映画監督デビュー前は売れっ子MV監督!意外と知らないデヴィッド・フィンチャーのMVワールド

オバマ大統領も視聴者であることを公言している、動画見放題サービス「Netflix」の人気ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」。早くもシーズン5の制作決定が発表され、大きな話題となっている。

そしてこの大ヒットドラマの監督はデヴィッド・フィンチャー。これまでに「ファイト・クラブ」「ソーシャル・ネットワーク」「ゴーン・ガール」などの話題作を手がけてきた人気映画監督だが、彼は映画監督としてデビューする以前は、ミュージックビデオの監督であったことを知っているだろうか。

実は作品数は非常に多く、ミュージックビデオの黎明期の80年代から40本以上のミュージックビデオを制作してきた。今回は、そのなかから特に話題になった名作ミュージックビデオを3本紹介しよう。

 

スティング「Englishman In New York」


まず1987年に発表されたスティングの「Englishman In New York」。このミュージックビデオでは、傘をさして冬のニューヨークを徘徊するスティングと、サックスを演奏する黒人ジャズミュージシャンのブランフォード・マルサリスが、モノクロの映像で交互に映し出される。

“僕はエイリアン 法に触れないエイリアンなんだ 僕はニューヨークにいるイギリス人(I’m an alien, I’m a legal alien I’m an Englishman in New York)”と歌う曲の世界観を反映させたフィンチャーのミュージックビデオには、イギリス人のみならずニューヨークで生きるすべての人が抱える孤独が表現されているとして評価が高い。

 

マドンナ「Vogue」


次は、全編白黒でかつてのハリウッド黄金時代へオマージュを掲げた1990年のマドンナ「Vogue」。マリリン・モンロー、ヴェロニカ・レイク、キャサリン・ヘップバーン……。かつてのハリウッドスターのポートレイトと同じポーズを取るマドンナが、デヴィッド・フィンチャーによって美しく撮影されている作品だ。

実は「Vogue」が発表された1990年のミュージックビデオ界は、デヴィッド・フィンチャーイヤーであった。その年のMTV Video Music Awardsでは、Best Direction in a Video部門のノミネート作品4つのうち、3作品(マドンナ「Vogue」、エアロスミス「Janie’s Got a Gun」、ドン・ヘンリー「The End of the Innocence」)がデヴィッド・フィンチャーの作品であり、自身の作品とも競り合いながら「Vogue」が最終的に受賞作となった。

ちなみにデヴィッド・フィンチャーの映画デビュー作は1992年の「エイリアン3」なので、このブレイクは純粋にミュージックビデオ監督としての評価によるものと言える。

 

ローリング・ストーンズ「Love Is Strong」


最後は、映画「セブン」で映画監督として本格的にブレイクする前年の1994年に発表したザ・ローリングストーンズ「Love Is Strong」。

“ロック界の巨人”ローリング・ストーンズのメンバーが文字通り巨人化して、ニューヨークの街中で飛んだり、演奏したり、セクシーな女と戯れる、やりたい放題な作品。デヴィッド・フィンチャー作品には珍しくコミカルなタッチであるが、このミュージックビデオはグラミー賞で「Best Music Video」部門を受賞している。
2013年のジャスティン・ティンバーレイク「Suit & Tie ft. JAY-Z」で8年ぶりとなるミュージックビデオ業への復帰を果たしたが、それ以降はミュージックビデオ制作していないデヴィッド・フィンチャー。ドラマ・映画の新作はもちろんだが、ミュージックビデオでの新作にも期待したい。

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