メレンゲ SINGLE「シンメトリア」ディスクレビュー

シンメトリア

SINGLE

メレンゲ

シンメトリア

キューンミュージック

2013.11.27 release

初回生産限定盤/写真 <CD+クボケンジ詩集付特殊デジパック仕様>
通常盤 <CD>


未知の希望を引き寄せる、すこぶるポップな引力

結成10周年を越え、たしかに風格と実力が備わっているのだが、その蒼いきらめきは少しも霞むことはない。キューンミュージック移籍第2弾となるニュー・シングル「シンメトリア」を聴いていると、つくづくそう思う。軽快な疾走感と、情熱的と思えるほどにまっすぐなメロディが、ぐいぐいと目の前を切り開いていくようだ。さらに、3ピースのロック・バンドという範疇に留まることなく、シンセなどで遊び心あるフックを散りばめることも忘れない。それでいて、展開はとてもシンプルだから、覚えやすい。“やりたいこと”と“やれること”を、違和感なく溶け合わせることができるのは、歴史を重ねてきた賜物だろう。また、つねにハッとするような視点を披露してくれるクボケンジの歌詞にも注目。タイトルの「シンメトリア」とは、“シンメトリー”が語源の小惑星のことだそうだ。小惑星番号の9696が対称性の数字であることから命名された、とのこと。なお、ロック(69)のシンメトリーにもなっているという、粋な仕掛けも潜んでいる。前作「クレーター」のみならず、彼らは宇宙とロック、宇宙と日々を繋ぐような、ドラマチックな世界観を形成してきたが、ここにきてそれが、より一層ポップに昇華されてきているように思える。そのセンスに長いこと魅了されてきた人間としては、彼らの存在がより広まるタイミングのような気がして、胸を踊らせずにはいられない。

カップリングの「ライカ」は、キュートなリフとビートで幕を開けながらも、ひねくれと切なさが入り混じっていく、より彼らの本質的なところを露わにしたような楽曲。長い間奏では、男くさい演奏を堪能することができる(ライブでも迫力がありそう!)。さらに、初回生産限定盤には、クボケンジが全9篇を書き下ろした詩集が組み込まれた特別仕様になっている。ファンにはこれが欲しかった! と言わしめる、そしてまだメレンゲ未体験の人には、絶好の入り口となる、そんな一枚と言えるだろう。

(高橋美穂)

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