OKAMOTO’S – 昨年CDデビュー5周年を迎えた彼らが、アニメ『デュラララ!!×2 承』オープニングテーマ「HEADHUNT」を手がけ、さらなる飛躍を遂げる。

OKAMOTO'S

デビュー5周年記念イヤーとなった昨年、オリジナル・アルバム『Let It V』、コラボレーション・アルバム『VXV』の2作をリリースし、10月に初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンを成功させたOKAMOTO’S。2015年は、アニメ『デュラララ!!×2 承』のオープニングテーマでもある「HEADHUNT」が新章の幕を開ける! アニメのオープニングテーマとして、すでにオンエア中のこの楽曲。アニメの世界観と自身の現状を重ね合わせたリアルな歌詞で現代社会の闇を斬る、鋭く硬派なロック・ナンバーとなった今作。2014年の活動を振り返るところから始まり、現在の音楽シーンへの期待、新世代の台頭、アニメと音楽の関係性など、4人が現在思っている真正直な気持ちをざっくばらんに語ってくれた。

INTERVIEW & TEXT BY フジジュン

 

今年はここ数年感じなかった、面白い年になるんじゃないか?

──2015年第1弾作品として、1月から放送されているアニメ『デュラララ!!×2 承』のオープニングテーマでもある、「HEADHUNT」が完成。まずは、2014年を振り返ってのお話から聞きたいのですが?

オカモトショウ 昨年はデビュー5周年というところで、記念すべき年にしたいという気持ちで活動してきたのですが、10月には日比谷野外大音楽堂という大きな会場でしっかりお客さんを埋めることもできたし、インディーズ時代の楽曲から最新曲までいろんな曲をセット・リストに盛り込み、5年間の集大成と言える、すごく感慨深いステージになって。次に繋がる大切な年になったと思うし、すごく良い年になりましたね。

オカモトレイジ デビュー5年で野音に辿り着いたのが早いか遅いかわからないですけど、自分たちを見つめ直すいい機会にはなりました。中3からバンドをやっていて、俺なんて初めてのバンドがOKAMOTO’Sだから、すごく長いことやってる気もして……。過去を振り返りながら引き続き頑張ろうと改めて思ったし、次のやる気にも繋がりました。

オカモトコウキ そうだね。野音はロックの聖地とも言われる会場だから、いつか立ってみたいと思ってたし、実際にやってみて特別な感じもわかって。

ハマ・オカモト 「野音でやろう」っていう話は2012年から出ていたんですけど、それに向けてどういうツアーを回るのか、どんなことを喋って発信していくのかということが肝になるなと思っていたんです。結果、ライブも体感としてすごく良かったと思うし、OKAMOTO’Sというバンドを見せつける、よい機会になったと思います。それと、2014年は音楽シーンにも変化があって、個人的にはまだ表に出てきていないバンドがアンダーグラウンドでジワジワきている感じを、よりアンテナ張って見ていた年でもあったんです。人気者たちの入れ替わりが激しいなか、自分たちも含めた、まだフックアップされていないバンドにいい兆しを感じてもいて。今年はここ数年感じなかった、面白い年になるんじゃないか? という良い予感がすごくしていて、ここからの展開も楽しみにしているんです。

──わかります。今、若いバンドがライブハウスですごい地力をつけて、飛び出すタイミングを待っている感があります。

ハマ あと、リスナー側にも変化を感じているんです。SNSの発達もあって、今まで鋭い人だけがわかっていたことを、より多くの人たちが知るようになって。「ベスト盤が出るということは、レーベルとの契約を切られるってことでしょ?」みたいなことをいう人も普通にいて、“わかった気でいるんじゃねぇよ”と思ったりもしながら、そのわかった気でいる人はそれなりに分析もできるから、そのものさしで2015年を測ってくれたらいいなと思うんです。みんなが評論家みたいに考えて音楽を聴いてくれているなら、文句もいいけど、それなりに評価してよとも思っていて。「これはおいしかった」、「私はそんなに好きじゃない」みたいな会話って音楽以外では普通にあるのに、音楽ではいまだにご法度感がちょっとあるじゃないですか? お金払って聴くんだから、リスナーは音楽についてもどんどん自分の意見を言えばいいじゃんと僕は思っていて。それぞれの意識が高まって論争も生まれて、もっとみんなが冴えていったら全体的に面白くなるのになと思ってるんです。

──そうだね、ラーメン屋は「あんなとこマズいじゃん」みたいに持論を持って語るけど、音楽では言わなくて。そこに賛否があったり、論争が盛んになっていったら、単純に活性化に繋がるだろうし、もっとポピュラリティが出るでしょうね。

レイジ そもそも音楽を聴く人自体が減ってるから、聴く人が増えたら、自ずと面白くなると思うんですよね。ビックリしますよ、Instagramに「ポテトチップスを食べた」って写真載せたら、「CM狙ってるんですか?」ってコメントが何件も来るんです(笑)。マセた中高生がわかった気で書いてるんでしょうね。

──んなこと言ってないで、音楽を聴けよ! と思っちゃうよね。

ハマ でも、わかった気にさせるのも大事で。音楽の仕事をする側と同レベルで語れとは言わないけど、こっちはちゃんと土台と知識があって提示しているから、同じ土俵にいるつもりで真に受けてもらったら、こっちの勝ちなんです。人気バンドってそうやって影響を与えてると思うんですけど、俺らも真に受けてもらうことで“こういうバンドなんだ”ってことを理解してもらえると思うんです。

レイジ 今話してて気づいたけど、これから面白くなって行きそうな気がするのって、そういうわかった気でいる中高生が大人になっていくからじゃない? マセた中高生が成長して、わかってるつもりから、本当にわかる年になってきて。そういう人が大人になって、一緒に仕事ができるようになったら、本当に面白いものが「面白い」って評価される時代がくるような気が今、しましたね。

議論が生まれることでどんどん広まっていくと思う

──その分析はスゴイ! そうか、物心ついたときからインターネットがある子たちが、大人になってきてるんだ。そう、“わかった気”も知ろうとするひとつのキッカケで、知ってる人に「何言ってんの?」とか言われて、恥ずかしい思いもしながら学んで、本当に理解できるようになったりして。そういう子が大人になったら、俺らじゃ考えられないような発想が生まれる可能性もありますよね。

レイジ 俺らですら大人の世代の人たちに言われましたもん、「自分らは一枚のレコードから枝分かれして、徐々に掘り下げていってたけど、OKAMOTO’S世代はインターネットですぐ辿り着くから。間をすっぽかしてルーツにいったり、ルーツと最新の音楽を同時に知ってるのが面白い」って。でも俺らより下の世代になると、その成長のスピードがもっと早くなってるし、行き過ぎちゃってるから、そういう現状になっているわけで。

──面白い! 新世代の代表みたいに言われてきたOKAMOTO’Sでさえ、ジェネレーションギャップを感じる世代が出てきているんだ。

ハマ 俺らはデビューして5年経ちますけど、俺らより下の世代の“輪”って生まれてないんです。いまだに音楽シーンにいるバンドの世代でいうと、まだ僕らが一番年下で。その事実にビックリしつつ、お客さんと感覚が近かったり、まだフレッシュに見られるという利点もあるので、今後、同期や下の世代と一緒に仕事をすることになったとき、楽しくやりたいと思ったら、今日話しているようなことを自ずと考えてしまうし、音楽だけに捉われずいろんなことを発言していきたいんです。今回のシングルもアニメという文化と絡むことができて、そこから初めて聴く人も多いと思っていて。アニメ・ファンの中にはもちろん文句を言う人もいると思うんですけど、そこで議論が生まれることでどんどん広まっていくと思うし。僕らとしても新しいフィールドのことをいろいろ知れて面白いし、そこを巻き込めるとまた面白いものが生まれると思うので。僕らの温度とアニメがどれくらいシンクロするのか、アニメを観た人の反応もすごく楽しみです。

ショウ 普段、俺らは当たり前のように音楽を聴いているけど、今の学生で“音楽を聴いてる”って実感できる瞬間って、アニメの主題歌が流れているときだったりすると思うんです。そこからサウンド・トラックを買ったり、ロックに興味を持ったり……だからミュージシャンにとってはアニメの主題歌は音楽に興味を持ってもらう貴重な場だと思って。

レイジ ロック聴いてみたいけど何を聴いていいかわかんない、CDを買うのもちょっと恥ずかしい、と感じている人も多いと思うんで。そういう人は「『デュラララ!!』の主題歌だからさ」って言い訳にしてくれても良いし、そこから僕らに興味を持ってライブに来てくれたらすごくうれしいですね。

すごく良いバランスで書けた、僕らの新しい一歩にもふさわしい楽曲

──うん、そこでやっとシングルの話ですが(笑)。「HEADHUNT」はアニメのオープニングテーマながら、硬派で破壊力があって、初めて聴いた人の心も揺らす、ロック・バンド、OKAMOTO’Sとしての存在感もしっかり提示できる楽曲になったと思います。

コウキ うれしいですね。もともとは野音が終わってひと段落して、“次の1発目どうする?”と考えたときに、普通にカッコいいシングルを出したいという気持ちから生まれた曲で。

ショウ 歌詞は(いしわたり)淳治さんと共作で、ストーリーを意識しながら、より伝わるものをという気持ちで書きました。曲は、コウキが「ギターがカッコ良くていいメロディで」と持ってきて、男の子もワッと盛り上がるような、尖った音にしたいと思っていました。アニメのオープニング曲って、バンドのエゴを垂れ流したものよりも、ストーリーに合ってるもののほうがカッコ良く聴こえるし、自分たちにとっても次の一歩になると思ったので。作中の“首なしライダー”という重要なキャラクターの要素や、さっき話していたような俺らの考えも反映させて。すごく良いバランスで書けたし、僕らの新しい一歩にもふさわしい楽曲になりました。

──そこで「HEADHUNT」ってタイトルや、楽曲のテーマって、自分たちだけで頭を捻っても出てこなかったものだろうし。思考のキッカケがあることで、普段は開けない引き出しも開けたのでは?

ショウ 本当にそんな感じでしたね。

コウキ 結果、俺たちが今思っていることがちゃんと言えている歌詞になってると思うし、リスナーのみんなもそういうことを感じているだろうから、共感してもらえるところもすごく多いと思うし。

ショウ あと、客観的に作れた部分も多いというか。今回、サウンド・プロデューサーに大久保(友裕)さんを招いて、以前、俺たちが「マジメになったら涙が出るぜ」で新機軸を築いたときの信頼の厚いチームでの作業だったんですけど、歌詞やアレンジも主観だけじゃない、自分らだけだったら取り入れない部分も取り入れることができて。「マジメになったら涙が出るぜ」のように、自分たち以上にお客さんに気に入ってもらえる楽曲になったらうれしいですね。

レイジ デモの段階から今までやってそうでやっていない感じの曲だったので、作っていて楽しかったです。時代にも寄り添えつつ、自分たちの芯は曲げずに良いところに落とし込めて。

ハマ 普段、デモがあっても何も浮かばないパターンとすぐにアイデアが出るパターンがあるんですけど、この曲の場合はデモ録りの段階からアイデアが2~3個出てきて。4人とも最初から好感触だったんですけど、その後にタイアップも付いたうえに、最初から考えていたアイデアも全部盛り込むことができて。リスナーの反応はまだわからないですけど、手ごたえはすごくあるので、アニメとの相乗効果でどんどん広がってくれたらうれしいですね。期間限定盤にはアニメ盤ジャケットがあったり、秋葉原やアニメショップで面出しされたりすると思うんですが、そんな機会は今までだったら絶対になかったことですから、そういう機会に恵まれたことも、すごくうれしいです。

コウキ アニメもすごく面白くて、わかりやすいヒーローものの感じというよりは、いろんな要素が交錯する小説のような印象で、わかりやすい話ではないんです。それがここまで受け入れられてるのはスゴイなと思ったし、自分たちがそんな作品に関われて良かったです。

ショウ よく、「携帯電話が普及してから、ロマンがなくなった」って話をするんですけど。携帯電話があると簡単に会えちゃうし、面白味がないじゃないですか。だから、「携帯に殺された」って常々言っていたんですけど、『デュラララ!!』はそれを逆手にとって、携帯がないと起こらないドラマばかりだったりして、すごく現代っぽくて。スピード感があるから気持ち良いし、すごく面白いですよ。

“自分ってなんなんだろう?”というところにフォーカスが当たってる

──歌詞では<いま頭を失くした俺たちは あてもなく闇を彷徨うのだろう>って一節が印象的でしたが。歌詞の大きなテーマは?

ショウ 「HEADHUNT」のタイトルどおり、「頭を失くした人ってたくさんいるよね?」という話から、“自分ってなんなんだろう?”というところに一番フォーカスが当たってると思うんですけど。例えばSNSにおいても、誰もがもうやめたいと思いながら、逃れられない何かに追われていたりして。<あてもなく闇を彷徨うのだろう>という歌詞が現代病を射抜いてると思うし、<口よりも指は喋るぜ>という一節は、すごく現代に伝わるフレーズだと思うんです。

──曲の最後は、<その足で><探し出そうぜ>と、前向きだけれどまだ光が見えないまま終わっています。

ショウ 最初はもっと期待のない歌詞だったんですけど、光を求めている姿勢だけは出したくて。今回のシングルも今後のアルバムに繋がっていくと思うんですけど、現段階では曲はたくさん出来てるけど、今後どうなっていくのかは見えていない。そんな自分たちの現状とも重なってるのかもしれないですね。

──なるほど。ちなみに4人は今抱えてる闇ってあります?

ハマ 闇ですか……う~ん、でもさっき言った話ですよね。音楽に対しても、もっと言いたいことを言っていきたいなって。批評と批判を勘違いしている人が多くて、僕はそれでTwitterが4回ほど炎上しているんですが(苦笑)。僕はそういうものに対して落ち込んでしまうし、すごく悲しくなってしまうんです。表現の自由と言ったら政治的ですけど、そういうところでの窮屈さはずっと抱えていて、そういったことがもっと緩和すると生きやすいのになと思うし。そこに今、日本が抱えている闇があるような気はしますね。

──なるほど。個という部分では、SNSが本来、ひとりで抱えていた闇を吐き出す場になっていたりして。変な言い方ですけど、健康的に闇を抱えられていないような気もします。

ショウ 麻痺させてるだけのような気もしますけどね。本来は吐き出せていないんだけど、呟くことで麻痺させたり、ほかの人がもっと凹んでるのを見て安心する人もいたりして。

ハマ 僕らはこういう仕事だから余計に考えるのかもしれないですけど、インターネットやSNSとの付き合い方について、もう一度考えてみると面白いかも知れないですね。

DISC INFORMATION

SINGLE 2015.2.4 release
「HEADHUNT」
アリオラジャパン

20150204_okamotos_gentei

期間生産限定盤<CD+DVD>

20150204_okamotos_tsujyo

通常盤<CD>

「HEADHUNT」Music Video

DVD 2015.3.18 release
「OKAMOTO’S 5th Anniversary
HAPPY! BIRTHDAY! PARTY! TOUR! FINAL @ 日比谷野外大音楽堂」

アリオラジャパン
20150204_okamotos_dvd

LIVE INFORMATION

“OKAMOTO’S LIVE 2015 CDVDC”
4月24日(金) 東京 EX THEATER ROPPONGI
4月28日(火) 大阪 なんばHatch
4月29日(水) 愛知 名古屋BOTTOM LINE
==========================================
“OKAMOTO’S 2015 SPRING LIVE CIRCUIT ~ハマ☆クン24~”
3月13日(金) 岡山 岡山 livehouse IMAGE w/THE イナズマ戦隊
3月17日(火) 福岡 久留米GEILS w/THE イナズマ戦隊
3月19日(木) 鳥取 米子AZTiC laughs w/go!go!vanillas
==========================================
“HAPPY JACK 2015”
3月15日(日) 熊本 熊本B.9V1、V2、V3、Django、ぺいあのPLUS’
“MUSIC CUBE 15”
3月21日(土) 広島 アリスガーデン(無料ステージ)、広島クラブクアトロ、ナミキジャンクション、Cave-Be、Hiroshima Back Beat
“R-BROS.FEST 2015~夜桜満開篇”
3月26日(木)東京 新宿LOFT
“そうだ!LOTSへ行こう!!”
3月28日(土) 新潟 新潟LOTS
“J-WAVE ROCKS!~SPRING”
4月5日(日)東京 TOKYO DOME CITY HALL

PROFILE

オカモトショウ(vo)、オカモトコウキ(g)、ハマ・オカモト(b)、オカモトレイジ(ds)。中学校からの同級生で結成。2010年5月に1stアルバム『10’S』をメジャー・リリース。2014年にはCDデビュー5周年を迎え、1月にアルバム『Let It V』をリリースし、2〜4月に“OKAMOTO’S TOUR 2014 Let It V”を開催、8月にはアルバム『VXV』を発表後、デビュー5周年記念ツアー“OKAMOTO’S 5th Anniversary HAPPY! BIRTHDAY! PARTY! TOUR!”を敢行した。

関連リンク

・ OFFICIAL WEBSITE
・ OFFICIAL YouTube Channel
・ facebook

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

M-ON! MUSICの最新情報をお届けします。

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人