イラクより治安の悪い修羅の街・シカゴ発!自宅謹慎から突然スターになった、悪ガキラッパー「チーフ・キーフ」

シカゴの悪ガキ16歳がカニエ・ウェストに見出される!?

どこの街にも、必ずいる“悪ガキ”。仲間と一緒になって悪さをしていた彼らも、恋愛や就職をきっかけに、徐々に丸くなる……そうやって大人の階段を登って成長していくのが世の常だ。

しかし、もし悪ガキが“悪ガキであること”を評価されて、一躍スターになったら? アメリカのラッパー、チーフ・キーフはまさに悪ガキだったからこそスターになれた人物だ。

チーフ・キーフは15歳で高校を中退した正真正銘の悪ガキ。中退後にリリースした2枚のミックステープは、地元・シカゴ南部の高校生の間で人気となり、地元ではちょっと名の知れた不良ラッパーとなった。

不良は警察沙汰を起こしがちだが、チーフ・キーフもその例に漏れず、16歳のときに街中で銃を発砲した罪で逮捕される。そして下されたのは、60日間の自宅謹慎処分であった。

しかしこの処分が、チーフ・キーフにとって一大転機に。謹慎中に仕方なく家で撮影した「I don’t like」のミュージックビデオをネットにアップしたところ、「この悪ガキ感、まさにシカゴのティーンのリアルだ!」と大きな話題になった。

この曲が高校生のみならず、シカゴ中で大ヒット。すると、シカゴの先輩ラッパーであるカニエ・ウェストがこの曲を気に入り、リミックスバージョンをリリースし、チーフ・キーフは世界的な知名度を獲得。

ついには17歳のド新人にも関わらず、超メジャーレーベル、インタースコープ・レコードと契約を結ぶことに。まさに謹慎処分からのミラクルであった。

 

シカゴ+イラク=“シャイラク”と呼ばれるシカゴの極悪ラップ

シカゴはその治安の悪さから、「シャイラク」とも呼ばれている。これはシカゴとイラクを合わせて作られたスラングで、イラクに派遣されたアメリカ兵よりシカゴの住民のほうが、年間での死者が多いという恐ろしいデータに由来する。それほど、シカゴは危険で極悪な街なのだ。

そんな街のストリートから生まれる音楽も当然極悪。チーフ・キーフはもちろんのこと、近年のシカゴのラッパーの楽曲は、「暴力的な音楽」を意味する「ドリル(ミュージック)」というスラングで呼ばれている。

主に殺人や暴力をテーマにする彼らの音楽は、シカゴ発の最新版ギャングスタラップである。

ちなみに、16歳で世界的に有名になったチーフ・キーフ少年も、今や20歳。2016年に公開された新作ミュージックビデオ「Superheroes」に出演する彼の姿からは、かつてのあどけなさは消えている。

「曲の内容も、大人になったかの?」と思いきや、そこは永遠の悪童。“スパイダーマンにうんこをかけて、ずぶ濡れにしてやる(Wetting shit up Spiderman)”とラップする、変わらずのやんちゃぶりだ。

「引退まで、ずっとやんちゃな悪ガキであり続けてほしい!」と、ヒップホップファンにそう思わせてしまうのが、チーフ・キーフという男の魅力なのかもしれない。

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