“プロの客”芦沢ムネトが愛する音楽を共有した『NYA!NYA!NYA!~EXTRA~ vol.2』【ライブレポート】

NYA!NYA!NYA!~EXTRA~ vol.2
2016年2月20日@渋谷TSUTAYA O-EAST

主宰(プロの客):芦沢ムネト(パップコーン)
出演:BRAHMAN、水曜日のカンパネラ、トリプルファイヤー
DJ:出口博之(モノブライト)、岩井勇気(ハライチ)
VJ:松谷ヒロキ(パップコーン)

「フテネコ」作者であるお笑い芸人・芦沢ムネトが主宰するライブイベント『NYA!NYA!NYA!~EXTRA~』の第2弾。音楽と深い繋がりを持つ芦沢が “フテネコでお世話になった方々”に声をかけ実現した、後にも先にもない“異種格闘技戦”のようなラインナップが発表時から話題となっていた。

TEXT BY 佐藤愛美
PHOTOGRAPHY BY 橋本 塁(SOUND SHOOTER)


上手(かみて)に設けられたサイドステージにて、モノブライトの出口博之(b)とお笑い芸人・岩井勇気(ハライチ)がDJで観客を出迎えると、会場はすでに大盛り上がり。すると、主宰の芦沢ムネトが登場するなり、「いきなりDJでピーク迎えないで!(笑)」とツッコミを入れる。

さらに、バックステージに控えるBRAHMAN・TOSHI-LOW(vo)が困惑気味に「なぜ俺を呼んだんだ(笑)」とこの珍しい組み合わせについて語っていたとの暴露トークで会場を沸かせた。

今宵、“プロの客”こと主宰者・芦沢は誰よりも観客として楽しんでいたのはもちろんのことだが、各出演者のステージごとに登場し、曲に合わせフテネコを描くというライブペインティングも披露。

160226-SM-203002

ライブペインティングをする芦沢ムネト

いよいよ異種格闘技戦のライブが始まる。1番手はトリプルファイヤーだ。吉田(vo)のシニカルな歌詞が癖になる4ピースバンド。

“スノボ行くやつ馬鹿”などのディス満載曲「SEXはダサい」から、オーディエンスも衝撃を受けたようで、歌詞一つひとつに共感して声上げたり、笑ったりなどのリアクションをしながら観ていた。

トリプルファイヤー

にやけながら痛烈な言葉を投げつける吉田と、微動だにしないクールな演奏陣の対比が面白い。鳥居はエッジが効いたギタープレイで魅了、大垣(ds)はタイトなリズムを刻み、山本(b)は客席よりむしろ大垣のほうを向いてストイックに演奏している。“鳴らす音だけ聴いていてくれ”と言わんばかりのスタイルで、異種格闘技戦のトップバターを見事にやりきった。

160226-SM-203006

トリプルファイヤー・吉田(vo)

センターステージで芦沢が「続いては」と紹介しようとすると、サイドステージに水曜日のカンパネラのコムアイがさらっと登場。「1曲目はお風呂の曲やりまーす」と“いい湯だね”コール&レスポンス。届かないからとPC操作を芦沢にお願いするという、どこまでも自由なコムアイ(笑)。

160226-SM-203007

水曜日のカンパネラ・コムアイ

「ディアブロ」「桃太郎」など彼女らしいゆるっとしたダンスナンバーを披露したあと、強烈な音像が耳に焼きつく「ウランちゃん」では激しいボーカルとダンスで先程までとのギャップを見せつける。

MCを挟み、続く「猪八戒」では沙悟浄に扮した芦沢も恥ずかしそうに登場。「メデューサ」では客席に降り立ち、縦横無尽に駆け回る。2階席から顔を出し、空いていたイスに座ったまま、最後の曲「シャクシャイン」でフロアを大いに躍らせ、いたずらっ子っぽい笑顔を振りまいて帰っていった。

160226-SM-203008

コムアイ(左)と沙悟浄に扮した芦沢ムネト(右)

DJタイムが終了すると、舞台にはすでにいかついバンドセットが登場している。芦沢はBRAHMANを呼ぶことが念願だったと語り、「全員で支えてくださいよ? そうじゃないと初めて地に着く“鬼”を見ることになりますからね!」とこれから始まる怒涛のライブ空間を共有したいと煽った。

SEが流れると景色が様変わり。光を背に受けたBRAHMAN 4人のシルエットが浮かび上がった。「Kamuy-pirma」をエモーショナルに歌い上げ、会場の空気を一変させると、RONZI(ds)のライドを刻む音と照明の点滅がまるで警報となって、「初期衝動」が投下される。

BRAHMAN

BRAHMAN

MAKOTO(b)もスピーカーに頭を押しつけヘッドバンキングするなど、衝動で演奏する姿が印象的だ。KOHKI(g)のギターソロと切ない表情で歌うTOSHI-LOWに魅了された「其限 ~sorekiri~」。己の信念を持ち、挑み続ける彼らだからこそ歌えること……その重みのある言葉に感化され、盛り上がりは最高潮に。

オーディエンスがフロア前方に押し寄せると「LOSE ALL」でTOSHI-LOWがマイクスタンドごと客席に飛び込んだ。TOSHI-LOW目がけて懸命に手を伸ばす人々で、いっそう熱を帯びる場内。そのまま芦沢がミュージックビデオ(以下、MV)を手がけた「警醒」へと流れ込み、激しいシャウトが放たれるなか、興奮した芦沢もステージからダイブ!

160226-SM-203009

BRAHMAN・TOSHI-LOW(vo)

「鬼ー!」と客席から呼ばれると、TOSHI-LOWは観客に支えられたまま息を切らし、「同じ人間(笑)。吉田も15年くらい経ったら俺みたいになるし、コムアイは普通のおばちゃんになる」とユーモアを交えて話す。

また、「今日対バンした2組に“東北ライブハウス大作戦”に行ってくれとお願いしました」と報告。BRAHMANを始めとする多くのバンドマンが、東日本大震災の被災地にライブハウスを作り活気を取り戻そうと、2012年から続けている活動だ。「新しい世代と音楽があって、そこに“新しい街”が出来たらいいなって、おじさんは思います」と次の世代へとエールを送った。

「今日は、一緒にビジョンの中で戦ってくれたあのネコたちにお礼を言いに来ました」と「警醒」MVを描いた芦沢への感謝も忘れない。マイクを両手でグッと握りしめ「鼎の問」を熱く歌い上げると会場からも大合唱が起こり、最後は拳を突き上げ「FOR ONE’S LIFE」をプレイ。すべての力を振り絞るように演奏し、残響を残して去って行った。

160226-SM-203001

芦沢ムネト

全アクトが終了し、主宰・芦沢は「モッシュダイブ初経験しました! そしてメガネがなくなりました(笑)」と自身も興奮を抑えきれない様子。客席からボロボロになったメガネを渡され「勲章です!!」と笑顔で語る姿に彼を称える声が上がった。

“プロの客”が選んだ、ジャンルや業界の垣根を越え“音楽を心から愛する”メンバーによって生まれたライブイベント『NYA!NYA!NYA!~EXTRA~』。表現方法は違えど、その根本の気持ちは演者、そしてこの空間を楽しんだ私たち観客も同じだったのではないだろうか。「俺、これが好きなんだよね」と仲間に自分のとっておきを紹介するような感覚……芦沢ムネトの人となりがわかるからこそ個性溢れるメンバーが集っても、この一体感は生まれたんだと思う。

音楽好きなネコが繋いだ素敵なイベントがまた行われることを期待して待とう。スクリーンには、手を振るフテネコと「ネクスト ニュー イニャー」の文字が映し出されていた。

160226-SM-203010

SETLIST

トリプルファイヤー
01.SEXはダサい
02.トラックに轢かれた
03.変なおっさん
04.ガンダーラ
05.次やったら殴る
06.カモン
07.エキサイティングフラッシュ
08.スキルアップ

水曜日のカンパネラ
01.ディアブロ
02.桃太郎
03.ツイッギー
04.ウランちゃん
05.猪八戒
06.メデューサ
07.シャクシャイン

BRAHMAN
01.Kamuy-pirma
02.初期衝動
03.賽の河原
04.露命
05.GREAT HELP
06.BOX
07.BEYOND THE MOUNTAIN
08.其限 ~sorekiri~
09.遠国
10.ARRIVAL TIME
11.LOSE ALL
12.警醒
13.鼎の問
14.FOR ONE’S LIFE


芦沢ムネト公式Twitter
トリプルファイヤー オフィシャルサイト
水曜日のカンパネラ オフィシャルサイト
BRAHMAN オフィシャルサイト

151129-UK-113404

毎週日曜更新中だニャ!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事を書いた人