三浦大知、V6、ゆずらが出演。ミュージックステーションで知る、今のJ-POPシーン

音楽ブロガー・レジーが、「ミュージックステーション」の放送内容を基に最新のJ-POP事情についてお届けする連載「月刊 レジーのMステ定点観測」。[前編]ではゴールデンボンバーとAKB関連グループについてお届けしましたが、[後編]ではこちらの話題からどうぞ。

 

やはり90年代は強い(1):エレファントカシマシ

[前編]でお届けしたゴールデンボンバーの楽曲タイトルが1998年に反町隆史が発表した「POISON ~言いたい事も言えないこんな世の中は~」をもじっていることからもわかるように、90年代のJ-POPは2010年代のシーンに多大なる影響を与えています。31日の3時間スペシャルでは、そんな時代を支えた面々が多数登場しました。

ゴールデンボンバーのパフォーマンスを唖然とした表情で眺めていたエレファントカシマシの面々。デビュー30周年を記念したオールタイムベストアルバムのリリースに合わせて31日のMステに出演した彼らは、知名度向上のきっかけになった1996年の名曲「悲しみの果て」を披露。

この日のMステは様々なアーティストのデビュー時の映像を流すという企画が行われており、エレカシの過去のライブ映像も紹介されていましたが、最近のロックフェスなんかとはまったく違う緊張感のある空気が漂っているところに時代の移り変わりを感じました。

歌唱前のトークでは相変わらず落ち着きのない挙動不審ぶりを発揮していて、タモリから「あの……話すの苦しい?」と突っ込まれていました。

 

やはり90年代は強い(2):Cocco

エレカシが「悲しみの果て」でブレイクの足がかりを掴んでから1年後の1997年にデビューしたCocco。31日のMステではデビュー曲である「カウントダウン」をテレビ初披露しました。

歌唱前のトークでは、その歌詞の過激さゆえレコード会社的には日本での取り扱いが難しかったこと、そんな状況を逆手にとってアメリカで先にライブで演奏して評判を作ったことなどが語られていましたが、大人の良識的な判断でCoccoのような才能が潰されなくて本当に良かったです。

轟音ギターにエキセントリックな歌詞と激情的なボーカルが乗る「カウントダウン」のフォーマットは発表から20年経った今でもたくさんのフォロワーに受け継がれています。

やはり90年代は強い(3):ゆず

「カウントダウン」からさらに1年後の1998年にメジャーデビューを果たしたのがゆず。それ以前から横浜・伊勢佐木町での路上ライブで名を馳せていた彼らにはすでにたくさんのオリジナル曲がありましたが、31日のMステではその当時の楽曲の「贈る詩」と最新曲「タッタ」を披露。

「贈る詩」は元々路上ライブにおいて誕生日のお客さんに向けて歌われていた曲とのことですが、この日も観客の中から最近誕生日だった人を見つけてその方の名前を歌詞に入れ込んでパフォーマンスするという大サービスでした。

デビュー当時は「古くさいフォーク調の弾き語りを現代的にした」といった飛び道具的な扱いだった印象のあるゆずですが、今では立派なJ-POPレジェンドのひと組として確固たる地位を築き上げました。いきものがかりからクリープハイプ、ceroまで、ジャンルの垣根を越えてゆずの遺伝子が至るところに根づいています。

海の向こうの風(1):三浦大知

「日本のポップミュージックは世界のトレンドと断絶している」というのがここ数年よく言われていることですが、最近になってその傾向も変わりつつある雰囲気があります。3月のMステでもそんな兆しを感じることができました。

31日に出演した三浦大知が披露したのは最新アルバム『HIT』のリードトラックになっている「Darkest Before Dawn」。EDMテイストのアッパーなサウンドにアコースティックな音を組み合わせるという手法は海外のシーンにおいてすっかり定番化しているもの。

『HIT』という作品自体が世界におけるメインストリームの音楽を射程に入れたアルバムになっていますが、この曲はその精神をいちばんわかりやすく伝えている楽曲です。この日は曲のラスト部分で客席に降りてパフォーマンスするというスペシャルステージでした。

海の向こうの風(2):V6

17日のMステに出演して新曲「Can’t Get Enough」を披露したのがV6。デビュー時からユーロビートに取り組んだり西寺郷太(NONA REEVES)をフックアップしたりと音楽的なチャレンジを都度行っている彼らですが、今回の曲はアメリカの現行R&Bの空気を思いっきり持ち込んだものになっています。

ファルセット多めのボーカルも新境地なのではないでしょうか。あくまでも単発の企画ものなのか、この路線を今後も推し進めていくのか、舵取りに注目したいところです。

 

次回のMステは4月14日。欅坂46が新曲「不協和音」をパフォーマンスすることに加えて、大きな話題となったアニメ『けものフレンズ』の主題歌「ようこそジャパリパークへ」も披露される予定です。それでは来月もよろしくお願いいたします!

TEXT BY レジー(音楽ブロガー/ライター)

 

【2017年3月17日放送分 出演アーティスト】
乃木坂46「インフルエンサー」
加藤ミリヤ/屋比久知奈「どこまでも ~How Far I’ll Go~」
V6「Can’t Get Enough」
木村佳乃「君を呼ぶ場所」
flumpool「ラストコール」
Anly+スキマスイッチ=「この闇を照らす光のむこうに」
三代目 J Soul Brothers「HAPPY」
尾崎裕哉「サムデイ・スマイル」
ピコ太郎「I love you~アフリカの風に乗せて~」「ペンパイナッポーアッポーペン2017~春~Ver.」

【2017年3月31日放送分 「MUSIC STATION 3時間SP」出演アーティスト】
坂道AKB「誰のことを一番 愛してる?」
三浦大知「Darkest Before Dawn」
CHEMISTRY「PIECES OF A DREAM」
藤巻亮太「3月9日」
ゴールデンボンバー「#CDが売れないこんな世の中じゃ」
エレファントカシマシ「悲しみの果て」
Kis-My-Ft2「Tonight」
関ジャニ∞「なぐりガキBEAT」「がむしゃら行進曲」
ゆず「贈る詩」「タッタ」
Cocco「カウントダウン」
三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「MステSPメドレー ~THE JSB WORLD~」
尾崎裕哉「卒業」「27」
AKB48「小嶋陽菜 Mステ卒業メドレー」
浜崎あゆみ「TO BE」「ourselves」
X JAPAN「La Venus」「紅」

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