きゃりーぱみゅぱみゅ SINGLE「もったいないとらんど」ディスクレビュー

もったいないとらんど

SINGLE

きゃりーぱみゅぱみゅ

もったいないとらんど

ワーナーミュージック・ジャパン

2013.11.06 release

初回盤 <CD+DVD>
通常盤/写真 <CD>


キラキラのファンタジーの中にリアルなメッセージを垣間見る

 今年6月に発表した2ndアルバム『なんだこれくしょん』がオリコンウィークリーチャートで1位を獲得。夏には様々なイベントに出演し、秋には全国21都市23公演の初のホール・ツアー“なんだこれくしょんツアー~きゃりーぱみゅぱみゅの宇宙シアター~”を開催とまだまだ快進撃を続ける、きゃりーぱみゅぱみゅ。そのツアーできゃりーは、ミュージカルをイメージしたこれまで以上にエンターテイメント性の高いショーを見せ、ますますアーティストとしてのポテンシャルをアップさせていた。

 海外での高い評価も含めて、もはや原宿代表から日本代表となった彼女が、5ヵ月ぶりのニュー・シングル「もったいないとらんど」をリリース。プロデュースは、もちろん盟友の中田ヤスタカ(CAPSULE)。新曲は、トイピアノに跳ねたビート、シンバルが鳴り響くキラキラなポップ・チューン。絶妙に上下するメロディ・ラインを、速いテンポで歯切れ良く歌っていくきゃりー。楽曲をちょっと不思議なカラーに彩っていくコーラスも、さりげない隠し味となっている。歌詞は、週末の夜に現れるファンタジック・ワールドを思いっきり楽しもうといったストーリー。つまりタイトルは、“もったいない”と“ナイトランド”を合わせたワード。“魔法の世界”は、夢や希望のメタファーとも受け取れる。ただ、「明日には消えるキラキラなんて」や「坂の上から眺める 景色が永遠ならいいのに」といったフレーズから、どこか切なさも感じてしまう。すごく平たくネガティブに言うと、良いときなんかすぐ終わってしまうということ。しかし同時に、期待を持ち続けていたらまだまだ続くというポジティブさも込められているのだ。キュートでハッピーさの中に、かなりリアルなメッセージが詰まった一曲のように思える。いつも以上に、きゃりーのボーカルが生々しいのも、楽曲が持っている本質と繋がっているように思えてしまうのだ。

「もったいないとらんど」は、同世代を中心にリスナーを引っぱっていくポップ・アイコンとして、きゃりーがグングン存在感を増していることがストレートに反映された楽曲と言っても良いんじゃないだろうか。それを、暑苦しくなくさらりと示せるのが、彼女がこれだけ支持され続けているひとつの要因だろう。と、妙に堅苦しく分析チックになってしまったが、シンプルに曲を楽しんで何か感じることがあればそれでオッケー。きゃりー流ポップ・ミュージックの面白さを十二分に味わってもらいたい。

(土屋恵介)

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