SiM ALBUM「PANDORA」ディスクレビュー

PANDORA

ALBUM

SiM

PANDORA

NAYUTAWAVE RECORDS

2013.10.23 release


本気で世界をひっくり返すために──

 メジャー・レーベルがこぞって獲得に乗り出し、晴れてユニバーサルミュージックと契約した後に発表されたシングル「EViLS」(2013年5月リリース)はオリコン初登場9位を記録するなど、ラウド・シーンの急先鋒として加速度的に存在感とポピュラリティを高めているSiM(ちなみにバンド名は“Silence iz Mine”のアクロニム)。動員もうなぎ登りで、オーディエンスがライブハウスで生み出す熱狂は狂信的とも言えるほど(10-FEET・TAKUMAに通ずる包容力とメンタリティを持ち合わせたフロントマン・MAHのアジテーションがまた扇情的ゆえ)。

 そんな4人が、メジャー移籍後初となるフル・アルバム『PANDRA』を完成。はっきり言って、これはバンドのブレイク・ポイントとなるべき記念碑的作品でしょう! 何しろ冒頭のタイトル・トラックからヘドバン必至の過剰なビートが鳴り響き、SiMの専売特許たる“ハードコア×レゲエ=熱量∞”な「BRAiN」、そして「oh na na na(オーナナナー!!)」とライブではとんでもないカオスと一体感が渦巻く「Blah Blah Blah」など、どこを切ってもレッドホットなクライマックスだらけ。行く手を阻む“打ち倒すべきもの”を徹底して糾弾し、「俺たちはたかが群衆の一部じゃない」(和訳)(「Pieces of Troops」より)と仲間を熱烈に鼓舞するリリック含め、多くのキッズを心酔させるに違いない。これこそが、俺たちのための音楽だと。

いちばんのハイライトと言えるのが、これまでのフッテージを綴った自伝的な最終曲「Upside Down」。少し引用すると、「高校でSiMを始めたけれど 誰も理解しようとしてくれなかった」「挫折を味わい、行く場所もなくなった」(和訳)という赤裸々な内容で、しかし、最後には高らかにこう宣言するのだ。「最後まで戦い続けるよ 世界を完全にひっくり返すために」。そう、コイツらは本気で音楽の力を信じ、自分たちと仲間の結束を信じ、この糞みたいな世界を変えようとしている。だいそれた野望だが、少なくとも、そのための覚悟は決まっている。11月15日から始まる“PANDORA TOUR 2013-2014”は言うまでもなく必見。

(奥村明裕)

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人