AKB48やももクロ、モーニング娘。など、押しも押されもせぬトップアイドル。彼女たちのダンスに、ある共通点があるのを知っていますか? それは、振り付けにお笑い芸人のギャグを取り入れていること。実際、ギャグのポーズやアクションを隠し味に入れると、ダンスにインパクトと親しみが加わるのだそうで、誰もが知ってる超人気曲にも、この手法が使われています。ここでは、そんな“ギャグし味(ギャグの隠し味)”が効いた曲たちを集めてみました!
AKB48
最新曲「LOVE TRIP」の前奏&間奏では、足をドンとするとみんなが飛び上がるダチョウ倶楽部のギャグが、「ポニーテールとシュシュ」の前奏&間奏にはヒゲダンス、「フライングゲット」の曲中では、明石家さんまのキャラクター・パーでんねんの「パァ〜」のアクションが使われています。
いずれもかわいくアレンジされ、さりげなく入れられているので(特に「フライングゲット」は本当に一瞬)、見逃していた人も多いかもしれません。
振り付けを担当したのは、AKB48作品を多く手がける牧野アンナ先生。ご本人曰く、「苦しんだときはお笑いの人の動きを入れる傾向にある」とか。名作は、苦悩と笑いから生まれる!?
↑6分18秒くらいの間奏部分
↑3分40秒あたりの間奏部分
↑2分30分あたり“僕が君にゾッコンゾッコンなのは無双”部分
モーニング娘。
「ブレインストーミング」では、小島よしおの「そんなの関係ねぇ」を起用。サビの見せ場で、メンバーたちが大地をリズミカルに踏みしめています。ちなみにこの振り付け、つんく♂氏のオーダーで急遽入れることになったのだとか。そのひらめきが効いて、特徴的なダンスによりインパクトが増しています。
また、「わがまま 気のまま 愛のジョーク」では、イモ欽トリオのビンタアクションを取り入れてるほか、あの「LOVEマシーン」の冒頭の歩き方は、アホの坂田師匠をイメージして作られたそう。モー娘。は、ポイントポイントで印象を残す使い方が多く、わりと濃いめの隠し味が特徴と言えます。
↑1分17秒あたり
↑1分14秒あたり
↑前奏38秒あたり
ももいろクローバー
ライブのド鉄板で超盛り上がり曲の「Chai Maxx」は、ドリフネタのオンパレード。ババンババンバンバン、ヒゲダンス、えんやこらさ、いっちょめいっちょめなどが随所に散りばめられています。
また、「最強パレパレード」では全員でコマネチをバチッと決めているほか、「ももいろパンチ」ではイントロの38秒間、高城れにがTIMの「命」ポーズをし続けるというお約束も。ギャグの取り入れ方はガッツリとわかりやすく、前面にグイグイ押し出すタイプ。さすがはももクロ、隠し味も全力ですね。
ちなみにももクロは、ダンス担当を石川ゆみ先生を中心とした「振り付け会議」があり、スタッフやメンバーのアイデアを幅広く取り入れながら作っているのだとか。型破りな振り付けは、ここに秘訣がありそうです。
↑15秒にババンババンバンバン、40秒以降にエンヤーコーラサなど
↑30秒あたり
これら3グループのほか、LADYBABYの「ニッポン饅頭」(クマムシの「あったかいんだから〜」)、チキパの「C.P.U !?」(ピース綾部の「おしりフラッシュ」)、アプガの「パーリーピーポーエイリアン」(2番のサビから怒涛のアイーン&変なおじさん)、エビ中の「ちちんぷい」(イントロでバンビーノのダンソン)などでも、様々なギャグし味が確認できます。
そしてすべてのダンスにも言えるのは、観るのはもちろん、踊ってもメッチャ楽しいということ。アイドル×お笑いのコラボが生んだ奇跡の味わい、秋の夜長にぜひご堪能ください!
TEXT BY 諏訪圭伊子