plenty MINI ALBUM「空から降る一億の星」ディスクレビュー

空から降る一億の星

MINI ALBUM

plenty

空から降る一億の星

headphone music label

2014.11.05 release

<CD>


歌詞とメロディが同時に産まれたかのような揺るぎなさ 

 三度ほど通して聴いてみたが、聴くほどに良くなっていくのがわかった。一度目より二度目、二度目より三度目と、曲が備える“そうか、だからここはこんな歌詞でこんな演奏になっているんだな”という整合性や必然性が深く伝わってきた(早い話が“噛めば噛むほど味が出る”系ってこと)。どの曲もメロディが際立つ。「いいメロディなんてものは出尽くしている」と嘆く輩もいるが、メロディというのはどこかに落ちてるものじゃなく自分のモノにするものなのだということが、『空から降る一億の星』を聴くとわかる。実際は知らないが、聴いた印象としては、歌詞とメロディが同時に産まれたかのような揺るぎなさを感じさせる楽曲が多い。

 そう。1曲目の「手紙」がまさにそうだ。Aメロからサビへずーっとひたすらメロディアスである。で、テーマは切ない別離だ。それはなぜ起きたのかを、歌詞の冒頭で“過ごす日々”に“理由が必要”になったからなのだと提示するのが効いてる。そしてこの歌がなぜ「手紙」というタイトルなのかを噛みしめたあたりで目頭がジーン、と……。次の「幼き光」は、ひとつの音にひとつの文字を充て言葉を伸ばすパートが多く、その素直な佇まいは歌のテーマである“青き日の僕”によく馴染んでいる。「ぼくがヒトであるなら」と「パンク」は、俄然、能動的に盛り上がっていく。キャッチーなリフが腰を左右に刺激する。前者は“有効期限”“最低限度”といったカチっとした言葉を浮つかず歌に練り込んでいる。後者は個人的には衝動のまま生きることへの憧憬を歌っているように思える。

 さて、アッパーが続いてここからダウナーな雰囲気へ。三拍子的アクセントの「見知らぬ朝」。この作品には大いに共感する。テーマとして孤独が扱われるが、しかし“ひとりぼっちはこわくない”と歌う。改めて書くが共感する。なぜなら孤独こそがすべてのものを自分のところに連れてきてくれるからだ。次の「イキルサイノウ」も三拍子(こちらは八分の六拍子っぽいが)。生きるために必要な才能を説くかのようで、このタイトルは逆説的。

ラストのタイトル曲「空から降る一億の星」は、人類がこうして地球上に存在し、誰かと出会い生命を育むという、そんな雄大な銀河のロマンすらを感じさせる作品。優しいボーカルの声が、夜空に染み入っていくかのように響く。歌が終わったあとの余韻も極上である。

(小貫信昭)

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