B-BOY、そして父になる。凄腕ラッパーたちが韻を踏みまくる「家族愛ラップ」に涙腺がゆるむ

B-BOYは信頼できるマイメン(仲間)以外を敵視しがちな存在。ラップをするB-BOYならば、自分のリリックの中で警察、ヘイター(アンチ)、ワックMC(偽物のラッパー)など、あらゆる対象を痛烈にディスるのは当然のスタンスだ。

しかしそんな彼らも、愛する人と結婚し、人の親となる日が来る。今回は、かつて全方向にディスを繰り広げていたB-BOYたちが、愛する我が子と妻に向けて作った“家族愛に溢れたラップソング”を紹介しよう。

 

かつて少年院を経験したラッパーによる「家族との日常」の肯定


まずはラッパー・般若が主宰する「昭和レコード」第3の男、ZORN。かつて「ZONE THE DARKNESS」というコワモテな名義で、MCバトルでの傍若無人な活躍をしていた彼は、20歳までに3回逮捕され、少年院入りを経験している。

現在は結婚して父となり、ラッパーとしての活動を続けながら建築関連会社で週6日働いている。

楽曲「My life」では、かつては想像することもできなかった「仕事に追われる繰り返しの日常」の中で感じる、愛する妻と娘に対する感謝の気持ちをラップしている。

“洗濯物干すのも、ヒップホップ”という印象的なパンチラインで、日本語ラップシーンに衝撃を与えた2015年を代表する一曲だ。

 

家族へのストレートな感謝と娘に伝えたい教訓


次は、静岡県逗子を盛り上げるラッパー、Y.A.S。Y.A.SもZORNと同じくMCバトル出身のラッパー。国内最高峰のMCバトルトーナメント「UMB」の2008年大会では、その年のチャンピオン・般若との決勝戦で、MCバトルの歴史に残る熱戦を繰り広げたことでも有名だ。

そんな屈強なラッパーであったY.A.Sも、第二子誕生の翌年2012年にリリースした2ndアルバム『ワルアガキ』で、娘と妻へ「TAKARA MONO」と題した曲をプレゼントした。

この曲では、“ラップ好き! パパやってラップして!”という娘のかわいらしい声を大胆にサンプリング。“俺の子に 産まれてくれてありがとう 産んでくれた嫁にもありがとう 神様がいるとしたら神様にも ありがとう伝えるよ”という多幸感に溢れたシンプルなリリックを繰り返しながら、自分の経験から学んだことを娘に伝える、まるで人生の教科書のような一曲だ。

 

クールなラップで伝える「家族の価値」


最後は、ヒップホップグループ、MELLOW YELLOWのメンバーとして活動していたKOHEI JAPAN。

かつては攻撃的なリリックが多かったが、「FAMILY」では一転。「自分を育ててくれた家族」と「自分の妻と子供の家族」というふたつの家族について、普遍的なリリックをアダルトな雰囲気の楽曲に乗せて、たしかなスキルでラップしている。

ちなみにKOHEI JAPANの実の兄であるRHYMESTERの Mummy-Dも、大切な家族のひとりとしてミュージックビデオに出演している。
どのラッパーも、自分がこれまでに磨いてきたスキルを存分に活かし、気持ちのこもったリリックでラップをしている。かつてB-BOYだった人も、そうでなかった人も、自分の大切な家族の姿を思い浮かべながら、聴いてみてはいかがだろうか。

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