドへと引き込んでいく。

TETSUYAがリーダーを務めるL’Arc~en~Cielは今年26年目を迎えるが、同バンドではベーシストである。ゆえに、ボーカリストとしての歴史は、ソロを始めてから。つまり、この日は、TETSUYAにとっては丸15年というボーカリスト歴の成長を見せつける時間でもあったのだ。2曲目に届けられた「Fantastic Wonders」での声の張りと伸びは、“ボーカリストTETSUYA”としての実力を証明していた瞬間であったように思う。

華やかなイントロに、少し切なさを含んだ低めのキーの歌い出しを持つ「REVERSE」では、力の脱けた自然体な歌声を届け、どっしりと構えた低音と激しさを宿す「蜃気楼」では、TETSUYAのサウンドを担うJuicy-Bananasのメンバーとの艶やかな絡みも見せつけ、前3曲で魅せたキャッチーな世界観をすっかり塗り替えてしまうほどのダークなサウンド感でオーディエンスを別世界へと誘った。

MCを挟み、“久しぶりの曲です”という曲紹介から始まっていったのは「Pretender」。この曲は1stアルバム『Suite November』からの選曲である。この日は、「TIGHTROPE」以外の『Suite November』収録曲が届けられたこともあり、より、TETSUYAの歴史を感じさせられたのも、特筆すべき点であったように思う。「Pretender」からの流れで届けられた、詩的な歌詞とギターのロングトーンが美しく響く「SCARECROW」も、TETSUYAの音楽家としての思慮深さを感じさせるものだった。

また、この日届けられたTETSUYAの10枚目のシングルであり、L’Arc~en~Cielのアルバム『SMILE』の収録曲「Time goes on」のセルフカバー「Time goes on 〜泡のように〜」の歌唱は、美しく声を伸ばし、自然なファルセットを届けることで、今まで以上に素晴しい完成度の高さを見せつけた。

この「Time goes on 〜泡のように〜」から「In My Heart」へ、そして、MCを挟んでのデビュー曲「wonderful world」への流れは、彼の生み出してきた音楽とそのセンスからなる、独自のエンターテインメント性を強く感じずにはいられなかった。

TETSUYAのライブは、そんな楽曲の良さの再認識はもちろんのこと、普段は手の届かない存在である彼の素顔が垣間見られることも魅力だ。Juicy-Bananasのバンドインストを挟んで届けられた後半戦では、「Roulette」の曲中で展開されるお馴染みの“サイコロトーク”でオーディエンスを盛り上げていった。

この日は、ルーレットの標的となったTETSUYAが“ちょっとHな話”をすることになったのだが、「僕、Hな話は事務所NGなので」とうまく交わし、オーディエンスを笑わせる場面もあり、ここでしか見ることのできない自然体なTETSUYAに、大きな歓声が沸いた。

そして、この日のアンコール。私は“15周年という特別な景色”を見た気がした。

それは、「15 1/2フィフティーンハーフ」でのこと。TETSUYAが、美しいメロディに乗せ“叶わないものなんて 何もないと信じて歩いてゆく ずっと見守ってね”という言葉を歌った瞬間。オーディエンスは、その言葉をしっかりと受けとめるかのように両手を高く掲げ、共にその言葉を歌ったのだ。

TETSUYAとファンたちは、いつまでも色褪せることはない未来を想い、共に声を重ねていたに違いない。

この先もTETSUYAが、“唯一無二の美メロメーカー”として、20年、25年、30年と、真の音楽家人生を貫いていってくれることと、オーディエンスと共にこの特別な景色を重ね続けていってくれることを、心から願って。丸15周年に“おめでとう”。

SETLIST

01.愛されんだぁ I Surrender
02.Fantastic Wonders
03.REVERSE
04.蜃気楼
05.Pretender
06.SCARECROW
07.Time goes on ~泡のように~
08.In My HEART
09.wonderful world
10.WHITE OUT
11.EDEN
12.empty tears
13.何があっても
14.Can’t stop believing
15.Roulette
16.Are you ready to ride?
[ENCORE]
01.Make a Wish
02.15 1/2フィフティーンハーフ
03.流れ星

※「15 1/2フィフティーンハーフ」の「1/2」は縦組分数が正しい表記です。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人