今月は秦 基博、渋谷すばる、桐谷健太らソロ祭り?水曜日のカンパネラも!Mステ観測コラムを読めば、今のJ-POPシーンがわかる

音楽ブロガー・レジーが、「ミュージックステーション」の放送内容を基に最新のJ-POP事情についてお届けする連載「月刊 レジーのMステ定点観測」。2月のMステは通常放送が毎週休みなく4回放送されるという最近にしてはなかなかレアな状況でした。まずはこんな方々の話題からどうぞ。

 

ソロシンガー祭り(男性):秦 基博、渋谷すばる、桐谷健太

2月のMステにはたくさんのソロシンガーが登場して、それぞれの個性を発揮していました。こちらで気になった方々についてまとめてご紹介したいと思います。

12日の放送に登場した秦 基博は、2月24日リリースの新曲「スミレ」を披露。ミュージックビデオの内容を踏襲して、4人のダンサーとの共演を果たしました。昨年の星野 源「SUN」、SEKAI NO OWARI「ANTI-HERO」、サカナクション「新宝島」と、ミュージックビデオと演出をリンクさせる手法はMステでは定番となりつつありますね。

ミスチル「youthful days」や「Marshmallow day」あたりに通じるストリングスの使い方がおしゃれなこの楽曲(アレンジも秦 基博自身が担当しています)はテレビ朝日系のドラマ「スミカスミレ 45歳若返った女」の主題歌ということで、主演の桐谷美玲も「応援」に駆けつけていました。

歌唱中に彼女の顔を何度も映すカメラワークはどうかと思いましたが、2000年前後に日テレでやっていた音楽番組「FUN」でアーティストの演奏中にのっている司会の藤原紀香の姿をやたらと挿入していたのを思い出しました。

秦 基博は2014年に映画「STAND BY ME ドラえもん」の主題歌となった「ひまわりの約束」で大きな人気を獲得しましたが、3月5日公開の映画「ドラえもん 新・のび太の日本誕生」の主題歌「空へ」を19日の放送で披露したのが秦 基博の事務所の先輩でもある山崎まさよし。

国民的アニメの主題歌らしく素直なメロディのバラードで、これを映画館で聴いたちびっこが山崎まさよしの音楽を好きになったらいいなと思いました。

山崎まさよしは美しいバラードも得意な一方でその根っこには泥臭いブルースやファンクの精神がありますが、そんな世界観を引き継いだかのようなステージを見せたのが5日の放送に出演した渋谷すばる。

先日リリースされたカバーアルバム『歌』から松田聖子「SWEET MEMORIES」のカバーを披露しましたが、イントロのブルースハープや声量のある歌声、コーラス隊・ホーン隊を擁するバックバンドの演奏など、薄暗いバーで濃いお酒を飲みながら聴きたくなるような大人のパフォーマンスを見せてくれました。個人的には、こういう路線でカバー集ではなくオリジナルアルバムを期待したいところです。

渋谷すばると同じくガツンとした歌声を聴かせてくれたのが桐谷健太。1月22日にBEGINと一緒に出演して披露した「海の声」が好評だったことを受けて、5日に今度はひとりで登場しました。

今回のステージでは、曲の冒頭にサビのフレーズをアカペラで披露。少し上ずってキーが不安定になってはいたものの、気持ちが伝わってくるパフォーマンでした。ちなみにトークパートでさらっと繰り出した福山雅治のモノマネもなかなかのクオリティで、芸達者ぶりを存分に見せつけていました。

 

ソロシンガー祭り(女性):AI、手嶌 葵

桐谷健太「海の声」は自身が出演するauのCMソングでお馴染みの一曲ですが、同じくauのCMソングとしてお茶の間に流れているのがAIの「みんながみんな英雄」。26日の放送では、この曲が初めてフルで披露されました。

CMソング、しかも「オクラホマミキサー」の替え歌という企画性の強い楽曲でありながら(本人も「この曲でかっこよくできるか心配だった」と吐露していました)、ちゃんと自分の楽曲として歌いこなす力量はさすがです。

パワフルなボーカルが特徴的なAIに対して、繊細で透明感のある歌声を聴かせてくれたのが12日に出演した手嶌 葵。ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」の主題歌としてヒットしている「明日への手紙」を披露しました。

アッパーなアイドルソングやノリ重視のロックバンドがシーンの中心にいるなか、こういうしっとりした歌が広く聴かれているのはすごく良い傾向だなあと思います。

歌前のトークでは、タモリと同じ福岡出身ということで「丸天」「ごぼ天」どちらをうどんに入れるのが好きかという楽曲のイメージからはかけ離れた会話で盛り上がっていました。

 

フィーメル・ポップスター最前線:Charisma.com、水曜日のカンパネラ

19日の放送でMステ初登場を果たしたCharisma.com。ともに一般企業で働くOLという顔を持つことが紹介されていましたが、この人たちはまさに会社で起こりそうなシチュエーションを嫌味やブラックジョークまじりにラップするというのを特徴にしているわけで、同じ会社員としてそんなことをやってしまって大丈夫なのか少し心配になります。

この日披露された新曲「サプリミナル・ダイエット」はOLの定番の話題とも言えるダイエットへの皮肉を歌ったものですが、この曲が日本ダイエット健康協会から「健康的なダイエットを推奨する“痩せ曲”」として認定されたというのがなんとも言えません。昔の武富士(消費者金融)をもじったパフォーマンスも笑えます。

26日の放送に同じく初登場したのが水曜日のカンパネラ。初めてのMステにして「桃太郎」「ラー」の2曲を披露という好待遇での出演となりました。

演奏前でのトークパートでは現役慶應大学生ということで卒業できるか否かという話で盛り上がったかと思えば(同じ大学の先輩でもある嵐の櫻井翔が後ろに映りこんでいたのは偶然でしょうか)、その流れで「夏にはメジャーに行く予定なんですけど……」という観ていた多くの人が「え? そうなの?」とびっくりしたであろう爆弾発言を盛り込んでくるなど早速の独壇場。

そして実際のパフォーマンスでは、テレビの画面を紙芝居に見立ててのアナログな演出と自身の動きをシンクロさせた「桃太郎」に続いてバックダンサーと一緒になぜか「日清カレーメシ」の着ぐるみも登場した「ラー」(この曲は「カレーメシ」とのタイアップ楽曲です)と、ちょっと最近のMステではお目にかかれないようなトリッキーな世界を披露しました。

この日の魅力的なステージは、映像まで含めて自身の作品を構成している水曜日のカンパネラとMステという音楽番組の相性の良さを示したものとも言えると思います。ぜひ今後も定期的に出演して、我々の目と耳を楽しませてほしいところです。

 

[前編]はここまで。[後編]では卒業・解散絡みのアーティスト、そしてジャニーズの面々について取り上げる予定です。3月2日(水)のアップをお待ちください!

 

【2016年2月5日放送分 出演アーティスト】
E-girls「DANCE WITH ME NOW!」
桐谷健太「海の声」
BIGBANG「FANTASTIC BABY」「BANG BANG BANG」
渋谷すばる「SWEET MEMORIES」
ファンキー加藤「中途半端なスター」

【2016年2月12日放送分 出演アーティスト】
ももいろクローバーZ「WE ARE BORN」
秦 基博「スミレ」
手嶌 葵「明日への手紙」
KAT-TUN「TRAGEDY」
MAN WITH A MISSION「Memories」
WaT「僕のキモチ」「はじまりの時」

【2016年2月19日放送分 出演アーティスト】
Sexy Zone「カラフル Eyes」「24-7〜僕らのストーリー〜」
山崎まさよし「空へ」
Charisma.com「サプリミナル・ダイエット」
家入レオ「Hello To The World」
KANA-BOON「なんでもねだり」

【2016年2月26日放送分 出演アーティスト】
乃木坂46「ハルジオンが咲く頃」
TOKIO「fragile」
水曜日のカンパネラ「桃太郎」 「ラー」
AI「みんながみんな英雄」
嵐「復活LOVE」

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