TEXT BY 大石 始
イタリア、イングランド、ウルグアイという優勝実績のある強豪チームが並び、“死のグループ”とも言われたグループD組。そのなかでウルグアイと共に奇跡のグループ・リーグ突破を決めたコスタリカ代表チームが注目を集めている。ここでは、あまり紹介されることのないコスタリカの音楽シーンを覗いてみよう。
中米に位置するコスタリカは、ニカラグラとパナマに挟まれた共和制国家。公用語はスペイン語だが、太平洋とカリブ海に面していることから、カリブ海一帯からの影響も色濃い。カリブ海沿岸地域はジャマイカにルーツを持つ人々も多く、一部では今もパトワ語(ジャマイカン・イングリッシュ)が話されているという。
コスタリカを代表する美女シンガー“デビ・ノヴァ”
そんなコスタリカは“中南米屈指の美女の国”とも言われる。中南米の美女率が高い国として、コロンビア、チリと共に“中南米の美女大国3C”と言われるほど。そんなコスタリカを代表する美女シンガーとして名前を挙げたいのが、1980年生まれのデビ・ノヴァだ。2010年にはアルバム『Luna Nueva』でインターナショナル・デビューを飾った彼女は、“コスタリカのビヨンセ”もしくは“コスタリカのシャキーラ”といった存在。抜群のルックスに加え、これまでにブラック・アイド・ピーズやショーン・ポールともコラボレーションしてきたという実力の持ち主だ。セクシーな「Drummer Boy」(2010年)のミュージック・ビデオも良いが、ここではミュージシャンとしての実力が伺える最新ミュージック・ビデオ「Amor」を紹介しておこう。
ライブ集客数トップクラス国民的ロック・バンド
そんなデビ・ノヴァが若干14歳で加入し、現在でも縁の深い国民的ロック・バンドがガンジーだ。1993年に結成された彼らのサウンドはどこまでも骨太で男臭いもの。コスタリカのポップ・チャートは他の中南米諸国のラテン・ポップ系アーティストやアメリカのトップ40ものに占領されていることが多いが、そんななかでもガンジーは健闘。ライブの集客数もコスタリカ音楽界では常にトップクラスだ。また、ガンジー以外にも大所帯のミクスチャー系ロック・バンド、ロス・アヘーノスも高い人気を誇っており、コスタリカのロック・シーンはなかなか充実している模様。
カリブ文化の影響を受け、ベテラン楽団も多数
なお、冒頭で触れたように、コスタリカはカリブ文化からの影響も色濃い国。そのためカリブ最南端の小国、トリニダード・トバゴのカリプソを演奏する楽団も古くから存在しているという。こちらのカウェ・カリプソはそんな楽団のひとつ。素朴な楽園音楽がなんともいい味を醸し出している。
コスタリカ代表チームがグループリーグを突破したとき、「コスタリカ? どこそれ?」と思った方も少なくないのでは。でも、ここでご紹介した音楽に触れることで、代表チームと彼らの祖国に対してグッと親近感を持っていただけるはず。なにせ“中南米屈指の美女の国”、ぜひ一度行ってみたい!