YOUR SONG IS GOOD ALBUM「OUT」ディスクレビュー

OUT

ALBUM

YOUR SONG IS GOOD

OUT

カクバリズム

2013.11.20 release

<CD>


ダンサブルでダンディズムに満ちた、15年目の絶頂

前作『B.A.N.D』から実に3年8ヵ月ぶりとなる待望の新作であり、古巣・カクバリズムに回帰してリリースされるYOUR SONG IS GOOD通算5枚目となるフル・アルバムは、“これがユアソン!?”という驚きとドキドキ、そして“これぞユアソン!!”という快哉とワクワクが渦巻く会心作! “OUT”というタイトルが腑に落ちないくらい、ミュージック・ラバーズには“ど”ストライクな極上インスト・アルバムの誕生だ。何しろオープニングの「Re-serch」からルーディかつ粋なアンサンブルで徐々に、確かな手さばきでテンションを高め、続く「Changa Changa」の人力テクノな推進力で一直線にレッド・ゾーンへ。音響/ポスト・ロック的アプローチの3曲目「Dripping」、さらに代名詞的な南国風味の絶頂ダンス・ナンバー「Ultra Roll Up」と、パーカッショニスト・松井 泉(元bonobos)を迎えて制作されたことも相まって、とにかく身体を揺らさずにはいられないホットなバイブスが満載なのだ(なかでも個人的な推し曲は、今年5月のNiw!Records10周年ライブで初体験して一発で持ってかれたトランシーなジャム・ナンバー「The Cosmos」。確実にトベます!)。

ライブハウス、クラブ・シーン、野外屋内問わず日夜ステージに挑み、“大衆”へと照準を定めたメジャー期の試行錯誤を経て、ひと回りしたような部分もあるのだろう。今のユアソンは何より自らのセンス/感性というものにフォーカスしていて、その一切の逡巡(しゅんじゅん)なきスタンスにはある種のダンディズムのようなものを感じてしまうほど。いつもにも増してエネルギッシュでストイックなプレイからは、「ワテらの15年のキャリア、どんなもんじゃい!」と言わんばかりの、メンバーの汗まみれのドヤ顔が目に浮かぶようだ。個人的2013年下半期のベスト・ディスク最有力候補と言って過言じゃない、インスト・バンドとしての矜持(プライド)を見せつける完全マストな強力盤。リリース・ツアーが今から無性に楽しみだ。

(奥村明裕)

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