THE BAWDIES – 59公演におよぶ全国全県ツアーでライブ・バンドとしてさらなる成長を遂げた彼らが放つシングル「THE SEVEN SEAS」のテンションとは?

THE BAWDIES

「LEMONADE」以来の13ヵ月ぶりとなるシングルは「THE SEVEN SEAS」。THE BAWDIESにとって初と言ってもいいアコースティックなタッチのメロディアスなナンバーは、新鮮という以上の驚きとともに迎えられるに違いない。だが、こだわりをブチ込みながら柔軟に新風を取り込んだ彼らならではの新曲が生まれた背景には、今年前半に全国59ヵ所を駆け抜けた“1-2-3 TOUR 2013”があった。DVD/Blu-ray「1-2-3 TOUR 2013 FINAL at OSAKA-JO HALL」として映像商品にもなったツアー・ファイナルを、今は笑顔で振り返る4人。初の大規模ツアーから得たものは確実に彼らを大きくしている。語り切れないほど充実した1年、だが、まだ彼らの2013年は終わらない──。

INTERVIEW & TEXT BY 今井智子

 

あそこまで追い込まれないと生まれないものだった

──新シングル「THE SEVEN SEAS」完成おめでとうございます! 曲作りやレコーディングは今年前半のツアーの合間にやっていたんですか?

ROY ツアー中です。いつもだったらツアー中の感覚を楽曲に取り入れていこうという余裕があるんですけど、今回はなかったんですよね。振り返ってみると、僕がこの曲以前に曲を書いたのは、アルバム『1-2-3』に入っていた「1-2-3」で。それから半年以上曲を書いていなかった。今までそんなことはなかったので理由を考えてみると、“1-2-3 TOUR 2013”がつねに力を張った状態じゃないと、力を緩めると戻れなくなるような過酷なツアーだったから。だから、今までと同じ感覚では曲は作れないと思ったし、曲を作るためにといってツアー・モードは崩せないので、もうひとりの自分がいる心の部屋を作るみたいな感覚でやってみようと思ったんです。その曲を作っているときだけはツアーのことを考えなくてよくて、自由な発想で考えることを許されるみたいな、自己暗示じゃないですけど、そういう感覚で作っていったんですよね。そしたらこの曲が生まれて。

──7つの海とは大きな曲ですが。

ROY 本来の自分が感じてること……ライブにどっぷり浸かっていて、それ以外の何もないという状況から、心のオアシスじゃないですけど、そういったものを求めていたというか。だからこれだけ世界観の広いものになり、光だとか、包まれるものだとか、どこかで自分がそういったものを求めていたんだろうなとも思います。「THE SEVEN SEAS」って大きいものですけど、そういった大きいものに救われた瞬間ってたくさんあって、それが楽曲になっていった。あそこまで追い込まれないと生まれないものだったので、今後こういう方向に行くとか、そういうことではなくて、たまたまあのときに生まれた楽曲ということなんですよ。奇跡的に出来た楽曲だと思いますけど、ここまで追い込んで突き詰めてみて、初めて新しいものが生まれるんだなと思いましたね。

いつもだったらオーティスだとかを聴いて過ごしてるんですけど、
そのとき本当にザ・バーズを聴いてた

──THE BAWDIESには珍しく、ゆったりしたテンポやメロディ、アコースティック・テイストなサウンドなどが、’60年代のアメリカのバンド、ザ・バーズみたいですね。

ROY ツアー中って、いつもだったらオーティス・レディングだとかガッツリ濃いものを聴いて過ごしてるんですけど、そのとき本当にザ・バーズを聴いてたんです。そういうことって、あんまりないんですね。

──(笑)現実逃避ですか?

ROY うん。それはあると思います。

──この曲を聴いたとき、どんな印象を持ちました?

MARCY 最初は、ただどうしようかなって(笑)。メロディもキレイで、イメージがザ・バーズって聞いたときに、どうしようかなってホントに思って。ザ・バーズっぽくやろうと思えばできるし、なんでもハマっちゃう曲なので、ドラム目線で考えると、それをTHE BAWDIESがやる理由というか意味を付けていこうかなというところから始まった楽曲です。そこで迷ったり悩んだりしつつ、みんなで合わせていくなかで、JIMから「こういうキレイなアルペジオが流れているところで、タテ乗りじゃないダンス・ビートっぽいものを入れてほしい」というオファーがきたので。
JIM オファーって(笑)。
MARCY オファーというか、イメージを伝えてくれたので、それは自分にとってなかったイメージだったし、すごく新鮮だったので、じゃあやってみようかなと思って、いろいろ参考に聴いたりしながら作っていった曲ですね。

──ちなみに、どんなものを参考に?

MARCY ザ・ストーン・ローゼスとか聴きましたね、すごい久しぶりに。そういうものを聴いて、でもそれだけじゃない……AメロとかBメロの流れもしっかり入れて、サビとかイントロのリフが流れたときに、気持ちよく広がるようにしていきました。

ザ・バーズとザ・ラーズの差って時代じゃないですか。
そういう見せ方というか世界観の作り方を、すごい気をつけた

──たしかに広がりのあるビートですよね。ギターはアコギ? エレアコ?

TAXMAN あれは、エレキと12弦のアコギをミックスさせたんです。エレキ・ギターでなくてもいいやと思って。さっきザ・バーズっておっしゃいましたけど、ROYが「こういう曲だよ」みたいに聴かせてくれたときに、わかるわかると思って。いつもはエレキ発信でギターを乗っけるんですけど、僕も気分的に最初からアレンジはアコギで乗っけたかったというか。だからパッと聴きもザ・バーズみたいにキレイなアルペジオが合うだろうなと思ったんで、いいアルペジオだなと思えるものを作ろうと思ったんです。僕もツアー中で疲れてたりしたときに、曲作りがいい息抜きになったというか……いつもだったらオーティスとか聴いたりするところを、白人のブルー・アイド・ソウルでも、というモードではあったんですよ。だからわりとすんなり、わかるなと思って乗せれたんです。その、いつもだったらエレキ・ギターをゴリゴリに入れてるところを、アコースティック・ギターのほうが比率的に多いというのは、そういう精神的な部分が現われてるんだと思います。だから、キレイな曲を作ってとか考えたりしたのではなくて、最初から自然とアコギを手にしてた。
ROY みんな同じ気持ちだったんだね。
JIM 僕もツアー中の移動日とか、特に外に出るわけでもなくホテルでずっとギターを弾いてたんですよね。そういうときにいろんなアイデアをちょこちょこ自分の中で溜めてて。それで、ちょうどそのとき、僕も聴いていたのがザ・バーズで。アイデアのひとつがザ・バーズみたいにキレイなアルペジオがあるところに、ダンス・ビートがベースも含め乗って、その上でさらに浮遊感がある世界観の中にROYくんの声が乗ったらどうなるだろう、というのがあったんですよ。そういうのって、たいていボーカルも寄り添っちゃうんですよね、サウンド側に。そうじゃなくてTHE BAWDIESでこれをやったら面白いなって思っていたら、(曲作りで)集まる前日にROYくんから電話があって。「今作ってる曲があって、ザ・バーズみたいなアルペジオを考えてて」って。もうキーワードが一致して、だったらこういうアイデアがあるんだけどって、バンドに投げて、MARCYにビートを相談したり。だから、ゴールの絵が見えてたので、そこに向かって皆で高め合っていく感じというか。ミックスとかでもエンジニアさんとメチャクチャ話し込んで辿り着いたというか。ただのキラキラしたいい曲だねっていうんじゃなくて、ザ・バーズからザ・ラーズ(80’Sのネオ・アコ・バンド)に変わるというか、ザ・バーズとザ・ラーズの差って時代じゃないですか? その時代感のところとか、そのビートのところというか、見せ方というか世界観の作り方を、すごい気をつけたんですよね。一歩間違うと、大変なことになっちゃうんで。

──懐メロにしないという、細かいけど大事なところですね。

JIM そうなんですよ。ビートも横乗りでやってもらったんだけど、あれも一歩間違うとレッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)みたいになっちゃうんですよね。それをダンス・ビートとして、横乗りできるところにどう提示していくかってMARCYとすごく話したりして……で、頑張った感じです。

──歌詞は、海を越えて君を探すんだ、というスケールの大きなラブ・ソングですか?

ROY そうですね、ラブ・ソングではあるし、ストレートなものではあるんだけど、楽曲に沿って、世界観としては広いものになったかなと。自分がツアー中、その楽曲を作ってるときに、心が解放されたような、そのときに包んでくれた光とか、そういうものに対して文章を書いていった感じですかね。

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