HOWL BE QUIET EP「BIRDCAGE.EP」ディスクレビュー

BIRDCAGE.EP

EP

HOWL BE QUIET

BIRDCAGE.EP

E.C.G

2014.11.05 release

<CD>


生きるとは何か? 孤独とは何か?

 昨年12月に1stアルバム『DECEMBER』を発表。エモーショナルなギター・ロック・サウンドと“孤独の向こうにある希望”を描き出す竹縄航太(vo、g、piano)の歌によって注目を集めたHOWL BE QUIET。ほぼ1年ぶりとなる新作「BIRDCAGE.EP」で彼らは、これまでの作品とはかなり趣が異なる、あらたな表現を展開している。

 まず特筆するべきは、ピアノを中心とした音作り。もともと竹縄はギター、ピアノの両方を使って作曲を行うのだが、今回はピアノで作った曲だけが収録されている。これは意図的なものではなく、“偶然そうなった”ということらしいが、オーソドックスなバンド紗運を軸にしていた『DECEMBER』とは明らかにテイストが違う。現在進行形の海外のインディ・ロックとのシンクロ具合を含め、このバンドが持つ斬新な音楽センスを示す作品と言えるだろう。

 また、生きるとは何か? 孤独とは何か? という根源的なテーマと向き合う竹縄の歌詞もこのアルバムの核となっている。特に象徴的なのが「ライブオアライブ」における<「LIVE OR ALIVE」さ その名の通り“生きる”しか道はないのさ>というフレーズ。“DEAD OR ALIVE(生きるか死ぬか)”ではなく、“生きる”しか選択肢はない。大切なのは限りある“生”のなかで、“気付いていない僕を見付ける“”ことなんだ——ちょっと大げさかもしれないが、これこそが竹縄のソング・ライティングの本質なのかもしれない。

「A.I.」も強く心に残る。“愛を 君と一緒に”というラインからはラブ・ソングを想起するかもしれないが、竹縄の真意はおそらく、そこにはない。これは『DECEMBER』を聴いたときにも感じたのだが、竹縄は恋愛というモチーフを介して、我々のなかにある拭い去りようのない孤独を描こうとしているのだと思う。人と人は結局、わかり合うことができない。そのことから目を逸らすことなく、それでも“どこにもない 答え探し とりあえず歩いていこう”と歌う。そんな誠実な姿勢もまた、このバンドの魅力に繋がっていると思う。

(森 朋之)

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