ゲスの極み乙女。 ALBUM「魅力がすごいよ」ディスクレビュー

魅力がすごいよ

ALBUM

ゲスの極み乙女。

魅力がすごいよ

unBORDE

2014.10.29 release

完全生産限定ゲスなトート盤 <CD+トートバッグ>
初回限定魅力的なプライス盤 <CD>
通常盤 <CD>


いわゆる“ゲス調”の魅力満載でありつつ、若干の変化も

 フル・アルバムは今回が初めて。5曲目にインタールード的イントスが入る曲順となっていて、最後までダレずに聴けるまっとうな構成である。実は彼ら、結構多作、というか、昨年3月の『ドレスの脱ぎ方』含めミニ・アルバムをすでに3枚、計19曲を発表し、さらに今回、本作の11曲が加わった。“ゲス調”とでも言いたい予想外のスリルある展開、ロケンロールというよりはプログレな姿勢は今回も健在だ。演奏は達者である。ベースの休日課長とドラムのほな・いこかのリズム隊は、下っ腹に響くかと思うと機敏。現状の日本のすべてのバンドのなかでも上位入賞の実力だろう(複数回のライブ体験で確認済み)。そもそもリズム隊に花があるっていうのは、その時点でバンドとしての「勝利」なのだ。
 
 川谷絵音の作詞作曲による、日常のストレスを己に言い含めるかのような作風も引き続き感じるが、ただ、彼らは多くの人たちから注目され始め、そこには当然、パブリック・イメージのようなものも生まれる。そこへの対処というか、1曲目「ラスカ」の歌詞にアルバム・タイトルの“魅力がすごいよ”がメディアが垂れ流す“声”として登場しているあたりは若干の作風の変化だろうか。でも考えてみたら、“魅力がすごいよ”ってなんて曖昧な言葉なんだ。具体的に言えよっつう感じ(笑)。

 タイトル的には「キラーボール」的比喩感覚の「デジタルモグラ」は、名曲である。彼らは名曲なんて決して言われないような流動的な作風を心掛けているかもしれないけど、この際、言ってしまおう。「サリーマリー」はなんならめちゃキャッチーな曲も作れますという予兆にも感じる。

 ちゃんMARIがかつてのヤマハ「CPー80」みたいなエレキ・ピアノだけど打弦のアタック出る的な音主体で攻めて、バンドが一丸となってひとつのフォ-スを見据える、というのもアリだろうし、ここらで一度、なんならライブ録音でもOKだがこれまでのライブの人気曲をベストにまとめてくれる、というのもあらたに彼らを知った人にはいいかもですが。

(小貫信昭)

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