THE BAWDIES SINGLE「THE SEVEN SEAS」ディスクレビュー

THE SEVEN SEAS

SINGLE

THE BAWDIES

THE SEVEN SEAS

Getting Better/ビクターエンタテインメント

2013.11.20 release

完全生産限定盤/写真 <CD+オリジナル絵本「THE SEVEN SEAS」>
通常盤 <CD>


4人を癒やし、照らし出すミッド・テンポの輝けるグルーヴ

全59公演の全国全県ツアー“1-2-3 TOUR 2013”を横浜アリーナー、大阪城ホールで大成功のうちに締め括ったTHE BAWDIES。このツアーの終着地点の横浜、大阪はもちろんのこと、京都、東京、山口、北海道と、筆者が観てきた各地のライブは、終演後に4人が酸欠寸前、汗まみれの状態で床に倒れ込むほどに壮絶なものだった。そして、想像するまでもなく、全59本のライブが例外なく限界まで全身全霊を傾けたものだったことはツアーの成功が如実に物語っている。

そんなツアーの最中、新曲の制作に着手したTHE BAWDIESの4人。ライブ以外の時間は半ば放心状態だったというROYは曲作りにかなり苦しんだようだが、あるとき、その状況を反転させて、自分の求める理想的な状態、肩の力を抜いて、海に浮かんでいるような、そんなリラックスした世界をイメージした。結果、生まれたのが本作タイトル曲「THE SEVEN SEAS」なのだという。近年、彼らのシングルはその後のTHE BAWDIESの行く先を照らし出す、そんな作品が続いていたが、LOVE PSYCHEDELICOのNAOKIをプロデューサーに迎えたタイトル曲はツアー終了後のバンドの状態や2014年その後の方向性を反映したものではなく、その間に図らずして生まれた不思議なエアポケットに響き合うミドル・チューンとなった。

光を放つようなギター・アンサンブルに導かれ、彼ららしいダンス・グルーヴがじわりじわりと浮遊感や高揚感を生み出していく耳新しいタイトル曲から一転して、ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトをブルース・ハープでフィーチャーした2曲目の「1-2-5」はカナダのカルト・ガレージバンド、ザ・ホーンテッドが1966年に発表したアグレッシブな一曲。ヒロトのハープは一発で録音完了し、30分足らずでスタジオから去っていったということだが、続く、オーティス・レディングの「(SITTIN’ ON) THE DOG OF THE BAY」の口笛にインスパイアされた3曲目の「MUSIC IS MY HOME」は、カバーの疾走感と「THE SEVEN SEAS」の透明感を融合させたもの。ツアーで消耗した彼らは、音楽が嫌いになるかもしれないという不安が一瞬頭をよぎったというが、4人が揃えば、やはり、そばにはいつも音楽があるのだ。そんな想いが投影された楽曲は、12月に行うニューヨークのソウル・ボーイ、イーライ・ペーパーボーイ・リードとの対バンに向け、再び走り出THE BAWDIESのあらたなスタート地点にふさわしい1枚といえるのではないだろうか。

(小野田雄)

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