かわいくて独創的なその音色。ようこそ、トイミュージックの世界へ

所詮おもちゃとあなどるなかれ

15年以上にわたって国内外のトイミュージックを紹介してきたレーベル、ノーベルセルポエムによると、トイミュージックとは「おもちゃ楽器を使って演奏される音楽」のこと。

トイピアノ、ピアニカ、ラッパ、カスタネット、さらに自作の楽器や、犬のおもちゃ、ワイングラスまで楽器に使ってしまうことも。

そのサウンドは、いかにもおもちゃらしくかわいいものから、前衛的でストレンジ、ダークなものも多く、例え使っているのがおもちゃでも、大人にとって大変刺激的なジャンルなのであります。

 

今までなかったのが不思議? なコラボ


日本のトイミュージックといえば、やはり外せないのがトクマルシューゴ。アコースティックギターにトイピアノやリコーダー、ピアニカ、カズーなどを幾重にも重ねたイマジネイティブなサウンドは、海外から逆輸入という形で火がつき、日本郵便やコカ・コーラ、無印良品のCMやEテレ「ミミクリーズ」、映画、舞台などで数多く起用されています。

そんな彼が4月20日にリリースするニューシングルは、なんと、あの明和電機をフィーチャリング。明和電機は、「オタマトーン」「チワワ笛」「Mr.Knocky」など、世にもユニークな楽器を制作しているアーティストです。

「なんで今まで来なかったんだ」と明和電機社長が語るように、ある意味必然のような気もするこのコラボ。

トクマルシューゴの担当パートに「水」「メガホン」の文字があるのもテンションが上がりますが、一方の明和電機も、指パッチンで木魚が鳴る「パチモク」や、魚型電動ハーブ「魚立琴」をはじめ、過去の名作・珍作の数々で迎え撃っています。

 

ここにはない、でもなぜか知ってる世界

トイミュージックの中心地とも言えるのがフランス。巨匠パスカル・コムラード、映画「アメリ」の劇中音楽を手掛けたことでも知られるヤン・ティルセンなどが、おもちゃ楽器の表現の可能性を押し広げてきました。

トイピアノなのにブルースすら漂うパスカル・コムラードの「セプテンバー・ソング」。ボーカルはソフト・マシーンのロバート・ワイアット。

ヤン・ティルセンのライブ動画。トイピアノやピアニカ、ハンドベルなどが使われているところがじっくり見られます。

奇妙でファンタジックな世界を描かせたら最強のクリンペライ。「不思議の国のアリス」をモチーフにしたアルバム『Alice in Wonderland』も発表しています。2013年には日本のSOYJOYのCMに起用されたことも。

でもやっぱり「おもちゃ」なんだから、サーカスみたいにハッピーなサウンドが聴きたい! というときにはこの人、パスカル・アイエルブ。

この動画は、出てくるトイピアノもおもちゃ楽器もかわいくておすすめ。子供と一緒に楽しめる音楽でもあります。

掘れば掘るほど、その奥深さにハマっていくトイミュージック。その理由は、おもちゃ楽器のノスタルジーや、チープな味だけではないように思います。

トクマルシューゴも、Twitterでトイピアノの鉄を溶接してチューニングできる人を探していましたが、普通の楽器ならば出会わない不自由さや試行錯誤もありつつ、想像力で乗り越えていった「過程」が、トイミュージックを輝かせているように思うのです。

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