「自分の心で歌う」と改めて決意を固めた、SHE’Sのツアーファイナル【ライブレポート】

SHE’S
3rd Mini Album「She’ll be fine」RELEASE ONEMAN TOUR【She’ll be fine –chapter.0–】
2015年3月14日@渋谷CLUB QUATTRO

『WHO IS SHE?』『WHERE IS SHE?』『She’ll be fine』とミニアルバム3枚でバンドの音楽性を表現したSHE’S。作品からライブへ。彼らの想いがストレートに届くこの場所で、あらたな息吹が与えられた楽曲たちが輝きを放つ!

TEXT BY ジャガー
PHOTOGRAPHY BY 西槇太一


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埋め尽くされたフロアをゆっくり見渡しながら「3rd Mini Album「She’ll be fine」RELEASE ONEMAN TOUR【She’ll be fine –chapter.0–】へようこそ。大阪・SHE’Sです。QUATTRO、どうぞよろしく」と井上竜馬(vo、key)の第一声を合図に「Un-scienece」で幕開けた自身初の全国5ヵ所を巡ったワンマンツアーの最終日。

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井上竜馬(vo、key)

渋いギターソロで観客を引き寄せる服部栞汰、肉厚なベースで全体を引き締める広瀬臣吾、軽やかなドラミングでリズムの要の担う木村雅人、感情の些細な揺れをも表現する井上の歌と鍵盤、ピースがあるべき場所で合致することでSHE’Sならではの心地良い音色が生まれ、開放的な気分になる。

かと思えば、「Just Find What You’d Carry Out」のようにド直球のロックナンバーを披露し、観客を一気に煽るなど楽曲によって表情をコロコロと変えていくので目が離せない。

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服部栞汰(g)

途中、MCにて「ついにキター!」「でっけぇ!」といったふとした会話の端々から覗く素朴な彼らの反応に、場内では思わず笑みがこぼれた。他にも、服部いじりからダイエット論争が起こったり、どうすれば面白い流れが生まれるかを瞬時に察知してリアクションするファンの対応スキルの高さだったり、SHE’Sの人となりが見えることで、その音楽性とのギャップにますます魅力を感じるのではないだろうか。

「自分の好きぐらい、諦めたくない」「ただただ音楽が好きで。聴くのが好きで。へたくそやけど歌うのが好きで……」と素直な気持ちを音楽だけでなく、言葉でも届けてきた井上。そんな彼からうれしい報告もあった。

「一個ずつ進んできた。SHE’Sという船は、ゆっくりゆっくり時間をかけて、ひとつの目標に向かって歩いてきました。今までもこれからも何も変わらんのやけど、このツアーが終わったらまた違う方向に向かっていくんやろうなと思います。……SHE’Sは6月、ユニバーサルミュージックVirgin Recordsからメジャーデビューします。」

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広瀬臣吾(b)

涙ながらに発表した、SHE’Sメジャーデビュー。ここからがスタートではあるものの、“ピアノロックバンドをやりたい”という井上の呼びかけから始まったバンドがひとつの大きな目標へとたどり着く……実に感慨深い話だ。

「俺はみんなと行きたい。遠くに行っちゃったじゃなくて、あなたと一緒に行きたい。もっと遠くまで、みんなで行こう!」と気合いを入れ直し、「遠くまで」を熱唱。さらに「あなたのために歌います」と何度も投げかけてからのラストナンバー「Curtain Call」。客席側の照明がすべて点灯。会場にいる一人ひとりの表情がしっかり見える状態で、最後の曲を噛みしめるように彼らと一緒になって観客が声を上げる。この日いちばんの大合唱が響き、素晴らしい幕引きとなった。

そして、アンコール。「強く、歌います」と初解禁のメジャーデビュー曲「Mornig Glow」を披露。良いことも、悪いことも、どんな状況下でも乗り越えていけるようなエネルギー溢れる同曲に自然とフロアも揺れていた。

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木村雅人(ds)

最後、「ほんま(本当)の心でほんまの話をしたい」と語った井上の言葉に嘘はないだろう。自分の気持ちや、今抱えている感情をそのまま自分以外の誰かに伝えることははっきり言って難しい。時として勇気のいる場合もある。しかし、だからこそ相手に誠意を持って伝えると、その誠意は受け手にも必ず伝わり、お互いの絆を深めるきっかけにもなる。

SHE’Sはこれからも音楽を使って一人ひとりと変わらない“会話”をするだろう。そして、当たり前のように一人ひとりとの絆を深めていくに違いない。ここまで音楽に実直な彼らの姿を前にすれば、そう思わずにはいられなかった。

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SETLIST

01.Un-scienece
02.Change
03.Just Find What You’d Carry Out
04.彼方
05.L&F
06.Save Me
07.2人
08.All My Faults
09.Evergreen
10.Back To Kid
11.Night Owl
12.信じた光
13.ワンシーン
14.遠くまで
15.Curtain Call
[ENCORE]
01.Morning Glow
02.Voice


プロフィール

シーズ/井上竜馬(key、vo)、服部栞汰(g)、広瀬臣吾(b)、木村雅人(ds)。2011年4月、井上を中心に結成。2012年、「閃光ライオット2012」のファイナリストに選出。2016年6月8日、シングル「Morning Glow」でメジャーデビューを果たす。

オフィシャルサイト


リリース情報

2016.06.08 ON SALE
SINGLE「Morning Glow」
Virgin Records/ユニバーサルミュージック

2016.02.03 ON SALE
MINI ALBUM『She’ll be fine』
スピードスター・ミュージック

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  • ジャガー

    ジャガー

    「M-ON! MUSIC」の編集/ライター/小言を言う係。音楽フリーペーパー「music UP's(現okmusic UP's)」の編集を経て、音楽雑誌「ワッツイン」へ。前身サイト「DAILY MUSIC」 への参加をきっかけにWEBの人になりました。