暁月凛が二次元に入り込みすぎてしまったのは、“もののあわれ”なる揺るがない美意識のせい

暁月凛

2月15日に2ndシングル「コノ手デ」をリリースした、暁月凛。“もののあわれ”に惹かれるあまり、生きづらさを感じることもあった彼女。ただ、そんな生活のなかで拠りどころになったのが“歌の存在だった。

INTERVIEW & TEXT BY 武市尚子


好きなものには目がない、とことん情熱的な人

──凛ちゃんは、自他ともに認める“アニメオタク”なんだとか?

暁月凛 はい。恥ずかしながらも、相当なオタクです! 立派なアニメオタクです!

──オタクということで、疎外感を感じているって本当?

暁月凛 そりゃぁそうでしょう(笑)。

──でも、いろんなジャンルにオタクは存在するけど、オタクってその魅力をとことん追求する人だから、すごいと思うんだけどな。

暁月凛 マニアですからね(笑)。好きなものには目がない、とことん情熱的な人だと思います。アニメオタクも、アニメの美しさを知っている人たちだと思いますからね。オタクだからアニメが好き、なのではなく、アニメが好きだからオタク、なんですよね。

好きすぎることをオタクと言う。つまり、私はアニメが好きすぎて今に至るんです。本来疎外感を感じることは特にないとは思うんですけど……好きすぎることで問題が発生する、というとこなんですよね。

──恋ができなくなったり?

暁月凛 まさしく(笑)! まったく現実社会において恋ができなくなってますから(笑)。感覚が二次元に入りすぎてしまっているので、三次元が見れないというか。二次元的な美を。細くて、背が高くて、手足が長くて、それから……。

──あぁ、もう重傷だわ。

暁月凛 そうなんです、重傷なんです(笑)。CLAMP(日本の女性漫画家集団)さんの罠にハマりまして(笑)。中学生の頃に「コードギアス 反逆のルルーシュ」にハマり、それからというもの、妄想人生なんです。私の人生、CLAMP様様なんです!

いわゆる“良い子”ではなかった

──自覚症状が出たのはいつ頃? って、診察みたいだけど(笑)。

暁月凛 小学6年生の頃からアニメという素晴しいワールドに引き込まれましたね。子供の頃から孤独を感じていたんですけど、そこでアニメという世界を知って、どっぷりと浸りました。

──小学生で孤独を感じていたの?

暁月凛 何をするにもちゃんと意味を理解したうえで行動したかったので、いわゆる“良い子”ではなかったと思います。子供らしい素直さがなかったから、孤独だったのかもしれませんね。

記憶にあるのは小学3年生の頃に先生に宿題をやらなくて叱られたときに、「どうして宿題をやらなくちゃいけないんですか!?」って言っちゃったり(笑)。
とにかく孤独だったので、つねにそればかりを考えて生きてきました

──(笑)。デビューのきっかけになったのはオーディションだよね?

暁月凛 はい。元々アニメが好きでアニソンを好きになり、歌ってみようと思って「ニコニコ動画」の“歌ってみた”を投稿するようになりました。それでオーディションを受けたら、たまたま受かってしまって。まだ自分がこうやって歌えていることが、信じられないくらいなんです。夢のまた夢だったので。

でも、私は小さい頃から合理的な考えをしていたので、何かしらアニメに関わる仕事に就きたいとは考えていました。いちばんは大好きなアニメの歌をうたうことだったんですけど、それが叶わなかったら何でもいいからアニメに関わる仕事をしたいって。

とにかく孤独だったので、つねにそればかりを考えて生きてきました。

──なるほど。アニメやアニソンは、孤独を忘れさせてくれるものでもあったの?

暁月凛 アニメもアニソンも、その作品を通して人と一瞬でも気持ちを共有できる、私にとっては唯一の温もり。幸せを感じられるものなんです。というのも、私は妄想するのが大好きでして。異世界に対する愛です。

それに今では自分の歌を聴いて好きになってくださったり、ライブやイベントに会いに来てくれる方もいて……本当に尊いことだなって思うんです。縁ですよね。

自分は孤独じゃないと、美がわからなくなりそう

──凛ちゃんは、いっぱいの愛に包まれながら、孤独感が強いばかりに、その愛を受け入れるのをすごく怖がっているように感じるけど?

暁月凛 きっと、そうかもしれないです。“もののあわれ”が好きなので、幸せになったら、美がわからなくなってしまうんじゃないか? って怖いんです。崩れてしまいそう……自分は孤独じゃないと、美がわからなくなりそうで。

──それは、歌ううえでも必要だと感じていることでもあるの?

暁月凛 そうですね。毎日楽しい生活をしてたら、美を感じられなくなってしまいそうで怖いんです。不安というか。
オープンなんだけど、ロンリーなんです(笑)。

──今回のシングル「コノ手デ」は、TVアニメ「青の祓魔師 京都不浄王篇」のエンディングテーマでもあるけど、今の凛ちゃんの気持ちそのものでもある感じがするよね。

暁月凛 わかってらっしゃる!

──音色へのこだわりも感じられる曲だよね。

暁月凛 大好きな編曲家さんが手がけてくださったこともあり、サウンドはもう言うことない! っていうくらい気に入ってます。個人的にドラムにはすごくこだわりがあるんですけど、この曲のドラムは質感を大事にした、すごく好みの音なので、じっくりと聴いていただけたらと思いますね。

カップリングの「星を辿る道」も、実は私にとって孤独な歌なんですよ。時間には、過去も未来もないと思っているんです。過去も未来も現在ではないじゃないですか。人間って現在しか感じることができないから、過去になったものと、未来って、同じなんじゃないかなって。過去にお別れした永遠に会えない人と、未来に会えるかもしれないと勝手に望みながら、でもそれが真実ではないと嘆いている感情というか。そこにすごく共感しています。

──この先の暁月凛の目標は?

暁月凛 作詞もしていきたいですし、孤独じゃなくなって、それでも美しさを感じられて、美しい歌をうたうことのできる未来だったら良いなって思ってます。私は孤独でありながらも、心を閉ざしているわけではなく、オープンなんだけど、ロンリーなんです(笑)。

あとは、昔、Kalafinaさんのライブを観に行ったことのある、国際フォーラムでライブをしたいです! 音響がすごく良くて、そのとき、“絶対いつかここでライブしたい!”って思ったんです。身の程知らずと笑わずに、いつかその舞台に立てるように、応援してください。


プロフィール

アカツキリン/3月29日生まれ。2015年、大型オーディションでグランプリ獲得。2016年3月にシングル「決意の翼」でメジャーデビュー。

オフィシャルサイト


リリース情報

2017.02.15 ON SALE
SINGLE「コノ手デ」
Sony Records

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