KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー

KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー

KANA-BOON

KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー

2014年6月21日(土)@なんば Hatch

KANA-BOON、初の全国ツアー”KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー”の本編最終日、大阪公演をリポート! 地元の彼らにとって憧れの場所である、なんばHatchで4人はどんなステージで魅せてくれたのか!? 忘れられない一夜の模様をお届けします!

TEXT BY 本間夕子
PHOTOGRAPHY BY キセキ


ただいまー! いいね、帰って来たよ!

 ひとたび上昇気流に乗ったバンドの成長というのはこれほどにも目覚ましく、そして目映いものだろうか。メジャー・デビューからまだ1年足らず云々などと言うまでもなく、今ツアーがスタートした初日の東京・新木場STUDIO COASTを振り返っても格段の進化を遂げている。“着実”だの“堅調”だのの倍を行くスピードで日々を駆け抜けているKANA-BOON。昨年11月に続き、地元大阪にて二度目のワンマン・ライブであり、初の全国ツアー“KANA-BOONのご当地グルメワンマンツアー”の本編最終日(残るは東名阪での追加公演3公演)となった大阪・なんばHatch公演は、4人の尋常ならざる勢いをひしと体感させられたステージだった。

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 開演予定15分前の場内はすでに満員の様相で、にも関わらず入場する人の流れは一向に止まる気配がなく、見る間にフロアの密集度が上がっていく。当然ながら立ちのぼる熱気の温度と湿度も生半可じゃない。おそらく今ツアーの全会場でかかっていただろうQUEENの名曲たち、そこに随時差し挟まれる小泉貴裕作曲の、その名も「ホルモン」をBGMに観客一人ひとりがまもなく訪れる狂騒を待ち構えているのがわかる。開演時刻の18時をきっかり5分回って唐突に落ちる客電。小泉が先導するように四つ打ちのリズムを刻むや、一斉に歓声とハンドクラップが起こり、フロアが激しく波打ち始めた。興奮を押し上げる屈強なアンサンブル、音のうねりの渦中から「ワールド」のイントロの特徴的なギター・フレーズが飛び出せば、もはや怒濤のKANA-BOONワールドに飲み込まれるしかなかった。

「ただいまー! いいね、帰って来たよ。やっぱり大阪がいちばんですよ、って終わったとき僕らが胸張って言えるようによろしくお願いします。今日は期待していますからね」

 客席から寄せられるたくさんの“おかえり!”の声に応えて谷口鮪が呼びかける。メンバーも加わって楽屋の様子(スタッフがその場でたこ焼きを焼いてくれたという)や家族の話など、途端にゆるゆると繰り広げられるトーク。演奏中のみなぎるテンションとは真逆なMCも彼らの魅力だが、今日は地元ならではの近しさも手伝ってか、いっそう緩さに拍車がかかっているらしい。その後も飯田祐馬と小泉によるご当地グルメレポート大阪編や、古賀隼斗渾身の声真似(ACミランの本田圭佑)&物真似(江頭2:50ならぬ古頭“コガシラ”2:50)などで大いに会場を沸かせるのだった。

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 しかし、再び演奏に戻ればエッジの利いたサウンドに乗せた彼らの気勢がビシビシとオーディエンスを刺しては容赦なく踊らせる。例えば「ストラテジー」の間奏にて中央に立つ谷口の背後で飯田と古賀がにんまりと視線を交わし、次の瞬間、どやさ! と言わんばかりに威勢よく同時に振り上げたネックをまた同時に振り下ろす場面など観ているこちらの背筋に電気が走るほどのキレの良さ。小泉が叩き出すビートは抜群の安定感で一貫して熱狂のボトムを支える。ハイトーンがかった谷口の声質に加えて、このハイテンポな四つ打ちが彼らの武器であることは間違いないが、それにしてもなんと強いことか。

憧れの場所に今日、ワンマンで来れたのがすごくうれしいです

 もちろん踊れる四つ打ちだけがKANA-BOONの魅力ではない。ライブも中盤戦を過ぎて披露された「東京」に滲む、やるせないまでの寂寥とそれでも朧な未来に手を伸ばそうとするそこはかとない希望感、心情を紡ぐようにして切々と織り上げられる歌の風景とメロディ、緻密にしてエモーショナルなバンド・サウンドには、この曲に触れた者をただひたすらに聴き入らせる。9公演を重ねた疲労もさすがにあるのだろう、歌い出しこそノドがかすれかけたが、それでも頓着することなく、むしろひときわ声を張ってマイクに向かう谷口の姿は実に頼もしく、今のKANA-BOONを象徴して印象的だった。

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「アッツいね、Hatch。Hatchは思い入れのあるハコで。大阪のバンドマンからしたら、なんばHatchでやるなんて雲の上のそのまた上の上、みたいな感じなんですよ。そういう憧れの場所に今日、ワンマンで来れたのがすごくうれしいです」

 ライブも佳境に差しかかり、しみじみ噛み締めるように谷口が言う。

「よくこれだけの人が俺らのことを好きになってくれたなと思います。もちろんもっともっとたくさんの人に来てほしいですけどね。ここ以上に大きい会場もまだまだありますから。そんな大きいライブの告知をしていいですか」

 古賀に「そんな流れ!?」と突っ込まれつつも、8月30日に泉大津フェニックスで行なわれる彼ら初の野外ワンマン・ライブ“ヨイサヨイサのただいまつり! in 泉大津フェニックス”の開催を告げる。そうやって“初”を更新していくたびにバンドはまたひと回りもふた回りも大きく育っていくのだろう。「結晶星」でもやりますか、となだれ込んだ終盤戦ブロックはもう一気。「やってきましたよ、歌う準備はできてますか」とたっぷり煽って曲中、本日最大級のシンガロングを場内に巻き起こした谷口曰く“チャーハンの歌”こと「ないものねだり」からKANA-BOONのデビューを飾ったシングル曲「盛者必衰の理、お断り」への流れは圧巻のひと言に尽きた。

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みんなと視線が合ったりしていて、そういうファイナルを迎えられて本当にうれしい

 この日、彼らはオーディエンスにひとつの提案をした。それは彼らが思う理想のライブのあり方について。もちろん楽しみ方は人それぞれ。けれど「僕らとしてはやっぱり僕らを観てほしくて。ステージに立つ人を一生懸命観るライブっていうのが僕は理想の形だと思ってるんです。サークルモッシュで楽しむのもいいことだけど、ステージに立つ側からすると背を向けられるのはちょっと寂しい。特に僕らは4人とも寂しがりですから」。そうして「でも今日はみんなと視線が合ったりしていて、そういうファイナルを迎えられて本当にうれしい」と続ける。音楽を媒介にしっかりと対峙したい、交歓したい。そうした意義ある意志の提示だと思った。

「最高の夜をありがとう!」

 アンコール・ラストの「A.oh!!」、そのエンディングで谷口が叫んだ。満面の笑顔でステージを去る4人の背中はまた少し輪郭線を濃くしたようだった。8月27日にはニュー・シングル「生きてゆく」のリリースも決定した彼ら。KANA-BOONの躍進はまだまだ留まるところを知らない。

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SETLIST

1.ワールド
2.クローン
3.ウォーリーヒーロー
4.MUSiC
5.ストラテジー
6.ミミック
7.目と目と目と目
8.夜をこえて
9.1.2. step to you
10.見たくないもの
11.東京
12.羽虫と自販機
13.さくらのうた
14.桜の詩
15.レピドシレン
16.結晶星
17.ないものねだり
18.盛者必衰の理、お断り

ENCORE
1.フルドライブ
2.A.oh!!

リリース情報

2014.08.27 ON SALE
ニュー・シングル「生きてゆく」

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ライブ情報

“ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN FES. 2014 ”

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“KANA-BOON野外ワンマン ヨイサヨイサのただいまつり! in 泉大津フェニックス”

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