水曜日のカンパネラのMVでおなじみ!藤代雄一朗が引き出す「都市のあらたな魅力」

「見慣れた街の景色も、いつもと違う時間に、いつもと違う気分で見ると、まったく違う街に来たような気分になる」。あなたにも、そんな体験はないだろうか。

今、ミュージックビデオの世界には、そんな「都市のあらたな表情」を映し出す注目の映像作家がいる。今回は、都市を舞台に様々なミュージックビデオを製作している気鋭の映像作家、藤代雄一朗を紹介しよう。

 

水曜日のカンパネラ「マリー・アントワネット」


藤代雄一朗は1984年生まれ、東京都出身の映像作家だ。彼の名は、音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」の一連の映像作品を担当したことで、広く知られるようになった。

楽曲のユニークさはもちろんのこと、ミュージックビデオの斬新さがブレイクのきっかけとなった水曜日のカンパネラ。その歴代ミュージックビデオの中で最も多く演出を務めたのが藤代監督だ(4thアルバム『私を鬼ヶ島に連れてって』では、全8曲中6本のミュージックビデオを担当)。

その中で、都市のあらたな魅力を最も引き出しているのが、「マリー・アントワネット」のミュージックビデオだ。「フランス革命」をテーマにしたこの曲のミュージックビデオは、あえて浅草で撮影された。

舞台は電球だけが灯っている夜中の仲見世通り。観光客が目にすることのないこの光景が、藤代監督の撮影によって異世界のように切り取られていく。

その荘厳な映像の中で、コムアイがコマ送りによって正座のまま進んだり、薔薇を食べたりするコミカルな姿を見せることで、「真夜中の浅草」のあらたな魅力が引き出されたミュージックビデオである。

 

BRADIO「真っ赤なカーチェイス」


次はロックバンド、BRADIO(ブラディオ)「真っ赤なカーチェイス」のミュージックビデオ。「都市を撮りたい」と語る藤代監督にとって、アーバンなサウンドで、カーチェイスをモチーフにしたこの曲は格好の題材。

上空からの撮影で夜の美しい高速道路を映し出し、街中の定点カメラや車に搭載したカメラなどを駆使して、夜の都市の様々な表情をとらえている。

見どころは、サビの“間に合わない 君の2秒後ろ”という歌詞とシンクロしながら女性を追いかけるシーン。わざとカメラを揺らして撮影することで、実際に街中を走っているような臨場感のある仕上がりになっている。

 

泉まくら「P.S.」


最後は、泉まくら「P.S.」のミュージックビデオ。これは藤代監督の撮る映像のうえに、泉まくらのビジュアルワークを担当する大島智子のイラストが重ねられている異色の作品だ。

ゆるいイラストの背景として都市のはっきりとした映像を配置し、通行人の動きだけを逆再生することによって、街の中での「孤独感」が強調されている。まさに泉まくらの曲の持つ世界観とマッチしたミュージックビデオだ。
ミュージックビデオに限らず、青森県弘前市のPR動画を手掛けるなど、都市の魅力を映像で伝える仕事に取り組む藤代監督。次は一体どの街の新しい魅力を引き出して見せてくれるのか楽しみだ。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事を書いた人