【GG】THE ORAL CIGARETTES・山中拓也、大人嫌いだったからこその現在

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ラジオのDJ、VJとして活躍するジョージ・ウィリアムズと“年齢”にフォーカスを当てて語り合う「George’s Generation(ジョージズ ジェネレーション)」。


第3回ゲスト:山中拓也(THE ORAL CIGAERETTES)

11月16日にシングル「5150」をリリースするTHE ORAL CIGARETTES(以下、オーラル)の山中拓也(vo、g)が登場。学生時代に大人への反抗から自主レーベルを立ち上げた経験もある彼ら。そこからデビューへ至った経緯は意外な運命性を感じるものだった。紆余曲折を経て、バンドとしてのステージを駆け上がってきたオーラルが、これまでの活動を振り返る。

TEXT BY 佐藤愛美


死ぬほど泣き虫でした

ジョージ・ウィリアムズ じゃあ、まず山中さんの生い立ちから探っていこうかな! どんな子供だったの?

山中拓也 死ぬほど泣き虫でした。幼稚園の頃、母親が帰ろうとすると1時間半くらい泣き止まなくて(笑)。それを小2くらいまで引きずってて。当時僕、キノコみたいな髪型してたんですけど、父親が「それがよくない」って言って、すごく短髪にされたんですよ。そうしたらなぜか、泣き虫が治まって!

ジョージ 今あんな大きいステージに立って大勢の前でライブをやってるなんて信じられないね(笑)。

山中 小学校高学年ではクラスの学級委員になったりして、人の前に立って引っ張っていく楽しさみたいなものを覚えた気がします。

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山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)

きっかけを与えてくれたのはL‘Arc~en~Ciel

ジョージ その頃、音楽に触れ合える環境にはいた?

山中 5つ年が離れた兄が音楽好きで、その勧めで小2の時にL’Arc~en~Cielと出会ったんです。その兄がなぜか僕が貯めてたお年玉を勝手に使ってベースを買って(笑)、それを僕にくれたんです。泣きましたけど、僕の金で買われたベースだから、やるしかないなって。

※以前、動画連載「5秒で答えて」に登場していただいた際も話題に出ていました。

山中 当時は兄のセッション相手でL‘Arc~en~Cielのコピーから始めて、難しいけど楽器演奏するのはすごく楽しいって思って。今でも曲を作っててやっぱりルーツだなって感じるときもありますよ。

ジョージ そのあとメンバーを集めて、バンドをやり始めたきっかけはなんだったの?

山中 同じマンションに住んでた女の子がGLAYが大好きだったんです。その子とバンド組みたいねって話していて、当時仲良かった子をそれぞれ連れてきてバンドを組みました。中3の文化祭が初ライブですね。

ジョージ 青春だね。初ライブどうだった?

山中 うちの中学校、B-BOYが流行っていて、僕ももうひとつの音楽のルーツとしてEMINEMがあるんですけど。ヒップホップ好きのやつらにロックを見せるっていうのは、すごく緊張しました。でも実際やってみたら、すごい盛り上がってくれて。初めて、人に合わせるんじゃなくて、自分にみんなが合わせてくれたっていう楽しさがあって。

ジョージ・ウィリアムズ

ジョージ・ウィリアムズ

自主レーベル立ち上げ、メンバーの変遷

ジョージ で、19歳のときには自主レーベルを作ったじゃないですか。早いよね。何がきっかけだったの?

山中 昔、大人が大っ嫌いだったんですよ(笑)。言いくるめられるバンドは嫌だし、全部自分たちでやろうと。そのときにオーラルの基礎ができたかな。

ジョージ その間、メンバーの変遷があったと思うけど、今のメンバーに落ち着いた理由は?

山中 僕は高校で、あきらかにあきら(b)ともうバンドを組んでたんですけど、シゲ(鈴木重伸/g)も実は幼馴染で、彼ともバンドを組んで僕が2バンドを掛け持ちしてる状態でした。オーラルは大学2年生のときに組むことになって、そこであらためてシゲを誘ったんです。

その時点では別のドラマーがいたんですけど。僕が2012年に大病にかかって1ヶ月半くらい入院したそのあとに脱退しちゃったんです。それと同時期に、まさやん(中西雅哉/ds)がやってたバンドも解散することになり、元々仲が良かったのもあって声をかけさせてもらいました。

ジョージ そのあとはみんな一緒に住んでたんでしょ?

山中 最初はムリやなと思ってたんですけど、住んでみたら意外と心地よくて。4人のバランスがすごく良いんだなってわかりましたね。というのも、僕とあきらってワガママなんです(笑)。

でも、シゲは料理作ったり掃除してくれたり、まさやんは年上で知識が豊富だから、わからないことを質問すると「こうやればいいよ」って教えてくれて。まさやんはお父さん、シゲは母親、僕とあきらは子供(笑)。

ジョージ なるほどね(笑)。

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23歳 メジャーデビューへ

ジョージ でも、デビューしたっていうことは信頼できる大人が現れたってことだよね。

山中 元々、自分たちで2年先までのスケジュールを組んでいて。その未来図に、「A-Sketch」と「HIP LAND MUSIC」っていう会社が上がってたんです。なんでかっていうと所属しているアーティストのPVを見たり、活動を見ていたときに、“もしかしたらここには信頼できる大人がいるかもしれない”って思っていて。

ジョージ へええ、すごいなあ!

山中 すごくいいタイミングで「MASH A&R」っていう、どっちの会社も携わってるオーディションを見つけて。“こんな僕らのためのオーディションある!?”って(笑)。でもまだ大人嫌いは変わってなかったので、オーディションのときに業界のお偉いさんたちに「なんで腕組んで見てるんですか?」って煽っちゃったんです(笑)。

ジョージ 言っちゃったんだ!?

山中 それが気に入ってもらえたのかもしれないですけど、グランプリをいただいて。でもこのままこの人たちと仕事していいかっていうのは悩んで、1回断ったんです。

ジョージ 向こうからしたら、なんでオーディション受けたの!? って話だよね(笑)。

山中 そうですよね(笑)。当時関西に住んでたんですけど、社長さんとか名だたる人たちが大阪まで来てくれて。オーラルのために「MASH A&R」っていう会社も設立するって言ってくれて。そこで“賭けてくれてる”って感じたんですよね。

でも時間が欲しくて「1年間だけ関西でやらせてください」って伝えたんです。それも応援するって言ってくれたので。この人たちは俺らのスタンスを理解して、バックアップしてくれる、“いい大人”なんだって思えて。今でもすごい感じるんですけど、信頼感が話し合いの中で生まれていってる感じですね。

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信頼関係がしっかりと築けるまでは、俺は休めない

ジョージ デビューしてからも、ライブ活動を休止していた時期があったと思うけど、当時どう思ってた?

山中 2014年は気管支炎で、2015年に声帯ポリープですね。ポリープは実は気管支炎が治ったタイミングにできていて、また休止する? っていう話もあったんですけど……そのときはまだ、いっぱいいるロックバンドのひとつとして見られてるなって感じていたときで。お客さんとの信頼関係がしっかりと築けるまでは、俺は休めないって思ったんです。

そのあと1年間活動する中で、ちゃんとオーラルのことが大好きっていうお客さんが、自分の目でもわかるくらい増えてきて。安心して休めるなって思って発表させてもらいました。

ジョージ デビューしてからまだ数年だけど、すごい道を歩んできたね。

山中 そうですね。アルバム『FIXION』が、ポリープがある状態で録る最後のレコーディングだったんですよ。声出すのはつらかったけど、ネガティブな気持ちは一切なくて。むしろこれも山中拓也の、オーラルの歴史になるって思ってましたね。

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刺激をもらえる同期、先輩

ジョージ 今年は04 Limited Sazabys(以下、フォーリミ)とBLUE ENCOUNT(以下、ブルエン)と『ONAKAMA』っていうイベントをやったりしてて。同世代バンドに対してどう感じる?

山中 フォーリミともブルエンともお客さんがまったくいない時期から一緒にずっとやってきたので。今横並びにいっぱいいるロックバンドの中で、珍しいんじゃないかと思うんですよ。ライブ終わった後も、歌クソだったなとか、あそこのMCないわとか。年上年下関係なく、ずっと言い合えてるし。お互いがどういうプロモーションをしてるかほぼ把握してる。

なんで俺らが手を取って『ONAKAMA』っていうライブをやり始めたのかって、お互いが高め合っていける関係性を、このシーンは意識したほうがいいんじゃないかなって。それを俺らから広げていけたらいいね、っていうのをコンセプトにしてます。

ジョージ 理想の先輩とか、自分がこうなりたいって理想像はある?

山中 ONE OK ROCKのTakaさんと、UVERworldのTAKUYA∞さんに会ったときに、僕ちゃんと目を見て喋れなかったんです。他の人と喋るときにそんなことないのになんでやろって考えたら、自分がその人と話す努力がまだできてないからだなって思ったんですよ。

僕、二男だからすごく甘えん坊で(笑)。元々の性格があるから、がむしゃらにやるっていうことを今までしてこなかったというか。

ジョージ 憧れの人と話すと自分の足場が弱くなってくるように感じるよね。でも実は自分がそう思ってるだけかもしれなくて。

山中 そう、相手はすごく対等に話しかけててくれてたなっていう印象があったから、余計に悔しくて。だからこの人の前でも胸張っていられるくらい自分に鞭打たないとだめだなって思います。

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2016年はバネを縮め続けてきた

ジョージ 今後どんなことを考えてる?

山中 2016年はすごく自分たちでも飛躍したなって思う年で、やっぱりいろんな話があったんですね。もっと大きいところでライブやろうとか。でも俺らは「まだ! まだ!」ってずっとバネを縮め続けてきたんです。

今はお客さんと信頼関係築かなきゃだめ、行けていない地方に行かなきゃだめって。それを全部すっ飛ばして武道館をやったとしても、根本ができてなかったらすぐつぶれるっていう考え方だったから。

ツアーでいろんなところを回って気づかされたんですけど。“オーラルが言うんだったらついていくよ”ってあんだけお客さんが言ってくれたことがいちばんの自信になったし。信頼関係がしっかり築けてるなって感じさせてもらったので。2017年からはそのバネを思いっきり伸ばしてもいいのかなって思ってます。

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ライブ情報

THE ORAL CIGARETTES 唇ワンマンTOUR 2017

唇ワンマンライブ
2017/06/16(金)東京・日本武道館

詳細はこちら


プロフィール

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★THE ORAL CIGARETTES
ジ オーラル シガレッツ/山中拓也(vo、g)、鈴木重伸(g)、あきらかにあきら(b、cho)、中西雅哉(ds)。2010年、奈良にて結成された4人組ロックバンド。

オフィシャルサイト

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★ジョージ・ウィリアムズ
日本とイギリスのハーフ。オルタナティブロックのDJ、VJとしてテレビ、ラジオ各局に出演する。

オフィシャルサイト


リリース情報

2016.11.16 ON SALE
SINGLE「5150」
A-Sketch

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