SEKAI NO OWARI – 想像をはるかに越えたファンタジックな演出で約6万人を魅了した“炎と森のカーニバル”で見えた、SEKAI NO OWARIの揺るぎない思いーー。【ライブレポート】

SEKAI NO OWARI

SEKAI NO OWARIが初のセルフプロデュース野外イベント“炎と森のカーニバル”を開催した。Fukaseが夢で見た世界を現実のものにするために5億円もの総制作費を投入。完全独自の音楽テーマパークを築き上げ、3日間で約6万人のオーディエンスを動員した。このイベントで見えたSEKAI NO OWARIの真髄をひも解く。

TEXT BY 三宅正一 PHOTOGRAPHY 上飯坂 一

 

夢を具現化するSEKAI NO OWARIの実行力と執念

「僕が夢に見た内容を全部、富士急ハイランドで具現化します。空間として、ライブとして、相当こだわって作るので、楽しみにしていてください」(Fukase)
「詳しいことは当日を迎えるまでのお楽しみですけど、ひとつ明かすと、巨大樹を作って、その下でライブをします」(Saori)

SEKAI NO OWARIにとって初のセルフ・プロデュース野外イベントとなる“炎と森のカーニバル”についてFukaseとSaoriがそう語ったのは、「RPG」のオフィシャル・インタビューを行ったときだった。Fukaseが夢に見た内容を全部、具現化する? 巨大樹を作って、その下でライブをする? 正直、その話を聞いたときは彼らがいったいどのようなイベントを創造しようとしているのか、まったく想像がつかなかった。しかし、あれから半年が経過した10月12日、3日間にわたって開催される“炎と森のカーニバル”の初日。富士急ハイランドの敷地内に設置された“TOKYO FANTASY TREE LAND”に足を踏み入れると、まさに“夢を具現化した”という言葉にふさわしい、森に囲まれたファンタジックな空間が姿を現した。

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メイン・ステージのある広大な敷地までの導線はサブ・エリアになっていて、そこではオーディエンスの仮装コンテストやクイズ企画が行われるなど、カーニバルに誘うための細やかな仕掛けが施されていた。そして、メイン・ステージにたどり着くと、そこには確かに約30メートルもの巨大樹がそびえ立っていたのである。会場レイアウト、空間デザイン、舞台装置と演出、何もかもをメンバー自らが手がけた“カーニバルスペース”は、完全独自のテーマパークと呼ぶべきものだった。すごい——。この日、何度もその言葉が思わず口をついて出たが、夢を具現化するSEKAI NO OWARIの実行力と執念は並大抵じゃなかった。いや、それはこれまでも理解していたつもりだったが、彼らの想像力と創造力のスケールは、もはや誰も追いつけないほどに巨大化していたのだ。

それは、鐘の音を合図にライブがスタートし、火と雨に覆われた森の動物たちとドラゴンが咆哮する緊迫したアニメーション映像を経て、1曲目「Love the warz」が鳴らされた瞬間からまざまざと見せつけられた。ラテン・テイストのサウンドと“愛と平和”をめぐる矛盾を鋭く射抜くFukaseのラップが響くなか、ステージにはいくつもの炎が上がり、巨大樹からスコールのような強い雨が降り注ぐ。スクリーンに映し出された森の危機的状況を現実化した格好だ。続く「虹色の戦争」では一転して開放的なムードになり、オーディエンスに配布された“スターライトリング”と称されたシンクロライトが7色に明滅する。

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最初の2曲の時点で、SEKAI NO OWARIの表現哲学である皮膚をめくり上げるようなリアリズムと煌びやかなポップネスの融合=生々しいファンタジー性を浮き彫りにしてみせた。また、これまで以上に腹を打つような低音を強調した音響も印象的だった。

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“真ん中”のすごみ

会場が侵入者に占拠されたという警報とアニメーション映像を経てDJ LOVEが見せたMJ風ダンス・パフォーマンス、ドラゴンや動物をモチーフにした豪奢な衣装、その美しさに目を奪われるウォーター・スクリーン——オーディエンスを視覚的に魅了するファンタジックな演出を豪勢にするほど、聴覚に訴える音楽力はタフでなければいけないことを彼らはよくわかっている。そんなことを思わせるプレイと音作りだった。なかでもSEKAI NO OWARIのダークサイドをあらためて際立たせる新曲「Death Disco」と、彼らの音楽的な原風景が刻みつけられた「幻の命」の求心力は格別なものがあった。

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ロックとポップ、リアルとファンタジー、生と死、正義と悪、戦争と平和、自由と不自由、賞賛と誹謗。彼らはつねに二律背反の概念や事象の両方に目をやり、鮮烈な方法論で“真ん中”を示す。“炎と森のカーニバル”は、その“真ん中”のすごみを、過去最高のインパクトをもって示したライブだった。

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ロック・バンドが体現するポップ・ミュージックの可能性

総合演出を務めているSaoriは、自身のブログで今回のイベント総製作費が5億円にも及んだことを明かした。チケット代などの収益を単純計算しても大きな赤字を負うことは最初から明らかだった。おそらく周囲には開催自体に異を唱える人や演出の縮小化を促す人もいただろう。それでも彼らはFukaseが夢に見た“炎と森のカーニバル”を細部にわたって具現化することを選んだ。改めて書くが、この実行力と執念こそがSEKAI NO OWARIの原動力である。借金をしてメンバー自らの手でイチから築き上げたライブハウス“club EARTH”で、寝食をともにしながら楽曲制作を行っていたあのときから、SEKAI NO OWARIのアティチュードは微塵も変わっていない。ロック・バンドが体現するポップ・ミュージックの可能性を広げ、オーディエンスに未体験の驚きと感動を提供するのも、すべては自分たちのためにやっていることなのだと、彼らは言い切るだろう。そして、これからも彼らの想像力と創造力のスケールは絶え間なく巨大化していくだろう。SEKAI NO OWARIの夢は、まだまだ終わらない。

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SETLIST

01. Love the warz
02. 虹色の戦争
03. illusion
04. ファンタジー
05. 白昼の夢
06. 天使と悪魔
07. 花鳥風月
08. Death Disco
09. broken bone
10. 深い森
11. 眠り姫
12. 幻の命
13. アースチャイルド
14. yume
15. RPG

ENCORE
EN1. スターライトパレード
EN2. Fight Music
EN3. インスタントラジオ

DISC INFORMATION

DIGITAL SINGLE 2013.10.30 release
「Death Disco」
トイズファクトリー

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PROFILE

セカイノオワリ/Nakajin(Leader、SoundProduce、g)、Saori(StageProduce、pf)、Fukase(vo、g)、DJ LOVE(SoundSelector、DJ)の4人組。’10年に期間限定シングル「幻の命」、アルバム『EARTH』をリリースし、翌年にシングル「INORI」でメジャー・デビュー。その3ヵ月後には日本武道館でワンマン公演を行い、昨年7月にはメジャー・デビュー後初となるアルバム『ENTERTAINMENT』をリリース。今年に入ってからはアリーナ・ツアーを大成功に納め、海外展開もスタート。10月30日にはナゾトキネマ「マダム・マーマレードの異常な謎〜出題編〜」主題歌で今回のライブでも披露された話題の新曲「Death Disco」を配信リリースする。

LIVE INFORMATION

SEKAI NO OWARI 全国ARENA TOUR 2014「炎と森のカーニバル-スターランド編-」
2014年4月12日(土)・13日(日)・14日(月)大阪 大阪城ホール
2014年4月25日(金)新潟 朱鷺メッセ
2014年4月28日(月)・29日(火・祝)・30日(水)埼玉 さいたまスーパーアリーナ
2014年5月6日(火・祝)福岡 マリンメッセ福岡
2014年5月10日(土)・11日(日)広島 広島グリーンアリーナ
2014年5月17日(土)宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ
2014年5月27日(火)・28日(水)愛知 日本ガイシホール
2014年6月14日(土)徳島 アスティとくしま
2014年6月21日(土)北海 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ

関連リンク

・SEKAI NO OWARI OFFICIAL WEBSITE
・Twitter
・Facebook
・YouTube

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