歌唱、楽曲&映像制作にいたるまで。スゴ技“1人構築”という音楽の新潮流を築く、音楽クリエイター・財部亮治とは?

財部亮治

曲を構成するすべての音をたった1人で構築していくというパフォーマンス“ひとりglee”で注目を集める、音楽クリエイター・財部亮治がこれまで自身のYouTubeチャンネルで披露してきた楽曲を集めたアルバム『Season 1』を発売。新しい音楽の道を歩む、彼の素顔に迫る!

INTERVIEW & TEXT BY 高橋美穂


心のどこかで音楽をやっていきたい気持ちがあった

──YouTubeで名前と楽曲を広めてきた財部さんですけど、元々シンガーソングライターとして活動されていたのですか?

財部亮治 そうですね。中学生くらいでギターを始めて、高校で軽音部に入って、大学ではゴスペルにも参加して……でも、そのまま音楽の道には進まず、大学卒業後は一度就職したんですよ。人に喜んでもらえることが好きだったのもあり、ウェディングプランナーをやっていました。

僕の出身は福岡なんですけど、ゴスペル時代を知っている人が福岡に新しく出来た音楽事務所にいて、「男性ボーカルユニットを作りたいんだ」って連絡をくれたんですね。その話を聞いたとき、すごく心が動かされたというか……まだ心のどこかで音楽をやっていきたい気持ちがあったんですよ。

すごく素敵な仕事だったんですけど、このタイミングで(音楽を)やらないと後悔すると思って、会社を辞めまして。結局、その事務所には入らなかったんですけど、福岡でお金を貯めて、2011年の2月に上京して、音楽活動をスタートしました。

上京してすぐの頃は、渋谷のライブハウスやクラブで歌っていたんですけど、同じ場所で歌っているとお客さんも共演者も似たような人たちになってくるじゃないですか。もっとたくさんの人に聴いてほしいと思ったので、YouTubeに楽曲を上げることにしたんです。せっかくなら、故郷の福岡で応援してくれている人たちにも知ってほしかったし。

そうしたら、最初の1ヵ月で300回とか観てもらえて、びっくりして。だったら毎月新曲を上げていこう! って(笑)。それから3ヵ月目くらいに月10回行っていたライブの回数を減らして、YouTubeで動画をアップすることを強化したんです。

じゃあひとりでやっちゃえ! と(笑)

──そんな初期に生まれたのが、“ひとりglee”のパフォーマンスですよね。

財部 はい。当時は多重録音をやっている人はそんなにいなかったんですけど、僕、当時から海外のユーチューバーさんに憧れていて。マイク・トンプキンスっていう人がいるんですけど、彼が多重録音をしていて、こういう表現方法もあるんだ! かっこいい! って思って。ゴスペルをやっていたこともあり、海外ドラマの「glee」が大好きだったんですけど、上京して1年くらいだと、一緒に歌える人が全然いなくて……じゃあひとりでやっちゃえ! と(笑)。

──動画制作も多重録音も、音楽を作る以外の技術が必要じゃないですか。そのあたりはどうしようと?

財部 んー……自分でいろいろやってみるのが、僕にとってはしっくりきて。自分の声だけでこんな音が作れるんだ! って思ったし、ソフトを購入して動画の編集をするのも楽しくて。まぁ、面倒臭い部分もありますけどね(笑)。“ひとりglee”も、映像に映っているのはすごく少ないんですけど、80人分くらいの声(音)を重ねているんですよ。

──そんなに!?

財部 はい(笑)。例えば、ギターには6弦あるので、それを表現しようとすると6人分の声がいる。その考え方でドラムだなんだって足していくと、80人分が必要でした。苦労したぶん、出来たときの達成感はものすごくありますよ。

素を見せることが強味になるなって

──YouTubeに動画をアップすると、コメントがもらえるじゃないですか。それも創作活動に火を点けたのではないですか?

財部 その通りです。最近は、待ってくれている人がいるから、アップから1分経ったくらいで反応してもらえるようになりました。それは、他のスタイルじゃなかなかできない体験なのかなって。とても支えになっていますね。

──そうやっていろんな人に届けたい想いがあるからこそ、楽曲がポップになっていくのかもしれないですね。

財部 そうですね。ユーチューバーって、素の自分を見せる機会が多いと思っていて。素を見せることで、こういう経緯でこの曲が出来たんだっていうのが伝わりやすいじゃないですか。そこが強味になるなって。だから親近感も沸きやすいんだと思います。

自分もジャンルを絞らずいろいろできたのかもしれない

──また、歌だけで成り立つような曲からバンドサウンドまで、曲調も幅広いですよね。

財部 なんでも聴くので。それこそさっきお話したみたいに、中学生ではアコギを弾いてフォークソングを歌ってたし、高校はバンド組んでたり。僕はメロコア直撃世代だったんですけど、その後はデスメタルを聴いたりもしてました。かと思えば、大学ではガラッと変わってゴスペルですからね(笑)。あと、YouTubeは音楽だけじゃなくて、バラエティやドラマやいろんなタイプの作品が集まる場所だから、自分もジャンルを絞らずいろいろできたのかもしれないですね。

リアルな世界とネットの世界を繋げていきたい

──そうやってYouTubeを主戦場としていても、この1stアルバム『Season 1』でCDというパッケージにまとめることは、財部さんにとって必要なことだったんでしょうか?

財部 そうですね。シンガーソングライターとしては、やはりCDを出したかったんです。CDを出すことによって、ファンの人たちと現実の世界でも繋がれるし、次のスタートを見せるためにも意味があるんじゃないかと。

──財部さんの曲は歌詞が長いですよね。

財部 はい(笑)。

──ブックレットをじっくり見ながら聴けるから、そういう意味でも、CD化は良いことだと思うんです。

財部 そうですね。僕、YouTubeでは動画説明欄に歌詞を載せているんですけど、皆さん歌詞を読んで聴いてくれているので、たしかに手に取ってみてもらえるのはうれしいですね。

──これからはライブも積極的にやっていくんですよね?

財部 はい。ファンの方とも交流したいし、ファンの方もそう思ってくださっているので。リアルな世界とネットの世界を繋げていきたいです。


プロフィール

タカラベリョウジ/シンガーソングライター兼、音楽クリエイター。2012年6月15日にオリジナル楽曲「This is my way」をYouTubeに初投稿。以降、自分の声だけで楽曲を完成させる“ひとりglee”で注目を集める。

オフィシャルサイト
公式YouTubeチャンネル


リリース情報

2016.02.19 ON SALE
ALBUM『Season 1』
BREAKER

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